灰形に思う覚悟と祈り
少し前のこと。
10月第一週の茶道のお稽古に行ってきました。
来週は風炉のお茶事をするということで、この日は風炉の炭手前のお稽古でした。
お稽古では電気で湯を沸かしているけれど、本来は炭で湯を沸かしていたのだと改めて思い出させてくれるお点前。
炭を置く前に灰形の真ん中に水の卦を書くことで、火事が起こらないように祈り、きれいに整えられた灰形に月を切ることで、「もうこの灰形は他の客を迎えては使いません」という気持ちを表しているのだとか。
その一席を無事に、そして大切に過ごすための覚悟のようなものが感じられます。
きれいに整えられた灰形に灰匙をいれるというだけで、とても緊張し、ぐっと気持ちが引き締まるように思ったのですが、なるほどそんな意味が込められていたのかと思ったのでした。
しゅんしゅんと湯の沸く音が聞こえる前には、こんなキリッと気持ちの引き締まるような時間があることを忘れてはいけないなぁと思います。
この日のお菓子は『柿』。
切ると3層になっていました。
まるで地球の断面のようだと思ってしまうのは、娘が習い事で「今日は地球のなかを作ってきた」と粘土で作られた地球を輪切りにしたものを見せてくれたから。
さて今週は風炉の茶事。
わりと熱く炭点前を語りましたが、私の担当は濃茶でした…(笑)