今年の目標
夜11時。
仕事帰りで死んだ魚の目をしながら家の最寄り駅にたどり着き、セブンイレブンで支払いをしようといつもと違う出口から出たら「インタビューいいですか?」と声をかけられた。
見ると30代くらいの小柄な男性がひとり。
足元にムービーカメラを置いている。
「あ、はい」と言いつつ、なんだろう、選挙も終わったし聞かれるようなことあるかな? と不思議に思う。
と、その瞬間カメラを抱えて撮られ始めた。
え! 撮るの? インタビューはいいけど撮るとは聞いてないと半身逃げ腰になる。
「この時間まで何されてたんですか?」
「仕事帰りです」
「こんな時間までお仕事なんですね」
「ええ、10時閉館なので。図書館ですけど」
「え、図書館ってそんなに遅くまで開いてるんですか!」
「大学図書館ですけど、はい、開いてます」
すると、突然不思議な質問をされた。
「今年もあと2か月ですけど、目標とか達成されましたか?」
……目標? わたし、目標立てたって言ったっけ?
そんなの立てても仕方ない浮き草稼業、来るものは拒まずなんだけど……
「目標?……はとくにないですね、立ててないです」
というか、なんだそのふわふわした質問は。
新手の宗教か何か? と怪しみ始めた。
そもそも、11月中旬で今年の終りなんてとても考えられない。
あれもこれもそれも、やらなきゃいけないことが山積みで終わってもらっちゃ困るのだ。
この人が思うような今年一年を振り返る的なことはクリスマスごろに年内の図書館の仕事が終わって個人仕事のみになってある程度先が読めるようになった頃にすることなのだ。
「そうですか。今年はどんな年でしたか?」
「……どんな?……忙しかったです」
「忙しかったんですね!」
一体この人は何の目的で??
モヤモヤしてたら、いきなり言われた。
「あの、タクシー代をお支払いするので家ついてっていいですか?」
例の番組である。
「あ! なんだー。それ先に行ってくださいよお。怪しい人かと思っちゃったじゃん」と思わず笑ってしまった。
相手もちょっと恥ずかしそうにして「あ、そうでしたか?」と言いつつ
「家ついてっていいですか?」と聞くので
「だめ」と即答した。
その後、本物だという証明の紙をもらって、名前と電話番号と放送の可否を書いて「がんばってください」と言って別れた。
それにしてもまさかあんなローカル駅にまで来るとは。
もっと繁華街に行かないとタクシーで帰る人はいないと思う。
一応、放送可にしたので、もしかしたら年末スペシャルとかで不審な顔をして断るわたしが流れるかもしれません。
【本日のスコーピオンズ】
69曲目「Loving You Sunday Morning(2015 - Remaster)」
7th アルバム『Lovedrive』(1979)より。
やっと長い長いライブ盤を聴き終えてニューアルバムに辿り着きました。
といっても1979年発売だから45年前ですけど。
45年前!!!
またもやリマスターで音がやたらいいですな。
なんというか、ギターがガリガリしてるけどハードロックじゃなくない?
普通のロックというか、むしろポップス寄りのような気もする。
好きですけど。
感想は以上です。
神様、仏様!