スピリチュアルでいう高次元世界とは

幻想は幻想でしかない

スピリチュアルでいう高次元世界とは、いったいどういうものなのでしょう？

非二元から見るならば、それがどんなに高次元、高波動なものであろうと、幻想は幻想でしかありません。

それらすべてが神のひとり子が見ている夢にしかすぎないということです。

つまり、それらは本当は「無」なのです。

それが、純粋な非二元の教え（真理）です。

真理から見るならば、この世界の夢を見ていること自体がすでに「分離の想念」を信じているということであり、つまりは、自我の二元性の思考体系と同一化しているということになります。

それが何を意味するのか？

というなら、この世界の私たちはすでに自我になってしまっている状態なのだということです。

そのような状態であるにもかかわらず、この世界の夢の中でスピリチュアリスト（スピリチュアルな探究者）たちは何をしているのか？

というなら、スピリチュアルな教えのもとに、その自我になってしまっている自分を、より高次の、より高波動の、より神聖な自分へと高めようとしているわけです。

その自分こそが自我であり、しかも、非実在であるとはまったく気づいていません。

つまり、スピリチュアリストたちは、非実在（無）であるものをしきりに良きものへと変えようとしているのです。

それがいけないというわけではありませんが、そうしていることがどれだけ無意味で滑稽なことであるかが分かるはずです。

しかも、私たちが最も知っておかなければならない大事なことは、そういうことをしていることの本当の意味です。

つまりは、私たちはそういうことをしながら、「自分は神から離れた別の存在です、自分は神（の子）ではありません」と宣言しているようなものだということです。

そのようにして、私たちは、その自我（嘘）の自分を自分だと頑なに信じ込もうとしているのです。

この世界の夢や、この肉体は、その証拠として使われているのです。

真理から見るなら、そういうことです。

すべては「分離の想念」によって、分離（二元性）の世界のさまざまな形態が作り出されたということです。

そのようにして作り出された世界が、この物理的宇宙世界です。

作り出したのは、その世界だけではありません。

あの世と呼ばれる世界、あるいは「高次元」「低次元」と呼ばれる霊的世界も作り出したのです。

とはいえ、そのすべてが二元性の世界の夢の中でしかないわけです。

その夢の中でいくら探究していったとしても、その探究はどこまでいっても二元性世界の枠（夢）から脱出することはないということです。

つまり、それが何を意味しているのか？

というと、その（二元性の中の）探究では、けっして私たちを真に平安と幸せにすることはないということです。

コースでは、それらすべてが分離の想念が作り出した幻想（妄想／非実在）にしかすぎないと教えてくれています。

そう、コースはそれらすべての二元性の幻想を超えていくスピリチュアリティなのだということです。

風の時代

巷のスピリチュアリズム、つまり、精神世界では、「風の時代」という言葉を耳にしたりします。

私たちが覚えておかなければならないのは、幻想がどんなにより良き幻想に変わっていこうとも、やはり、幻想は幻想であることに変わりはないということです。

真理を求めているのであるならば、それがたとえ高次元の世界、高い波動の素晴らしき世界であろうが、そもそもすべてが嘘の想念で作り出した夢にしかすぎないということを思い出していく必要があります。

そう、それが、二元性を超えていこうとする者たちに求められていることです。

この世界がこれから良き時代になろうがならまいが、逆に、悪しき時代になろうが、所詮、幻想は幻想でしかないということを忘れてはなりません。

実在しないものに、何の期待をしようというのでしょう。

何もかもが、嘘の想念がでっち上げた幻想でしかないというのに、です。

コースが私たちに教えていることは、ただそれだけです。

それが、非二元（ノンデュアリティ）の視点からの見方だといえましょう。

そうやってこの世界を超えて（看過して）見ていくとき、そして、スピリチュアリズムを超えていくとき、つまり、この世界の夢を超えていくとき、完璧な愛のワンネス（一体性）がただ在るのを知覚するようになるでしょう。

コースの学習者の私たちは、そのような正しい見方（知覚）を修得していくために、コースを学びそして訓練しているということです。