【旧乙庭blogサルベージ】20080902 乙庭第1章 020的 Shocking Beauty 再編のこと
【まえがき】
2008〜2016までexcite blogにて乙庭のブログを書いておりました。
旧ブログサイトを閉鎖する方向で、古い記事をnoteの方に移行して1箇所におまとめすることにしました。
【旧乙庭blogサルベージ】は、2008~2016年のexcite blog期、2015~2022年のword press期のブログ記事の再掲シリーズです。
随分昔の振り返り記事になりますが、古くから乙庭をご存知の方は懐かしんで、最近乙庭を知った方は乙庭の成り立ちから今日までの歩みを回顧録的にお楽しみいただければ幸いです。
特に2008〜2016のexcite blog時代は、ただの趣味の園芸家だった私(の庭)が、たまたま引っ越した賃貸住宅に庭に植物を植え始めたところから、その植栽が雑誌などのメディアに掲載されたり、若手建築家の目に留まって植栽設計の道を歩み出したり、そして、ACID NATURE 乙庭を起業して初の自著の出版に至るまで、と私の人生の転機になることがたくさん起こりました。
それから随分長い月日が経ち、いくつかのブログサイトを経てnoteに辿りついて1年半くらいになるでしょうか(2024年2月時点)。
noteでの毎日更新がほぼ習慣化でき、今後も長く居続けられるネット上の居場所と思えるようになったこと、これまでに書いたことがネット上のいろいろなところに散在している状態になっているのも煩雑だなと思っていたこと、私自身もう滅多に訪れない旧ブログを月額費用を払って維持だけしているのも不経済だなということもあり、重い腰を上げて旧ブログの記事をnoteの方に徐々に移行して、移行完了の暁には旧ブログを閉鎖することにしました。
前置きが長くなってしまいましたが、excite blog期の初めての記事を再掲します。
※再掲にあたり内容は適宜編集しています。
【20080902 乙庭第1章 020的 Shocking Beauty 再編のこと】
(画面右上より時計回りに)
Trifolium repens var. nigricans
Cichorium (品種名不明)
Ajuga reptans 'Catlin's Giant'
Euphorbia dulcis 'Chameleon'
Allium karatabiense
Sedum 'Purple Emperor'
2002~2004にかけて、「関心空間」※1で
私 020(オツオ)※2 の自庭植栽の日々の様子を
「020的 Shocking Beauty」という写真シリーズで紹介しておりました。
※1 SNSやブログの前進ともいえるようなネットワークコミュニティサイト。2016年サービス終了
※2 私 、太田敦雄の今は懐かし「ネット掲示板」時代のハンドルネーム。excite期でも2012年頃までは020名義で書いていました。
2004後半から、本業※3 が多忙となり、 不満足なモノならやりたくない性分もあり、 庭も一掃し、写真を撮ることもやめてしまいました。
※3 当時は私の父の建築設備設計事務所を継いで30代駆け出し社長でした。多忙すぎて仕事以外何もできなかった私の人生でも黒歴史な時代。
というわけで、 乙庭 第1章※4 の020的 Shocking Beautyは今となっては現存しない幻の庭の記録です。
※4 1999~2004まで私が当時住んでいた実家でつくっていた庭の記録。それ移行、家を出て庭のない賃貸住宅にしばらく住んでいたので、数年間一切植物から離れていました。
020的 Shocking Beautyは、 庭作りを通して自分が伝えたいメッセージを
一枚の写真とタイトルのみで言い切る、ある意味かなり不親切なシリーズでした。
が、そのシンプルな1ページは種や小苗の状態から時間をかけて植物を育て、
庭の成長の中に身をおきながら、日々変化する庭の一番美しい瞬間を
写真におさめる地道で膨大な作業と、その膨大な作業が生み出す膨大な情報を
可能な限りそぎ落としされた言葉で抽象化されたイメージにするストイックな編集によって作られており、実はかなり時間と労力がつぎ込まれたものでした。
今見返してみても、超少ない要素の中にとても多くの情報やニュアンス、
提案を織り交ぜた挑発的で斬新な提案だったな、
と手前味噌ながら評価しています。
当時は、「google検索にかかりやすいか」とか「植物名の情報源として使えるか」という 「情報のお手軽な利用価値でアクセスを稼ぐ」という風潮に対するアンチな気持ちもあり、 敢えて植物名とかを明かしてませんでした。
というか020的 Shocking Beautyのコンセプト自体、
単体ではない植物の組合せの挑発的提案から、
見る人が独自にイマジネーションを広げてほしいというのが本意だったので、
植物の名前など「便利 or 安易な」情報は作品内には記載せず、
関心を抱いて訊ねてくださる方には答えるという形で対応しておりました。
ですが、現在の私としては、 今はない乙庭第1章を懐かしくも思いますし、
組み合わせの提案にしても使われている植物に関しても、
非常に興味深いコンテンツに満ちた庭だったと思うので、
乙庭 第1章の総括とその庭が育んだ情報の共有の意味もこめて
020的 Shocking Beautyに植物名や解説やコラムを追記する形で、
再編していこうかなと思っております。
というわけで、みなさま今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
20080220記(関心空間に書いた記事をexciteに転載)
追記
20080902
2008年3月に引越しをいたしまして、新居※5 で新たに庭作りを始めました。
新居はかなり建築家のデザイナー心が盛り込まれた建物であることもあり、
今回の庭作りは建築と一体となったランドスケープを意識して計画を進めています。
※5 藤野高志 / 生物建築舎設計 「WALL SITE」
建築の文脈を汲み取りつつ、積極的に刺激的な庭の提案をすることで
「建築と庭のWIN-WINな関係」を模索していきたい。
今回も、国内での流通がない植物については海外から苗や種を輸入したり等、
非常に歩みが遅く、且つ試行錯誤の繰り返し。
まだまだ隙間だらけで植物の大きさバランスもまちまちですが
ほぼ半年経過し、やっと乙庭らしい雰囲気をかもし出してきました。
これからは
「今はなき」乙庭第1章 020的 Shocking Beautyと
現在進行形の乙庭第2章を平行してご紹介していきたいと思っています♪
【太田敦雄の著作、掲載誌紹介】
私 太田敦雄の著作や掲載誌をいくつかご紹介します。
2024年1月16日発売(本記事執筆時点では発売前)のガーデニング雑誌「Garden&Garden vol.88 (Spring 2024)」。
巻頭特集「風景ガーデニング」にて、私 太田敦雄 / ACID NATURE 乙庭 を8ページにわたり掲載いただいています。私の設計案件の中でもこれまで一般誌で解説紹介していない2つの住宅を実例に写真豊富に、自分が思い描く植栽風景を形にしていく思考のコツなどについて解説しています。私のページ以外も人気ガーデナー、ガーデンデザイナーさんの多様な植栽事例をお楽しみいただけます。
私と、おぎはら植物園の荻原範雄さん、フローラ黒田園芸の黒田健太郎さん・和義さんご兄弟との共著作「グリーントータルプランツブック」。前半の1/3を私が執筆担当しており、実例も交えた植栽論と植物の解説をしています。
私の最初の著作本「刺激的・ガーデンプランツブック」は、出版社のご都合で現在絶版となっていますが、この本に書いた内容も含めて、今後の出版物に盛り込んで、なんらかの形で情報としてこれからも手に入るようにはしていきたいと思っています。
noteの「乙庭植物図鑑」では、これまでの著書では解説していない植物も積極的に取り上げていく予定です。
自分だけの特別なお庭造りの参考になれば幸いです😊✨
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