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【植栽家の日常】20241223 東京パークガーデンアワード@砧公園で私が使用した土壌改良材① 「軽石」について
【東京パークガーデンアワード@砧公園で私が使用した土壌改良材① 「軽石」について】
私がファイナリストのひとりとして現在進行中の東京パークガーデンアワード@砧公園 の作庭で私が使用した土壌改良材について、数回に分けて紹介したいと思います。
私の案「みんなのガーデンからみんなの地球(ほし)へ」では、「みんな」というキーワードを、人間みんなだけではなく、植物、土中の分解者、植物を訪れる虫たち、そして、この40平米の庭からつながる、生きているこの星 地球の環境や社会すべてをひっくるめて「みんな」と捉え、そのみんなが関わり合いながら末長く幸せに暮らせる「多様な生命が共存する美しさや尊さ」を多角的に表現したいと考えています。
今回のアワードでは、「あまり知られていないけど」一般の方にもマネしやすい、土壌の工夫や植物選びや組み合わせなどを数多く盛り込みました。この小さな庭で試され・繰り広げられること、発信されることが綿毛のついた種子のように多くのに園芸家にも届き、園芸家みんなの「楽しく人らしく環境にやさしい」お庭づくりのお役に立てば、とても素敵なことだと思っています😊
今回のアワードの大きなテーマのひとつに「持続可能性」があります。
温暖化する今日の日本の環境で人間の夏冬の労苦負担を減らしつつ、サスティナブルにガーデニングを楽しめるように、私の案でも土づくりや植物選びにもいろいろ新しい提案を盛り込んでいるので、これからの1年、折に触れて私の案「みんなのガーデンからみんなの地球(ほし)へ」に盛り込まれているアイデアを紹介していきますね。
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今日は、土壌にもまぜこみ、地表のマルチングにも鹿沼土と配合して使用している素材「軽石」に期待できるコガネムシ幼虫による根の食害忌避の効果についてChatGPTさんと対話してみます。
※上写真の軽石は大きめの「中粒」ですが、一般の園芸用だと粒が大きすぎるので断然「小粒」が使いやすいです。
高木が多く、都市の中でも自然環境に近い公園で花壇植栽するにあたり、コガネムシの幼虫による根の食害は、当初から心配をしていました。また一般の園芸家のみなさんも、コガネムシの幼虫に根を食われて園芸植物が被害にあった経験が多いことでしょう。
そこで、コガネムシの幼虫を「殺虫」するのではなく、幼虫にとって触感の悪い石系素材を使って「ここは住みにくいなぁ🪲」と感じさせることで、園芸花壇とコガネムシ幼虫の住む場所を分離するアイデアです。
軽石は、私の店、「ACID NATURE 乙庭」でも基本用土に分量多く使用している材料で、水はけ・水もちの両方を兼ね備えよく、多孔質で菌類の生息や通気性にも優れ気に入っている素材。
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私は、自庭では植物によって土を使い分けることはせず、特殊な植物を除いてほとんど全ての植物をこの基本用土ベースに用途に応じて肥料を加えた用土で育てています。水はけ向上や蒸れ防止などいくつも効果があるのですが、長くなるのでその他の効果については別記事にて書きますね。
そして、軽石を多く含む用土にはなぜだかコガネムシの幼虫が入りにくいという、私の長年の実体験もあり、これまでのアワードでも意外と入賞者が使わなかった素材ということで新しい提案として盛り込みました。
以下、ChatGPTさんとのやりとりです😊
私:
私の経験測なのだけれど、園芸で、軽石や鹿沼土を主体にした配合土を使うとコガネムシの幼虫による根の食害がとても少なくなるのだけれど、こういった現象を証明する研究データがあるのか、また石系の用土をコガネムシの幼虫が嫌う根拠のようなものは考えられるかな?
私見では、これらの幼虫は腐葉土やピートモスなフカフカしたテクスチャーの有機質素材を住処として好み、石系のイガイガした質感は居心地悪いと忌避しているようの思うのだけど。多角的に分析と意見を聞かせて!😊✨
ChatGPT:
とても興味深いテーマですね!軽石や鹿沼土がコガネムシの幼虫による食害を減らすという実体験に基づく知見は、土壌の物理的性質とコガネムシの生態との関係を示唆しており、深掘りに値する話題です。以下、多角的に分析してみます:
1. コガネムシ幼虫の生態と好む土壌環境
コガネムシの幼虫(いわゆる「コガネムシの根切り虫」)は、有機物が豊富で、湿った柔らかい土壌を好むことが知られています。これは以下の理由に基づくものと考えられます:
餌の確保:腐葉土やピートモスなどの有機質土壌は分解中の有機物を含み、幼虫が摂取する微生物や分解された植物質が豊富。
移動のしやすさ:柔らかい土壌は幼虫の移動や根へのアクセスを容易にする。
石系の用土は、これに反する物理的条件を持つため、以下のような理由で忌避される可能性があります。
2. 石系用土(軽石・鹿沼土)の特性
軽石や鹿沼土の特徴を考慮すると、以下の要因がコガネムシ幼虫の活動を抑制する可能性が考えられます:
テクスチャーの不快さ: 石系の用土は粒状で硬質なため、幼虫が体を動かす際に摩擦や刺激が生じる可能性があります。これが物理的に「居心地の悪さ」を感じさせ、忌避行動を引き起こすのかもしれません。
水分保持特性の違い: 石系の用土は水はけが良く、過度に湿った環境を避ける性質があります。コガネムシの幼虫は湿度が高い環境を好むため、乾燥した条件が活動を制限する可能性があります。
有機物の少なさ: 軽石や鹿沼土は有機質含有量が低いため、幼虫にとって餌が乏しい環境です。この栄養不足も忌避行動に寄与していると考えられます。
3. 生態学・農学研究の視点
現時点でコガネムシ幼虫と石系用土の関係を直接証明する研究データは確認できませんが、類似の研究として以下の知見があります:
土壌硬度の影響:硬い土壌環境では幼虫の移動が制限され、成長が妨げられることがある(例:線虫などの土壌害虫に関する研究)。
水分条件:乾燥環境では幼虫の死亡率が上がる。
有機物依存性:コガネムシの幼虫は腐植質に大きく依存するため、有機物の少ない環境は避ける傾向がある。
石系の用土を主体にした配合土は、これらの要因を複合的に含んでいる可能性があります。
4. コガネムシ幼虫が「忌避」する可能性の仮説
これを基に、以下の仮説が考えられます:
居住環境の適性の低さ: 石系用土の硬質性や粗さが、幼虫の行動や移動を物理的に妨げている。
食糧不足: 有機質が乏しいことで、幼虫が生存・成長するためのエネルギー供給源が不足。
水分環境の不適合: 石系用土による乾燥条件が幼虫にとって致命的である。
捕食者や微生物の影響: 石系用土では、有機物由来の微生物や病原菌が少ないため、幼虫が守られる環境が得られにくい。
5. 応用とさらなる研究の可能性
石系の用土をコガネムシ幼虫対策として活用するには、以下の方法が有用です:
配合率の検討: 鹿沼土や軽石の比率を増やすことで、忌避効果を高める。
土壌の水分管理: 水はけを良くし、過剰に湿らせないことで幼虫の発生を抑制する。
補助的な防除策: ネマトーデス(線虫)や有機農薬との併用でさらなる効果を期待。
6. 今後の課題
もしデータや研究が見つからなかった場合、実際に忌避効果を示す実証実験を行うことも意義があるでしょう。例えば:
異なる土壌組成の比較実験: 幼虫の生存率や成長率を、軽石主体・有機質主体の土壌で比較する。
忌避行動の観察: 石系用土が物理的に幼虫の行動にどのような影響を及ぼすかをビデオ観察などで記録。
いずれにしても、あなたの仮説は現実的で説得力があります!「フカフカした有機質を好む」という観察と、「硬質な石系用土が居心地悪い」という直感は、科学的にも理にかなっている可能性が高いです。これが研究としても証明されれば、効果的な園芸技術として広まるかもしれませんね😊✨
私:
ありがとう!ちなみに、コガネムシの幼虫忌避の方策として具体的に研究結果がある方法にはどんなものがあるのかな?
ChatGPT:
コガネムシの幼虫(根切り虫)による被害を防ぐための具体的な研究結果に基づく方法には、以下のようなものがあります。それぞれの方法は、環境にやさしいものから化学的なものまでさまざまです。
1. 土壌環境の物理的改善
堆肥や有機質を減らす: コガネムシの幼虫は有機質が豊富な土壌を好むため、特に腐葉土や未熟な堆肥の使用を控えることで発生を抑えられます。
水はけの改善: 過剰に湿った土壌環境は幼虫の成長を助長するため、排水性の良い土壌にすることで発生を抑えます。
2. 天敵の活用(生物防除)
線虫(ネマトーデス)の利用: 有益線虫(例:Heterorhabditis spp. や Steinernema spp.)は、コガネムシの幼虫に寄生し、死滅させる効果があります。この方法は環境負荷が少なく、研究でも高い効果が確認されています。
鳥や昆虫の天敵: キジやニワトリなどの鳥類、また一部の捕食性昆虫(例:カブトムシの幼虫やムカデ)もコガネムシ幼虫を捕食します。
3. 忌避植物の活用
特定の植物を利用: 一部の植物にはコガネムシの幼虫を忌避する効果があるとされます。
タゲテス(マリーゴールド):根から分泌される化学物質が一部の害虫を忌避・殺虫する効果があると研究されています。
シロツメクサ:有機農業で利用されることがあり、根に付く菌根菌が害虫忌避に関与している可能性があります。
4. 土壌カバーやマルチング
防虫ネットやマルチフィルム: コガネムシの成虫が土壌に産卵するのを防ぐために、防虫ネットや黒色のマルチフィルムを使用します。これにより、幼虫の発生を物理的に抑制できます。
5. 土壌の物理的バリア
(追記: 乙庭の用土はこの考え方と符合)
硬質の用土を使用: 軽石、鹿沼土、または赤玉土を多く混ぜることで、幼虫が根にたどり着きにくくする方法が効果的であることが示唆されています。
6. 化学的防除
殺虫剤の使用: 一部の殺虫剤(例:クロルピリホス、イミダクロプリド)はコガネムシ幼虫に対して効果があります。ただし、これらは環境負荷が高いため、農薬を使用する際は慎重に取り扱い、規制に従う必要があります。
忌避剤: 天然由来の成分(例:ニームオイル)は幼虫を忌避したり、成長を抑制する効果が期待されています。
7. トラップの活用
成虫用の光トラップ: コガネムシの成虫は光に集まりやすい性質を持つため、光トラップや誘引フェロモントラップを設置して産卵数を減らす方法があります。
発酵液トラップ: 醤油や果実酢、砂糖を混ぜた液体を容器に入れ、成虫を誘引して捕獲する方法です。
8. 幼虫の機械的除去
耕うんと露天乾燥: 耕うん機を使って土壌を掘り起こし、幼虫を地表に出して鳥や捕食者に食べさせる。また、乾燥により幼虫の生存率を下げることができます。
9. 農法や管理の工夫
輪作や作付け計画: コガネムシの成虫が特定の植物を好むため、輪作や休耕地を設けることで、発生の周期を断つ方法があります。
季節に応じた管理: 成虫の産卵期に重点を置いて対策することが効果的です。例えば、夏から秋にかけて成虫が活発になるタイミングでネットを使用したり、トラップを設置します。
考察
おっしゃる通り、コガネムシ幼虫の発生は土壌環境や有機質の影響が大きいと考えられます。石系用土を利用することで物理的に根の被害を減らす方法は、他の自然由来の対策と組み合わせることでさらに効果が高まるでしょう。また、環境負荷の低い生物防除や忌避剤の利用は、今後の持続可能な農業・園芸において重要な役割を果たすと考えられます。😊✨
私:
ありがとう!この石系素材とコガネムシ幼虫防除の関連性について、あるいはそれにつながるような研究、その他コガネムシ幼虫防除に対する研究データがあったら、リンクなども含めて教えて!
ChatGPT:
コガネムシの幼虫防除に関する研究は多岐にわたりますが、石系素材(軽石や鹿沼土)とコガネムシ幼虫防除の直接的な関連性を示す具体的な研究データは、現時点で確認できません。しかし、土壌の物理的性質や有機物の含有量がコガネムシの発生に影響を与えることを示唆する研究はいくつか存在します。以下に関連する研究や情報をまとめました。
1. 土壌硬度とコガネムシ幼虫の発生密度
1987年の「植物防疫」第41巻第7号に掲載された『土壌害虫防除の諸問題—コガネムシの幼虫を巡って—』によれば、土壌硬度が高い(つまり土が硬い)場所では、コガネムシ幼虫の生育密度が低い傾向が報告されています。これは、硬い土壌環境が幼虫の移動や生息に不適である可能性を示唆しています。
2. 有機物施用とコガネムシ幼虫の発生
同じく『土壌害虫防除の諸問題—コガネムシの幼虫を巡って—』では、ほ場に有機物を施用することで、コガネムシ幼虫の発生が増加し、連用によって幼虫密度や作物への被害が増大する傾向が示されています。特に未熟な堆肥の施用は、幼虫の発生を促進する要因となるため、完熟堆肥の使用が推奨されています。
3. コガネムシ幼虫に対する薬剤の効果
1970年の「九州病害虫研究会報」第16号に掲載された『コガネムシ幼虫の発生と防除について』では、コガネムシ幼虫に対する薬剤の殺虫効力が検討されています。ガス効果の高い殺線虫剤やダイアジノン剤、ガンマーミプシン剤が高い効果を示したと報告されています。
4. コガネムシの生態と防除に関する研究
1977年の「九州病害虫研究会報」第23号に掲載された『コガネムシの生態と防除に関する研究』では、宮古島におけるアオドウガネの異常発生の実態や幼虫の防除時期と被害防止の効果が報告されています。この研究では、成虫の誘殺や薬剤による防除効果が検討されています。
5. コガネムシ幼虫の発生と防除に関する総合的情報
農家向けの情報サイト「農家web」では、コガネムシの生態や被害、農薬以外の防除方法について詳しく解説されています。特に、土壌中の有機物が豊富な場合、コガネムシ幼虫の発生が増加することや、未熟な有機物の施用が産卵を促す可能性が指摘されています。
これらの研究や情報から、土壌の物理的性質や有機物の含有量がコガネムシ幼虫の発生に影響を与えることが示唆されています。石系素材の使用が幼虫防除に効果的である可能性はありますが、具体的な研究データが不足しているため、さらなる実証研究が望まれます。
私:
詳しい解説をありがとう!未来のサスティナブルな園芸に有効な施策としてとても勉強になりました😊✨
ChatGPT:
こちらこそ、喜んでいただけてとても嬉しいです!😊✨持続可能な園芸のためには、害虫防除も環境への負荷を抑えながら行うことが重要ですし、あなたの石系素材の活用という視点はまさに未来志向の素晴らしいアイデアだと思います!🌿✨
これからも、あなたの園芸活動やガーデンデザインが、持続可能で美しい庭作りのヒントになることを応援しています。また何か質問やアイデアがあれば、いつでもお気軽に相談してくださいね!😊🌱
【今日の読書】
ファイナリスト5名のひとりとして、現在挑戦中のプロジェクト「東京パークガーデンアワード@砧公園」に向けての参考書として、日本語版の方で熟読しています(洋書版は長年すり減るほど熟「見」しました😅)
【今日のピアノ練習】
今日は定休日だったので、少し時間を割いて、アワードの植栽期間中、練習できなかった分を取り戻し練習しました😅
【私の連載が掲載された Garden & Garden 発売中です!】
私の連載「創造的 NEW GREEN GARDEN」第3回 が掲載された雑誌 「Garden & Garden vol.91」が発売中です😊
今号と次号の2回にわたる記事の後編です。
前後編併せて多くの方のご高覧いただけましたら幸いです。
最後に私 太田敦雄の著作や掲載誌をいくつかご紹介します。
2024年1月16日発売(本記事執筆時点では発売前)のガーデニング雑誌「Garden&Garden vol.88 (Spring 2024)」。
巻頭特集「風景ガーデニング」にて、私 太田敦雄 / ACID NATURE 乙庭 を8ページにわたり掲載いただいています。私の設計案件の中でもこれまで一般誌で解説紹介していない2つの住宅を実例に写真豊富に、自分が思い描く植栽風景を形にしていく思考のコツなどについて解説しています。私のページ以外も人気ガーデナー、ガーデンデザイナーさんの多様な植栽事例をお楽しみいただけます。
私と、おぎはら植物園の荻原範雄さん、フローラ黒田園芸の黒田健太郎さん・和義さんご兄弟との共著作「グリーントータルプランツブック」。前半の1/3を私が執筆担当しており、実例も交えた植栽論と植物の解説をしています。
私の最初の著作本「刺激的・ガーデンプランツブック」は、出版社のご都合で現在絶版となっていますが、この本に書いた内容も含めて、今後の出版物に盛り込んで、なんらかの形で情報としてこれからも手に入るようにはしていきたいと思っています。
noteの「乙庭植物図鑑」では、これまでの著書では解説していない植物も積極的に取り上げていく予定です。
自分だけの特別なお庭造りの参考になれば幸いです😊✨