3ヶ月と21日。
奇跡的に元気だった3ヶ月と21日が終わった。
理由は私が度々笑えなくなるから。
LINEが暗くなるから。
3ヶ月と21日の始まりの日、私の格好が嫌だと言われた。
真っ黒で、パンツルックで、しかも細身のパンツは嫌だと。
私は昔あった性犯罪のせいでずっとスカートが履けなかった。そこからスカートを履くために努力を始めた。
「可愛い」の感覚が人とは違う私が可愛いと思われるスカートを選ぶことがまず至難の業だった。
どうしたら喜んでくれるかな?どれなら笑ってくれるかな?必死に考えてやっと1着買えるし、それを買うのも心臓が張り裂けるくらいドキドキした。
スカートを履くと言う行為もとても胸が苦しく、でも笑ってくれる、喜んでくれると言う気持ちで履いた。
スカートを履かないことは私にとっては鎧だった。
女の子として見られないことで、昔の苦しい気持ちから離れられる安堵感があった。
スカートを履く機会もあったが、その時はしっかり下に隠れる丈のパンツを履いた。そうでないと自分がトラウマに襲われてしまうからだ。
それまでに揃えていた大好きなブランドを買うこともやめた。新しい服を買うと「似合わない」って言われるから。
私は鎧を脱ぐ選択をしたのは自分だ、と自分に言い聞かせていた。
自分を変えないといけない、そうやって。
スカートを履いた姿を見せた日、服に対する言葉は「可愛い」に変わった。
その代わり、そこにたどり着くまでに人におかしいと思われているという怖さでおでこは脂汗まみれで、私も笑ってるけど胃がキリキリしていた。
それでも喜んでくれているから……私は私を殺した。
それが当たり前にならないといけない、その辛さはきっと時間が解決してくれる、そう信じていた。
でも、その時間は3ヶ月と21日で終わった。
早く変わることのできなかった私が悪い。
私のペースでしか動けない私が悪い。
ごめんね、そしてありがとう。