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【人生のほんの1日】20230103 玉虫色の風景のある家

今日は私のお正月休み最終日。引き続き元旦からの流れで、締め切りが近づいている動画審査ピアノコンクールの決勝全国大会用の練習と動画収録をしました。

毎日撮った動画を見て反省点を次の日に修正しているので、日に日に表現の洗練度が上がっていて、昨年末に激・気分がサガる出来事があったものの、いい感じに復調できてきたかなと思います。

で、noteによく登場するこのアングルの写真。これ私の自宅のリビングです。
noteではまだ私の自宅建築についてあまり触れていないので、今日は私の自宅の建築的なことについて少し書きたいと思います。

この家は、私の実家のリノベーションです。現在は、1階を私の会社オフィスに、上階を自宅にしています。

改装については、建築家の藤野高志さんと私の協働設計で、常に移り変わる色と光を主題にした作品になっています。細かい説明は建築誌などに語ることになるので、詳細は省きます。

建物の中をいったん全て銀色に塗って、床面だけに私が巨大な色彩の抽象画のように手描きで着彩を施しています。

グランドピアノが置いてある反対側は、冒頭の写真のような青〜青緑みのグラデーション色彩で塗られています。

これによって何が起こるのかと言うとですね、窓越しの日光とか、照明の光とかが床に当たると色彩の反映が壁や天井にぼんやりと玉虫色の色彩風景となって浮かび上がるんです。

上写真は金色のダイニングテーブルの上を見上げたところ。

記事冒頭のピアノの写真でも後ろの壁に床の深い青色の反射がグラデーションで表れているのが見て取れますね。

太陽は動きますし、日々の天気も変わりますから室内の光の状態と言うのは、人の感情のように常に変化し移り変わるものです。なので、壁や天井に現れる反映の風景は二度と同じ様相を呈する事はなく今この瞬間にしか見ることのできない一期一会の風景になるんですね。

床に描かれた色彩が最初に目に入ってきますが、実はその色が乱反射して銀色の室内に映し出す実体のない幻の風景がこの建築の本質的なテーマなんです。

例えば、シンプルなシルバーの冷蔵庫を買うだけでも、この部屋に置くと風景の延長のような感じになり、家電量販店で普通に買ったものなのに、なんだかこの家固有の特別なもののように感じられませんか?

昨年末、15年くらい使用してきた冷蔵庫がとうとう壊れまして、買い替えました。ちょうど私が住んでいる自治体の買い替え助成金制度で実質¥50000くらいで買えて、とても割安に買えました。
この冷蔵庫、本当にシンプルなデザインとシルバーの外観がクールでとても気に入っています。

普段気にも留めないような日常のいろんな物事が色彩を帯びるだけのことで、一瞬一瞬がそのままとは違うように感じられ、気づきや楽しさを得られるんですよね。

小屋裏の寝室から奥のクローゼットを見た写真。床の色彩が流体のようで、壁や天井も色彩の反映によって素っ気なく銀色に塗られただけのものには見えませんよね。至極実用的な部屋なのに幻想的というのが皮肉っぽくて面白いと思います。


寝室の東南側の床は金色に塗られていて、日の出とともに銀色の天井が黄金色に染まります。
絵画の中に住んでいるみたいで、自分で着想したデザインながら、私の想像をも超えた「幻の中に住んでいるような感覚を楽しめる」家になったと思います。


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