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過去のデータにも属性情報を付与できる!?傾向分析を高度化しよう

こんにちは!
株式会社Acompanyで事業開発に所属している角川です。

データコラボアイディアの投稿について

Acompanyは、名古屋大学発のスタートアップで、秘密計算をはじめとしたすごい技術をたくさん持っている会社です。
その技術をどのように社会実装するかは、まさに”アイディア”だと思っており、私がお客様と面談する中で得た様々な企業のニーズをヒントに、いくつかのユースケースアイディアをご紹介したいと思います。

※注意事項※
本記事の内容は営業目線のアイディアベースなので、法的実現性や技術的な実現性の検証にまでは至っていない内容の可能性があることをご理解・ご了承いただければと思います。
もちろん、Acompanyにはプライバシー領域の有識者が複数在籍していますので、お客様のビジネスアウトカムに寄り添って、適切な法スキームと技術を提供できると思います。

今回のテーマ:属性付与

今回(第二弾)のテーマは、『個人の属性情報がない過去データに属性情報を付与する』になります!
わかりにくいですね〜!よくあるわかりやすい例が、ID-POSのイメージですね!『個人の属性情報がない過去のPOSデータに年代・性別などの属性情報を付与する』というケースですね。
他の例で言うと、『テレビの視聴データ』だったり『会員登録が必要ないアプリ』等にも、個人属性情報がほとんど紐づけられてないようなので、同様のニーズがあります。

Acompanyは『プライバシー』という言葉を使うので、「ウチはBtoCだけど個人情報は持ってないよ!」という企業様からはあんまり関係ないと思われがちなんですけど、この記事でご紹介する方法は、非個人情報であるPOSデータと、まさに個人情報を持っている企業のデータとのコラボレーションで実現するものなんですよね!

まずは、一般的なID-POSの説明からさせていただきます。普通、ID-POSというのは、店頭のPOSレジでポイントカードや会員カードを提示してもらうことで、そのPOSデータを個人に紐づける、といったものなんですけど、これってお客様がポイントカードや会員アプリを提示してくれないと紐づけられないんですよね・・・!
とは言えただのPOSデータのままでは、この購買をした人が男性なのか女性なのか、何歳くらいなのか、どのあたりに住んでいるのか、等の情報がないため、店舗ごとの傾向分析などに有効に活用できないケースが多いです。

この記事でご紹介するのはデータコラボレーションによって実現するケースで、厳密にはID-POSのように『個人を特定するようなID化』はできないんですけど・・・
長年蓄積して大量にある”単なるPOSデータ”に『個人の属性情報』だけでも付与できれば、かなりデータの価値が上がると思いませんか?

小売業のデータ活用 - 市場トレンド

小売業のデータ活用のトレンドについてですが、このID-POSというのは、2000年くらいに始まったようですね。そう言えば、「どの店舗でもポイントカードをお持ちですか?って聞かれるな」と感じていましたが、私は、昔からある スタンプカード みたいに再来店を促すことが目的で配布してるんだと思っていましたね。

でも、実はポイントカードを利用するとPOSデータに情報が紐づけられていたんですね。小売店側からすると購入者の属性情報がわかるので、より高度な傾向分析ができるようになり、その分析結果をもとにクーポンの発行などをして追加の購買を促せるとか、そういったメリットがあります。

もちろん、自社のポイントカードでは顧客にポイントを還元するので、小売店側もランニングでコストを負担することになると思います。また、ID-POSに対応するPOSレジに切り替える必要もあると思うので、結構イニシャルコストもかかると思います。
買い物する側からすると、少額の買い物の場合は「たいしてポイントつかないし、出さなくていいか」って思ってしまいますけど、店舗としては「1円の買い物でも使って欲しい!」といった感じなんでしょうね!

一方で、Vポイントカード(旧Tポイントですかね)等はまったく系列の違う店舗にも導入されている『共通ポイントカード』になります。他の店舗の購買データと連携するので、相互送客ができるというメリットがあると思います。
噂では、ポイント還元は共通ポイントの運営会社が負担することもあるみたいですね。それ以外にランニングコストは結構かかるかもしれませんが!
おそらく共通ポイントのシステム導入のイニシャルコストも別途発生すると思われます。
もちろん、ポイントカード運営会社としては、多くの店舗に導入してもらうことでよりたくさんの購買データを収集できますので『データを分析した結果を販売する』等で大きく利益をあげている、という構造になっていると思われます。(弊社にもそういった企業様から多くご相談いただいております)

ただ、せっかくポイントシステムを導入したとしても、ポイントカードの提示率が悪い場合はIDに紐付けできないPOSデータが増えるだけになってしまいます。
これに対して、この後ご紹介するスキームを活用すれば、過去のPOSデータに対しても属性情報が付与できる可能性があるんです・・・!

データコラボレーション:ID-POS

では、データコラボレーションで実現するPOSデータへの『属性付与』ですが、どのようなデータコラボになるのかと言いますと、属性情報に紐づいていないPOSデータ(基本的には実店舗での購買データですね)、これらとクレジットカード会社が持つ決済データを突合させるんですね。

ただ、属性情報のないPOSデータなので、突合キーに『メールアドレス』や『氏名』等は使えません。
ただし、キャッシュレス決済の場合においては、POSデータとクレジットカード会社の決済データには『決済店舗』『決済金額』『タイムスタンプ(決済日時ですね)』の共通するデータを保有していると思います。この3つを組み合わせてキーにすることができます。
クレジットカード番号で照合する必要がないので、そういった決済情報を外部委託している等で保有していないような店舗でもデータを突合させることができます。

『タイムスタンプ』については多少のタイムラグがあったりする可能性がありますが、Acompanyは『推定データマッチング』という技術もあるので、そういったデータの『ゆれ』にも対応できます。
なお、この際にクレジットカード会社側のデータについては、個人が特定できない状態にする加工が必須となります。単に情報を削除するのではなく、k-匿名化などの技術を組み合わせてデータの価値損失を最小限にするのもAcompanyの技術ですね!

先ほど少し触れたとおり、このスキームは『過去のPOSデータに対しても属性情報が付与できる可能性がある』んですね。過去に収集したデータに対して同意を取得するのは困難なんですが、Acompanyの技術と法的知見を組み合わせることで、実現できるスキームになります。
さらに、小売店側が個人を識別するような情報を持っていない場合には、『統計情報』や『予測モデル』といったアウトプットではなく、1レコード単位の購買データのまま『年代』『性別』『居住エリア』等の属性情報が付加されたデータとして取り扱える可能性があります!

実際には、保有データの流れやケース、利用規約やプライバシーポリシー等によっても対応が異なりますので、このあたりについては、Acompanyにて『プライバシーDXコンサル』や『プライバシー影響評価(PIA)』のご支援をさせて頂ければと思います・・・!(営業トークも忘れない★ミ)

第一弾の宣伝と第三弾の予告

この『データコラボアイディアシリーズ』ですが、毎週投稿の予定です。
第一弾はすでに公開していて、第三弾についても公開を予定しておりますので、そちらの記事も見ていただけると嬉しいです!

第一弾は、『健保組合が保有している健診データ等のデータ』と『事業会社が保有している人事データや勤怠データ』を突合させて企業の健康経営に活かすといった"コラボヘルス”のユースケースアイディアになります。
医療データは、要配慮個人情報にあたるので、取り扱いは要注意ですね。
https://note.com/acompany_bizdev/n/nfd3e6c203d06

第三弾は、「秘匿化したい機密情報だけど連携しないといけない・・・といった状況で困っている!」というニーズに対して、秘密計算の技術を応用したスキームを条件が合った場合にだけ情報が連携されるユースケースをご紹介したいと思います。
番外編として、物理的にデータを運搬するときに、万がイチ盗難・紛失が発生しても情報漏洩を防ぐことができる、といったケース等もご紹介できればと思っています・・・!

Webinarシリーズのご紹介

本記事の内容を下記のWebinarにて口頭でお伝えします!
当日は、技術の実装イメージがわかるようなDemo動画も用意していますし、後半には、他のSalesメンバー数名がパネリストとして参加するQ&A兼フリートークの時間があります。
今回のテーマは『属性付与のユースケースアイディア』だったんですが、ID-POS以外のケースについては、このフリートークのPartで触れさせて頂きます・・・!

お時間が合う方は気軽にご参加いただき、Q&Aの時間には是非その場でご質問や取り上げてほしいテーマなどお伝えください!
開催後には同ページからアーカイブ動画をご視聴いただけますので、そちらもご活用ください。

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