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家事の考え方

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新しいカテイカの活動から生まれた、家事について考えた連載をまとめました。
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2018年8月の記事一覧

罪悪感はどこから来る?

罪悪感はどこから来る?

 もう20年近く前になりますが、結婚したばかりの頃、私が思いがけず自分でもびっくりしたのは、「いい奥さん」を演じようと、人前で取り繕い、家事をていねいにやろうと必死になっていることでした。

 なぜびっくりしたかというと、私は学生の頃にフェミニズムの影響を受け、また、就職した会社でも男女平等が徹底されていたので、女性の先輩たちから「結婚は最初が肝心。なんでもやってもらえると旦那に思わせないこと」な

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昔の食事

昔の食事

 前回、毎日の食事は「一汁三菜でなくてもよいのでは」という話を書きました。自分が面倒だから手を抜いている、ということもありますが、それは歴史的にもそんなゴージャスでなかったという話を今回はしますね。

 写真は、『聞き書 広島の食事』(農文協)という本の一部です。この「聞き書」シリーズは平成のはじめに、農文協が47都道府県の各地域で昭和初期の食生活を、農家や漁師、商家などさまざまな庶民の方々に思い

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一汁三菜はマストですか

一汁三菜はマストですか

 これは今日の私のお昼ごはんです。残り物の肉野菜蒸し煮と、残り物のパクチー・山芋を和えたもの。お昼はだいたい残り物。残すように料理しておくんですね。毎日毎食一から作っていたら、家を職場にしている私には生活が成り立ちません。なので、けっこう一回にたくさん作って残り物を2、3回続けて夫と食べることがあります。毎日のことですもの、手抜きばっかりですし、それでいいと思っています。

 去年、土井善晴さんの

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家事を誰に教えるべきか

家事を誰に教えるべきか

 家事の分担について、ある30代の主婦の方たちにお話をうかがってみたら、旦那さんがまったく関与しない、とちょっと怒りながら話してくださいました。彼女たちが主婦ということもあるのでしょうが、「せめて階下に持って降りたものぐらいは、後で自分で戻せるようになってほしい」「せめて子どもたちが将来同じようにならないようにしつけます」と。彼女たちのような夫婦は多いのかもしれない、と思う一方、今後が心配になりま

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人生を支える日常がある

人生を支える日常がある

 8月になったので始まった戦争の話。昨夜の『クローズアップ現代プラス』が、ロングラン上映を続ける『この世界の片隅に』を題材に、戦争中の暮らしの実例を紹介していました。でも、番組が始まり、観ていると、いつもの通りの悲劇的な展開の実例集に「またか」と思わず観るのを止めてしまいました。

 この映画を題材にしたのは、多分、私たちが悲劇的な物語とともにくり返し聞かされてきた戦争ではないところにポイントがあ

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