理想のキッチン探し74仙川リターンズ
だいぶ前に内見を申し込んだけど、居住中だった物件が2つ残っていました。その一つ、9月30日に退去した物件を10月1日に見に行きました。この物件は3LDK+サービスルームで84㎡もあるのに割安。最寄り駅は京王線の仙川駅で住所は調布市です。仙川には世田谷区と調布市、三鷹市の住所の人が徒歩圏内に住んでいます。
築年数は32年の低層マンション、1階の部屋です。サービスルームも6・1畳あって、LDKに接する部屋が和室で、私たちにとっては使いやすそうな間取りだったこともあり、申し込んでいました。
そもそも、一度休もうと決めてテンションが下がっていたからでしょうか? 駅からは徒歩11分となっていますが、甲州街道を超えると巨大団地が広がっていて、東京都住宅供給公社のその住宅群の多くが建て替え時期で工事が始まったばかり、という騒音が心配なエリアだからでしょうか? 敷地に入ったときから、若干ですがすさんだ印象を持ちました。駐車場と屋根付き駐輪場がありますが、不可のはずのバイクがずらっと並んでいて一台は妙にでかく、夫が「やんちゃな人が住んでいるのかも」と言ったせいでしょうか。何かなー、と思ってしまいました。
キッチンは珍しく広めで取り替えてそれほど経っていないようです。和室がアンドン部屋で窓から遠いせいもあるのか、畳が取り替えたばかりのように青い。前日に退去したばかりというのに、住人の方がタバコを吸っていたという換気扇前の壁が黄色くなっているほかは、とてもきれいです。2年しか住んでいなかったとのこと。あまり家にいない人が住んでいたのかな?
リクシルの下部が引き出し収納になったキッチンです。
換気扇は憧れのフラット型、シンクは幅が75センチもありますが、深さは問題の15センチ。しかし調理台は幅80センチの欲しかったサイズ、でも吊戸棚は下部にようやく手が届く高さ。独立型で後ろの壁まで110センチあるので、今使っている無印の棚は何とか置けますが、1人しか入れないタイプのキッチンです。とはいえ今まで見てきた中ではゆとりがあります。
これまでの経験では、キッチンが割といい物件はほかに暮らしにくい条件があります。律儀にも(?)この物件もその一つで、エアコンは北側の洋室6・2畳には取り付けられない。この物件は北側に通路があるため、北の部屋はだいたい暗い。その中でも若干ましな部屋が不可です。なぜかサービスルームは取り付け可能。LDKの隣の洋室も、あまりエアコンが望ましくないとのことですが、前の人は使ったらしく技術的には取り付け可能。和室はつけられますが、何しろ部屋に窓がないので、多分半分ぐらい開く開口部は開けっぱなしを基本にして生活するので、エアコンは必ずしもなくていいのに。リビングにはついています。それでいうと、キッチンにはエアコンの暖気・冷気は届きにくいかもしれません。
あと、問題はクローゼットがないこと。すべての収納の真ん中に段があり、和室以外は奥行きも70センチ弱で、押入れ収納用の収納ボックス類は入らなさそうです。部屋数が多いので、洋室の収納にパイプを入れて丈が短い服を吊るし、室内にパイプを入れてコートやワンピースをかける方法も使えますが。風呂は狭く追い焚きが不可。
帰り際に気づいたのですが、玄関がめちゃ狭い。何とか2人は立てますが、下駄箱が壁に埋め込むタイプで、鍵などの小物は玄関の扉裏側にでも吊るすしかないですし、靴は毎回収納しなければならない。夫が一時期、靴をいちいち下駄箱に入れていたのが、最近はまた2,3足出しっぱなしにしているので理由を聞いたら、しまうとカビやすくなるからだそう。となると、2人で靴を出しっぱなしにするのが難しいこの環境はどうなのでしょう? 玄関の外に少しスペースがあるので、傘立ては外に置くしかないかもしれません。廊下を見ると、窓の外に傘をかけていたりと、玄関周りのものを外に出している人が多く雑然としています。スリッパ立ても置けないし、荷物の出入りが多い時期は、廊下に荷物を一時的に置くのも難しいかもしれません。北側の部屋にとりあえず入れる、という方法はありますが。
北側の部屋は防犯上もあるのでしょうが、窓の大半がはめ殺し。空気の通りもあまりよくなさそうです。
こうした、場所も値段も広さもそこそこクリアし、キッチンもわりと使えそうなのに、何だか住みにくそうな条件が細かくたくさんある感じの部屋です。なぜか私は、玄関が狭過ぎる家が苦手です。閉じこもっていい気が入ってこない気がするのは、気にし過ぎなのでしょうか?
一休みしている間に決められない理由を考えてみたのですが、それはずっと最初から横たわって二人で話してきた問題でした。一つは、今の部屋が掘り出し物で、期間が長いとはいえ定期借家だからか、管理会社、オーナーが大手企業で鷹揚なのか、お値段の割に設備がやたらよく、間取りの設計がうまくてキッチンが広くて使いやすいこと。もちろん窓のガラスが薄いなどいくつかの難はありますが、完璧な部屋がないということを考えれば、かなり好条件です。そして、自転車があればかなり利便性も確保できる立地ということ。何より家賃が格安。問題のマンション工事が一向に隣の敷地で始まらないこともあり、テンションが下がっています。何といっても、希望のエリアに広くて安めの部屋が全然ない! QOLを下げてまで、1週間もかけて何十万もかかる引っ越しをしたくなくなってしまう、ということが問題なのです。何か奇跡でも起きないかなー、とすっかりダメな人になっています。
幸か不幸か、報道などでも住宅問題が最近かなりクローズアップされるようになってきました。自分自身もキッチンの歴史を調べて本など執筆中なこともあり、私の悪いクセですが、自分のことなのに何かと客観的になり過ぎること、しかし当時者としては発想を変えられないまま、むしろわがまま度を増しているという困った事態です。