「Choose life.」~トレインスポッティング感想
ある日のこと、Twitterの相互さんがトレインスポッティングを観たとつぶやいていた。そういえばいつか観ようと思って観てなかったなぁと思ってリプライしたら「採血とか下品とかダメじゃなければ大丈夫!いい女がいっぱい出てくる!(要約)」とのことで。
いや。どっちもダメですwwどうしようwwとなりつつ、そもそも私がトレインスポッティング観たかったのはまあバレてるでしょうがUnderworldな訳でして。いったいどんなエモ場面でBorn Slippyが流れるのか興味あるじゃない…
後なんかオードリー周辺でここ最近トレスポの話が出てきたから(おそらくANNとかだと思う)ちょうど思い出したところでもあった。「部屋にトレインスポッティングのポスターとか貼る奴」みたいな文脈でしたが。まあよかろうよ。どうも。およそリトルトゥースです。
と、そんなこんなで観ました。トレインスポッティング。とT2。以下感想です。
トレインスポッティング
あらすじからしてあまりにもセックス・ドラッグ・ロックンロールが過ぎる。若さを持て余して生き急ぐ若者たちというか。
んでまあ。R15+なんですが、ありがたい忠告があったので覚悟してたんだけど全部直接的で前半薄目率高めで観ておりました。ヤク使用シーンと汚いシーンが強烈すぎて各人がヤッてるシーン無表情でした。ただサッカーのくだりはクソ笑いました。
いわゆる「普通の人間」やってると通ることのない、ていうかあってはいけないヤク中のどうしようもない生活を淡々と見守る中で彼らにもそれなりに考えてることはあるんだよな…と。「ヘロインがあれば他は要らない」なんてことを主人公レントンはモノローグで語るわけだが、それすらを超える「何か」になれないことへのフラストレーションのような。
記憶が曖昧なんだけど、「こんなところで育ってなんにもなれやしない」みたいな台詞があった気がして(T2かもしれん)人間が育つ環境から脱するのは本当に難しいんだろう。友人は選べるけど本質的には選べない。そこに「いた」訳だから。
その辺りベグビーみたいなクソ野郎がいるせいでせっかく真人間として生きてたのに全部ブチ壊されて、それをあしらいきれないのが観てて非常にしんどいものがあった。何なんだよあのクソ野郎マジで。全編に渡って嫌いだったわ。そしてこれは壮大な伏線となる。
「大金と新しい人生」を選んで、結局ヤクに始まりヤクに終わってしまう悲しい性。お前らマジで普通に働けよ。まあ無理だろうな。こうなるよな。全編に渡りずーーーーーっと吐きそうな最悪の気分のまま終わった。この世はクソ、何も変わらない、何も変われない、はずだった彼らとその関係があのラストシーンで変わりかけたことがある種のメリーバッドエンド。
スパッドだけは頼むから幸せになってくれ。お前だけが俺たちの最後の良心だ……というのも伏線だった。だってスパッドはただの良い奴なんだよ…ほんとに…
Born Slippyが流れた瞬間に「ああ、終わったんだ…」と思わせるあのラストシーン。ちょっとエイフェックスツインがよぎりました。伝われ。
もうとにかく最悪だし、汚いし痛いし悲しいし正直二度と観たくない。でも妙なカタルシスを感じるのは分からなくもない。
ストーリー関係無いとこだと、Dark trainが最悪のシーンで使われてちょっと笑ってしまった。んだけど、段々おえぇ…みたいな顔になった。あのシーンは映画史に残るやつだと思う。ヤク中に見えている世界なんて知りたくなかった。全体的に映像自体は古いんだけど随所の演出は面白いなあという印象。おなごのセンスが古き良き感じでみなかわいかった。ダイアンは俺が幸せにする。以上。
T2 トレインスポッティング
勢いでT2もいくよ。こっちはアマプラにあるよ。
https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B074794GLQ/ref=atv_dp_share_cu_r
おい。一行目で前作のネタバレしちゃったよ。まあそれありきの話だから致し方ないか。結局誰一人まともな大人にはなれなかった。悲しいね。レントンだけでもまともであって欲しかった。まあ致し方ない。
ただ、物凄く良い映画を観た…という気持ちになれたので前作でこの世はクソモードになった甲斐があったってもんよ。正直めちゃくちゃ好き。
結局「普通の大人」たりえなかったレントンがシックボーイの元にやって来るシーンから始まるんだけど、シックボーイの恨みの顔で数分前に観た20年の重みをまず感じることが出来る。その後も20年の歳月というものをこれでもかと突きつけられる。
前作の懐かしいサントラ(リアルタイムの人々にはその時代の曲だけども)から一転、最初からかなりヒップホップの要素がもりもり出てきて現代だぁ…となる中、クソ野郎ベグビーは案の定ブタ箱で浦島太郎。しかもレントンブチ殺すマンと化している。
ちなみに老ベグビー、親戚のおじさんに似ててちょっとかなりやだ。イケメン九州人はスコットランド人にも似るのか…と思って画像検索したらロバート・カーライル、クソイケメンじゃねーかまじかよ…ベグビーなんだったんだよ……あ。前作での丁寧なクソ野郎フリが活きてましたね。あの時点でそういうつもりだったのかは分からないけどあの傍若無人がなかったらあの便器殴りははぁ?だったはず。ありがとうスパッド。友達は守るもんだよ。
閑話休題。前作では大して活躍もなくへらへらしてるけど良心だと疑ってやまなかったあのスパッドがちゃんとストーリーに介入してる。なんならこっちの主人公はレントンじゃなくてスパッドなのでは?ってくらい。
「小説を書いたら良いじゃない」って言われて素直に己の半生を一生懸命書くスパッドで既に泣ける。ずっと近くで見てたんだもんね…家族へのお手紙のシーンも優しいしやっぱり「根が良い奴」なんだよな。何だ?と思ったサインも生かせちゃって、そこで私は号泣した。スパッド…お前って奴はほんとにもう……前作での願いがちょっと昇華されたよ……
最後怒濤の展開でわー!わー!?わあああああああやったああああ!!!!!!????で前作のオープニングだったイギーポップの曲(しかもプロディジーのリミックス)でエンディングである。途中一回かけてやめたのはそういうことだったのね。しかもあの悪夢の部屋で踊るという。大団円。すごい。
なんかよく分かんないけど物凄く清々しい気持ちで終わった。しばらく「なんだ…?めっちゃ良かった……いや…いい……」って頭上はてなまみれだった。でも前作のこの世はクソ!!みたいなのは全然無くて、いやーーー観て良かった!!となったので多分良かったのであろう。
最初の方に書いたけど、音楽の変化もさることながら、映像技術の進化っぷりがまた20年を感じさせる。非常に現代的な画面とでもいいましょうか。でもやっぱ小綺麗でカメラワークも洗練されてるとはいえ、前作のような画面そのものの強さはそこまで感じなかった。とにかく小綺麗って感じ。
そんな中で結局ヤクやっちゃったじゃん!のシーンはかなり不快指数高くて良かった。横で悲しそうな顔をして体育座りしてるスパッドの表情も相俟って。気付かない内に不快を求めている自分がいる不思議。ていうかUnderworldまた嫌なシーンじゃねーかwwでもぴったりというかその編曲の意図がやっとわかってすっきりしたよ…合いすぎ…
前作のシーンを断片的に散りばめているのも良かった。おまわりさんから逃げるシーンがいまのスパッドのところにオーバーラップするとこ非常に好き。時の流れを感じる。
同窓会感みたいな感想も散見されてたけど、これはこれでありというか、前作ありきの続編でこんなに上手くいくんだなあとちょっと驚き。トレインスポッティングは二度と観たくないけどT2は多分定期的に観たくなる気がする。アマプラにあるし。笑
まとまらんね。
ひとまず言えることとしては、2作一気観した甲斐がありました。あまり内容に触れるレビューを書くのが得意ではないので想ったことをつらつら書き連ねてみたんだが、私、スパッド好きすぎるな。そしてベグビー嫌いすぎる。
あと、2作分でおそらく一生分のF**Kを摂取したので無事に文章もガラ悪めになりました。こいつら1文で何回これ言うんだよもっと少ない語数でしゃべれよww
ああそうそう。タイトルの「人生を選べ」ということばは割と考えさせられるものがあって、観た直後から感想を脳内でこねくり回してたらちょっと落ち込みかけました。元気になったのでその辺コンパクトにまとめてみました。なんにもなれやしない的な辺りです。
雑なまとめとして、もがく若者に抵抗のない人、エロ以外のR18G大丈夫な人にはオススメできます。ただT2をめちゃくちゃ勧めたいのでどうにかこのカタルシスのためにトレインスポッティングとT2はセットで観ていただきたい。
次回の映画は多分関連に出てきて観ろと言われた時計じかけのオレンジを観そうな気がします。あと3月どっかでウエディング・ハイを観に行きます。バカリズム脚本。やったね。
ではまた次の記事でお会いしましょう。アディオス!!