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【多分炎上】クレーム対応が大変だった住民3選


 皆さんこんにちは。イ キ ナ リ デ ス ガ ー(楽天カードマンの言い方)、私が住民課時代に対応が大変だった方のトップ3を発表します。異動した今だからこそ言えるぶっちゃけ話ですね。

 今回のトップ3では、特定の住民対応を紹介するのではなく、こういう人(カテゴリー)がクレームに発展したら大変でしたよという形で、その背景と対策を中心にご報告します。


 なお、本記事はあくまで「クレームに発展したとき、対応に苦慮しがちである」と報告するものであって、決して以下の方たちを差別しているわけではありません。また、全員に当てはまるものでもありませんので、あくまで私の主観に基づくとご認識ください。

 また、現在窓口対応をされる方におかれましては、本記事を参考にされ、日々の業務の糧としていただきたいと思います。



クレームの素:本人確認の厳格さ

 マイナンバーカードの手続きにかかる本人確認は非常に厳格です。旅券や運転免許証があれば1点確認ですけど、お持ちでない方にはもう1点の提示を求めています。年金手帳とか、母子手帳とか。

 この2点目を提示できない方が結構多く、「保険証ならあるけど」という相談を頻繁にお聞きしていました。また、生活保護を受給されている方は、受給者証が本人確認書類になるものの、保険証をお持ちでない場合が多く、免許もほぼほぼお持ちでないので2点目の相談をお聞きしています。

 これまではそういった方に年金手帳の再発行をお願いしていたのですが、令和4年度より年金手帳が発給停止になったため、それも不可能に。そうなるととにかく氏名や生年月日のわかるものをかき集めて来てもらい、最後は市町村判断になります。

 マイナンバーカードの窓口でのクレームの9割以上は本人確認書類の不足に関するトラブルでした。もっとも、今では本人確認や代理人交付の要件がかなり緩和されたようなので、こうしたクレーム件数も減るでしょうけど。



第3位:子どもの代行をする親

背景:親の丸受け

 本人確認書類を探すのは大変といいましたが、高齢者の場合は介護保険証や高齢者証明など、探せば何とかなるものです。ところが、若者の場合は話が少し違ってきて、母子手帳がない、保険証がないなどのケースが頻発します。それでいて介護保険証などの交付は受けられません。

 その時、本人が動いてくれればよいのですが、その親が出てきて「この子はこんなに頑張っているのに!」とブチキレられることがあります。努力でカードが渡せるのであればこちらも苦労しません。

 事情をお伝えするのですが、子どもためと感情的になった親には聞き入れてもらえないことが多いです。ただ、当の本人はわりとおとなしくて、ブチキレている家族の横でバツが悪そうにしていることが多いです。まぁ、そんな状態だからこそ家族のキレ具合が目立つわけなんですけど…。

 あと、項目としては「子ども」「親」と広く書きましたが、そのほとんどが「息子」と「母親」です。


対策:子どもに聞く

 こうした親からのクレームに対して私がやっていた対策は、本人が手続きできる年齢(15歳以上)だった場合、子どもに話を振るというものです。

 「あなたはどうしたいですか?」「あなたはどう思いますか?」と聞いてあげると、衝突していた火花がいったん外に逸れるので間合いがとれます。また、子どもの意見を聞くことで親がそれを汲み取ってくれるので、態度が軟化していきます。そのうえで手続きに必要な書類であったり、了解していただきたい事項を伝えることで生産的な話し合いに発展していきました。

 子どもが命であるがゆえに感情的になるのであれば、生命線である子どもを巻き込んでやるのが有効な策だと判断していました。



第2位:電話で100%を求める人

背景:現物を見られないつらさ

 住民からは、対面だけではなく電話でも質問を受けます。電話口では視覚情報がないので、会話の内容から推測し、返答を考えねばなりません。

 本人が「運転免許証」と言っていても実際は「保険証」かもしれないし、仮に正しく「運転免許証」と言っていても文字が擦り切れていて本人確認ができないものかもしれない。電話対応にはそういう怖さを含んでいます。

 なので、「電話口では確実なことは申し上げられない」というクッションを挟んでご案内する形になるのですけど、それを認めてくれない方もおられます。確実な答えが出るのは、現物を拝見してからなのですが…。

 「無責任な仕事をするな」と言われるのですが、無責任な仕事ができないからこそ「確実とは言えない」としか申し上げられないのですよ。しかも、そういう人に限って、99.9%大丈夫な案件の残りの0.1%を引きます。


対策:キーワード「あなたがいう」

 結局のところ、住民がどれだけ求めてこようと、現物を見られない以上は確実なことが言えません。一方で、住民も住民で確証を得ないと引き下がることができません。

 そこで、せめてもの妥協点として「あなたがいう」というフレーズを言うようにしていました。いただいている情報がすべて正しいという前提なら、確実ですよというスタンスを示すのです。

 たとえば、手続きに通知カードが必要な場合、「あなたのいう"通知カード"が法令上でいう通知カードなら問題ございません」と回答していました。それによって、住民側にも納得していただくことができますし、仮に違っていたとしても「あなたのおっしゃっていたものが"通知カード"であるという前提でお伝えしたのですが」と切り返すことができます。

 納得はされませんけど、このやりとりによって、待望の「現物」を拝見できるため、次は確実なご案内ができるようになります。

 そもそも電話口だけで100%を求められるのは無茶な要求ですから、とりあえず間を伸ばして確実に近づけていくのが得策だと判断していました。



第1位:教師・元教師

背景:公務員の同族対決

 この2年間で、クレーム対応が段違いに大変だったのは、教師あるいは元教師の方でした。正直大変な思い出として残っている対応のほとんどがこれでしたね。

 公立学校の教員の場合、自身も教育職の公務員であることから、公務員との戦い方をよく知っておられます。そのため、法解釈の余地であったり運用上の不足など、返しづらいところをつついてきます。

 あと、日頃から「先生」と呼ばれていて、自尊心が高まっちゃってる人が一定数おられるようで、そういった人は揉めたら絶対に引き下がらず、自分の要求を通すまでは帰ってくれません。勝つまではやり続けるという執念を感じます。

 異動直前のころ、とある住民へのクレーム対応が発生しました。その方は私からみて1歳年下とお若い方でしたが、「上の者を出せ!」と昭和世代顔負けの主張を続けました。

 結局は相手方が誤解しており、本人確認書類は揃っていたのですが、それは認められず。後からその方が教員だと知って「あ、やっぱりな~…」って思ってしまいました。

 もちろんすべての教師・元教師の方がそうであるとは思っていませんが、クレームに発展したとき強敵の部類だったのは間違いありません。


対策:とにかく持ち上げる

 クレームに発展するタイプの教育関係者は自尊心が高いのだと思います。なので、人に指示されたり、間違いを指摘されたりすることが気に食わないのでしょう。その気持ちは何となくわかります。

 そこで、クレームに発展したときはとにかくその人を持ち上げることにしていました。こちらの言うことに対して逐一揚げ足を取ってくるので、その場合は「よく知ってますね!」「さすがですね!」と言い返します。そうやって持ち上げておくと、結構簡単に機嫌よくなります。わかりやすいです。

 結構有効だったのが対応する人を変えること。私も上司の役になって対応を替わったことが何度かありますが、結構効きました。あと、「上席に報告しておきます」というフレーズ。これを言ったら追撃をやめてくれることが多かったように思います。報告はしますよ。クレームとして。

 とにかく、相手の高い自尊心を傷つけないように気を付けながら、こちらの要求をすこーしずつ通すという作戦をとっていました。



4.番外編

 では最後に、トップ3まではいかなかったものの、対応に苦労した方々を軽くご紹介します。


(1)老齢両親の子

 「子どもの代行をする親」と同じで、こちらの方々も本人の手続きを丸受けしたうえで感情的になります。

 ただし、高齢の方の場合、必要な本人確認が見つかるケースが多いため、子どものケースに比べてクレームが解消しやすかったです。

 ちなみに、項目上は「子」という広い表現ですが、99%は「息子」それも「長男」でした。こういったところにも日本の家制度の名残が見えますね。


(2)公務員・元公務員

 「教師・元教師」と同じく、こちらの方々も公務員との戦い方をよく知っておられるので、厳しいところを攻めてこられます。一方で、公務員としてできること・できないこともよく知っておられることから、クレームを言っても最後には「あなた方に言っても仕方ないか」と引き下がってくれたり、「私も経験があるが大変ですね」と同情してくれることが多いです。



私も予備軍

 という感じで、窓口での苦労話を並べた私ですけど、自身もクレーマーの素質があるので注意しないといけないと思っています。

 ご存じのとおり私も公務員(将来的には元公務員)で戦い方をよく知っていますし、質問に対して「完璧な回答」を求める傾向があります。また、私の母は結構過保護ですので、母を巻き込んだら簡単にややこしくできます。

 人の振り見て我が振り直せではありませんが、窓口対応する側もされる側も気持ちよく動けるように身の振り方には気を付けていきたいと思います。

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