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「恋愛から学ぶ採用哲学」~モテる人と組織であるために 私が大切にしてきた5つのこと~ ①
こんにちは! アチーブメント株式会社 人事部 新卒採用プロジェクトリーダーをしている山森拓実と申します。
はじめましての方へ、少しだけ自己紹介を。私は2015年に新卒でアチーブメントに入社しました。1年目からずっと人事をしており、新卒採用の担当歴はもうすぐ5年になります。最近では新卒採用だけでなく、中途採用や新人育成、社内育成などにも携わっています。
そして、3カ月ほど前にTwitterを本格的に始め、これまでの仕事の中で培ってきた考え方やノウハウを日々、呟いています。
▼山森拓実@HRBP(戦略人事)×HRED(教育人事) https://twitter.com/ach_yamamori
そんな私は今、初めてnoteを書いています。
キッカケは、何気なくツイートした内容が少しだけバズったことです。
モテない男ほど口説いて、
— 山森拓実@HRBP(戦略人事)×HRED(教育人事) (@ach_yamamori) January 26, 2020
モテる男ほど口説かない。
採用もこれと全く同じで、
採用力が本当にある会社は
いたずらに学生のことを口説かない。
自分は採用担当として4年半、
口説く採用ではなく
「私はこんな人(会社)です」と
ストレートに伝えて選んでもらうような採用をしてきた。#人事#就活
正直、こんなにも多くの「いいね」をいただけるとは思っておらず、とても嬉しかったです。少なくとも800名近い方が、私の採用スタンスに共感をしてくださっている…! と思ったからです。
そこで、恋愛における「モテる/モテない」の違いを紐解くことで、もっと多くの人に共感いただける採用哲学について書けるんじゃないか?と思い、今こうして書いているわけです。
ここから、実際に私がやってきたことを恋愛に例えながら5つのポイントとして書かせていただきます。
少しでも、世の中の採用担当者のお役に立てれば嬉しいです。
0. はじめに(前提となる私たちの新卒採用について)
「恋愛から学ぶ採用哲学」を書き始める前に、少しだけ前提となる私たちの会社の新卒採用について書かせてください(読み飛ばしていただいても問題ありません!)
私たちアチーブメント株式会社は人材教育コンサルティング事業を営む中小企業です。32年前の1987年に創業され、現在グループ全社の社員数は160名程度の会社です。
特筆すべきは新卒社員の割合。全体の約8割が新卒入社の社員から構成されており、社員の平均年齢は30歳という比較的若い組織です。
そんな弊社の新卒採用の特徴の一つは「理念共感型採用」を大切にしていることです。「理念共感型採用」とは、「自社の理念やビジョンに心から共感している人材のみを採用する」という考え方です。少し分かりやすい表現をすると、能力がずば抜けて高い優秀な人材であったとしても理念に共感していなければ採用しない、という感じです。
この採用方針については、記事の最後に少し触れる必要があったため、最初に言及しておきました。
そして、もう一つの特徴は「インターンシップの人気」です。手前味噌ですが、「先輩が選ぶ後輩にオススメしたいインターンシップ人気ランキング(キャリアパーク調べ)」にて1位をいただいております。
私が採用担当になって2年目に、沢山の方の支えのお陰でこのような評価をいただくことができました。
実は、私がこの5年間の中で一番こだわってきたのは、これだと言っても過言ではありません。「インターンランキング1位を獲得すること」ではありません。「学生から支持される人と組織になること」です。
「学生から支持される人と組織になること」
これはまさに「恋愛でモテる人になること」と近いなと思っています。
これらの背景を踏まえて、次の章からは、実際に「モテる人と組織であるために大切にしてきた5つのこと」を書かせていただきます!
1.「無理に口説かない」 =等身大の魅力で勝負する
これがまず、私の中にある大前提の採用スタンスです。
上述のツイートの通り、「モテない男ほど口説き、モテる男ほど口説かない」と私は思います(私がモテる男かモテない男かはさておき。笑)
これは会社も同じで、本当に採用力のある会社は無理に口説こうとはしません。当然、魅力的な採用サイトを作ったり、熱烈な求人広告を打ったり、説明会で自社の魅力を語ることはした方が良いと思いますし、私たちもしています。
しかし、以下のような口説き方はNGだと私は考えています。
・候補者(学生)の話を聞かずに、自社のことばかり語る
・自社がやっていないことを、さもやっているかのように語る
・(面談担当者が)内心できないと思っていても「それ、うちでできるよ」と軽はずみに約束する
・他社に採られないようにするために、他社の悪口を言う
・自社の課題については一切触れない、聞かれても教えない
これをそのまま恋愛に置き換えると、こんな感じでしょうか。
・相手の話を聞かずに、自分の武勇伝ばかり語る
・自分がやっていないことを、さも自分がやっているかのように語る
・内心するつもりがないことでも「私と付き合ったら、それしてあげるよ」と軽はずみに約束する
・ライバルの恋人になってしまわないように、ライバルの悪口を言う
・自分の弱みは見せない、聞かれても自己開示しない
この人がモテるかどうかは… 言うまでもないですよね(笑)
私がいつも思っていることは、候補者(学生)と会社には、どこまで行っても「情報の非対称」という壁が立ちはだかるということです。
どれだけ「対等なお付き合いをしたい!」と願っても、その組織で働いたことのない人と、働いている人の間には情報格差が生まれてしまいます。だからこそ、私たち採用担当は自ら積極的に、お伝えできる限りの情報を、嘘偽りなくお伝えする責任があると思っています。
一部のどうしても渡せない情報(会社の機密情報など)は除いて、できる限り等身大でお伝えする。その姿勢を見て「ああ… この人(組織)は本当に私のことを想ってくれているんだな」と感動すると思うんです。
ちなみに、私はよく「自社には合わないかもしれないな…」と感じた候補者(学生)さんには、「うちには合っていないかもしれないけれど、〇〇さんのやりたいことをするなら、~っていう会社は合っているかもね!」とか「~の人事の方は知り合いだから、良かったら紹介してあげようか?」といった提案をします。
これも、上記のような採用哲学に基づいた行動の一つです。
2. 「デートや旅行、同棲をする」 =徹底的にマッチングする
第二に、私がモテる人と組織であるために大切にしていることは「徹底的なマッチング」です。具体的には、2021年度新卒採用のプロセスは以下のようになっています。
・1次選考会(3時間のグループワーク)
・2次選考会(3時間のグループワーク)
・3次選考会(3時間のグループワーク)
・個別面談(30分~1時間)
・インターンシップ(2日間)
・インターンシップ(2日間)
・個別マッチング選考(2週間)
・最終役員面接(1時間)
単純計算で合計200時間弱になります。衝撃の時間のかけ方です。
(今、私も初めて計算してみて驚きました笑)
これを恋愛に例えると、こんな感じだと思っています。
・集団デートする(1次~3次選考会)
・二人で電話したり、カフェ行ったりする(個別面談)
・1泊2日の旅行に行く(インターンシップ)
・2週間くらい同棲してみる(個別マッチング選考)
・両家へのご挨拶に行く(最終役員面接)
…どうでしょうか?
恋愛にしてみると、割と普通のことのような感じがしますよね。しかし、採用においてここまでしている会社は少数なのではないかと思います。
だからこそ、ここまで真剣なお付き合い(=徹底したマッチング)をしてくれる会社であれば、交際相手(=候補者、学生)から信頼されるのではないかと思っています。
たとえば、弊社では「同棲」のプロセスは非常に大切にしています。
1泊2日の旅行に行っている時って、恋愛でも一番盛り上がっている時で、相手の嫌なところが見えにくいと思うんですよね。何をしても「かっこいい!」「可愛い!」「好き!」ってなっちゃうスター状態だと思います(笑)
でも、同棲し始めるとどうでしょうか? リアルな生活が始まるので、色々なことが目につき始めます。「靴下脱ぎっぱなしだなぁ」とか「朝起きるの遅いんだなぁ」とか。でも、そこで本当に愛していたら「それくらい大目に見ようかな!」とか「私がやればいいかな!」と思えたりしますよね。
会社で言えば「もっとオフィスがこうなったらいいのに」とか「もっとこういうツール導入したらいいのに」とか思うことがあります。
でも、その会社の「理念やビジョン」「事業の目的」などに共感していたら、「そこは自分が改善すればいいか」と思えるはずです。
これこそが真のマッチングなのではないかと私は思います。
余談ですが、私たちはESによる書類選考はしておらず、面接もほとんどやりません。なぜかというと、ESと面接は「一方的な見極め」には向いていますが、「相互理解」には繋がりにくいと思うからです。
恋愛で考えたときに、一方的な品定め(=見極め)をしてくる人のことを好きになるでしょうか? 私はならないと思っています。
私が採用フローを設計するときは、相手視点に立ったときに「いいな」とか「ありがたいな」と思ってもらえるような採用フローを意識しています。
ただし、この採用プロセスに関しては賛否があるのではないかと思います。たとえば「そこまでマッチング図る必要あるの?」という声は理解できます。そこで大切になるのは「自社がどういう採用方針を大切にしているのか?」だと思います。
記事の冒頭でも触れた通り、弊社の場合は「理念共感型採用」を大切にしています。だからこそ、ここまでの深いマッチングプロセスを大切にしています。そういう方針ではない会社からすると、弊社の採用プロセスは少し「やりすぎ」に感じられるかもしれません。
ただその一方で、どんな採用方針であったとしても、手間暇をかけてデートや旅行を用意してくれる会社の方が、候補者からはモテるのではないかなとも思っています。恋愛でも「相手に喜んでもらいたい!」という一心で準備する人はモテますよね。
…ということで、少し語りすぎてしまいましたが、モテる人と組織であるために大切にしていることの二つ目は「徹底的にマッチングする」でした!
残る3つについては、次の記事で書かせていただきます。
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