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家事の考え方

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新しいカテイカの活動から生まれた、家事について考えた連載をまとめました。
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2018年9月の記事一覧

愛情を込めた料理って?

愛情を込めた料理って?

 今回は前回の続きです。https://note.mu/acomari/n/n0119a854eeb1

料理に「愛情を込める」という意味を持つ表現は、山尾美香さんの『きょうも料理』によれば、昭和初期から登場しています。昭和初期と言えば、都会でサラリーマン家庭がふえて、彼らが腰に弁当をぶらさげて出勤するので、腰弁などと言われた時代です。つまり、主婦がふえると、「愛情」は強調されるようになるのです。

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料理が重荷になるとき

料理が重荷になるとき

 私はこれまで、日本の食文化の歴史と今をいくつもの本や記事で書いてきました。その中でも、料理研究家とその背景について書いたものがヒットした『小林カツ代と栗原はるみ』(新潮新書)で、それは『昭和の洋食 平成のカフェ飯』(ちくま文庫)が注目されたおかげでした。

 でも、料理メディアに注目してその背景にある社会について分析したのは、私が最初ではありません。大学院の修士論文がもとになったという、山尾美香

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「主人」という言葉

「主人」という言葉

 最近、若い女性が自分の夫について「主人」と呼ぶ場面によくあいます。その言葉には、男性中心社会で差別され、主婦業中心に生きざるを得なかった私たちの世代の母親たちを思わせます。昭和前半に生まれた彼女たちは、憲法で男女同権がうたわれているのにもかかわらず、自由に仕事を選ぶことも難しかった世代です。

 多くの女性が、社会で差別され、若いうちに職場を離れなければならなかったり、子どもを預けることが困難だ

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料理の得意不得意は、心の問題かも

料理の得意不得意は、心の問題かも

 この本は、『料理は女の義務ですか』をはじめ、今まで何回も紹介していて、翻訳者の村井理子さんとは対談までしました。https://note.mu/acomari/n/n15e88263269c

 パリの一流料理教室、ル・コルドンブルーを卒業したフードライターが開いた、料理に苦手意識を持つ女性たち10人を対象にした料理教室の体験ルポです。教室の内容はもちろんですが、私が何回も紹介したくなるのは、こ

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