ベンチャー企業の社内弁護士はなんでもやります
大企業の社内弁護士であった私がベンチャー企業の社内弁護士になって驚いたことはたくさんあります。
大企業にいた頃は、法務部の中にもたくさんの課があり、課ごとに担当が分かれていたことから、自分が受け持つ仕事の範囲はとても狭かったです。その分深かったとも言えますが、ある意味単調な作業の繰り返しも多かったと思います。私はある特定の商品の契約書作成や審査のみをやっていたので、本当に担当していた範囲が狭く、飽きっぽい私は耐えられなくなってしまいました。
それに比べて、ベンチャー企業においては、法務部の人数も少なく、その企業の法務コンプライアンスに関わる事柄の全てを少人数で担当する必要があります。そのため、今、私は、これまで経験してきたり、学んできたりした知識をフル回転させながら仕事をしています。
そんな中、自分が今まで全く担当してこず、参ったのが刑事事件です。C to Cの仕事をしていると、どうしても企業相手の仕事と違って、信用のあるお客さんとは限らない個人にサービス提供することになります。そうすると中には、問題行動を起こしてしまうお客さんもいるのです。そして、ひどい場合には、犯罪行為を犯す人もいます。
今の職場では、会社のサービスを利用しながら犯罪行為を犯してしまう人をいかに排除するかという事についても対処する必要があり、このような犯罪行為者の行為について証拠を集め、警察に突き出すというようなことを行っています。
個人相手のプラットフォームビジネスを行っている会社の社内弁護士の集まりで雑談をした時、他の会社でも少なからず似たようなことが起きているということがわかり、なるほどどこも似たようなことをやっているのかと思いました。
そんなわけで、ものすごく久しぶりに刑法と刑事訴訟法の基本書を開いて、どのように対応すべきか頭を悩ませています。
このように、転職をすると、担当する仕事の幅が広がるので、とても良い経験になっています。もし自分の経験を広げたいのであれば、1つの会社にとどまらず、可能な範囲でいろいろな職場を経験してみるのも面白いなぁと思う今日この頃です。
それでは、また。