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友達からの連絡を期待したこと、ありますか?

先日、家族以外の人間関係の「距離感」について考えさせられた。

子どもたちの始業式のあった夜、近所の友人———ママ友から友だちになったと思っている人———からLINEをもらったのだが、その中に、

「知子さんから年始にメールが来なかったから、次女にジロウちゃん(私の次男。仮名)学校に来てる?って気になって聞いてしまった」

というメッセージがあり、「えっ?!」とたじろいだ。

彼女の次女と私の次男はクラスメイトで、ときどき互いの家を子連れで行き来する間柄だ。大人だけでたまにおしゃべりをすることもある。

彼女からのLINEに、「年始に知子さんからの連絡を待っていたのに」という思いを感じ取った。

その前後に、
「もうすでに忙しいんだろうね」
「連絡がないということは、水面下で色々動き出しているんだろうな」
などの言葉があり、私からの連絡がないことに、寂しさや不服さを感じる雰囲気が伝わってくる。

40代で、子育て中で……うーん、やはり彼女とは距離感にズレがあるのか。

と思った。

やはり、というのは、
彼女とは、8年ほど前に、一度距離を置いた経験がある。

奈良に来て1年足らずの、地域にも人にも馴染めていなかった頃のこと。
次男を妊娠中で、当時2歳半の長男が、子育て支援センターでおもちゃに対する独占欲がひどく、お友達に手を出す子だった。私は人目を気にして肩身が狭く、泣いて謝りながらセンターを後にしたことも。
知恵袋で「2歳 おもちゃ 貸せない」「2歳 下の子妊娠中 不安定」などと検索しまくる日々を過ごしていた。(基本知恵袋に頼りすぎ。笑)

彼女とはそんなときに知り合い、あっという間に距離を縮めた。
しかし、次第に依存されていると感じるようになり、息苦しくなっていった。

ある時、長男の授乳をやめた話をした際に、彼女の「長男くんに我慢させたんだね」という表現にブチ切れて、一方的に連絡を絶った。

その後、互いの第一子が、学年は違うが同じこども園だったこともあり、最初こそ気まずかったが、また徐々に話すようになった。

おそらく、“復縁”できたのは、「彼女の友達が私以外にもいる」ということがわかり、安心して付き合えるようになった部分が大きい。あの当時は、彼女の育児や家事の報告をLINEで逐一受けて、「すごいね」「よかったね」「嬉しいね」と疲弊しながら返信をしていた。完全にテイカー&ギバーの関係だったように思う。その状況に起因しているだろうことを容易に想像できる生い立ちも聞かされていたから、なんとかしてあげなきゃ、という思い上がりも私にあっただろう。

今だったら、彼女に
「いや、“我慢させた”って、罪悪感を植え付けるような言い方せんといてよ」と言える。彼女は言葉選びに気を遣わないだけなのだ。誤解を恐れずに言えば、それは性格というよりも、言語能力の範疇のように思う。

ただ、8年前に距離を置いたのはなぜか?
という「あのときの理由」は彼女に話せていない。そこについては、彼女に誤解なく受け取ってもらって、理解してもらえる自信がないのだ。
悲しませる可能性もぬぐえない。

それでも、きっと互いに成長し、今の環境に居場所があると思えている今、気持ちよく付き合えるようになったことに安堵していたので、先述の「年始に連絡が来なかったから」にモヤモヤが蘇り、少しばかり動揺した。

こういうことを私は8年前にいくつか我慢して“破局”しちゃったわけで、もう同じことは繰り返したくない。我慢せずに、思ったことを伝えてみよう、と思った。

彼女に、

「私、年始に連絡するって何か約束してたっけ!?基本的に年末年始は、ご近所の友達には用事がなければ連絡しないかも。家族でゆっくり過ごす人も多いだろうし、私もゆっくりしたいし・・・」

雑談に混ぜて、そんなLINEを返した。

彼女からは「ごめんごめん」という返信と、翌日フォローの電話までもらってしまった。

ただ、私の返信には、ちょっと嘘があった。
私は、ご近所だろうと、遠方だろうと、年末年始だろうと、そうじゃなかろうと、仲の良い人にも連絡頻度は低いほうだと思う。

筆不精であることは百も承知で、失礼なことも多々あるとは思うのだが、
私は親しい友人に対して、元気かなぁと思いを馳せながらも連絡をせず、そして、きっと相手も同じ気持ちだろうなと信じて、満足しているのだということに改めて気づいた。

だから、連絡がなくても、会えなくても、寂しくはない。

とはいえ、10代、20代の頃、まして恋愛が絡んだ異性に対しては、
「なんでもっと連絡くれないの?」とよくいじけていた。相手に窮屈な思いをさせ、最終的に、フラれてしまう。マトモな人なら私を振って当然だわ、とますますこじらせていった。

振り返って思う。
「なんで連絡くれないの?」って、自分の人生に夢中になっていなかった証拠だなと。身体は忙しくても、心が暇だったんだ。そして、人からどれだけ好かれるか、どう扱われるかで自分の幸福度を測っていたような。

自分が好きなこと、夢中になれることに邁進していたら、連絡が来なかったとしても、「あの人元気かな?」と思いを馳せ、忙しいんだろうな、とか、体調崩していたりしないかな?などと想像しつつ、
「元気?もし予定が合えば、会いたいな」という連絡を自分からするだけだっただろう。

今、大切な友人へのスタンスがそれである。寂しさなど1ミリもない。
元気で、幸せでいてさえくれたら十分だ。
その距離感が似ている人とは、無理なく付き合えるのだろうなと思う。

今週、その友人に会う約束を取り付けたので、自分の考えを伝えてみようと思う。理解されないかもしれないが、ただ幸せを願い、気になったら自分からちょっかいをかける、その快適さも知ってみてほしい。

かつては依存されただけで、「尊重されていない」と怒りを感じた私だが、8年経ってここまで感情的にならなくなった。33歳から41歳の成長。きっとこれからも、もっと。

【余談1】
夫からは、何でそんなめんどくさい人と付き合うの?と訊かれたが、これがよくわからない。ただ、なにか私の心の琴線にふれるものを、彼女が持っているんだろうなぁという気はする。

【余談2】
しいたけ占いさんで、ドンピシャなことが書いてあった。

プライベートにおいては、「いつも浮気をしたり、難のある相手と恋愛しようとしている友達から相談を受ける」など、「ちょっと、一筋縄ではいかないよな」と感じてしまうような案件に縁ができやすいのです。アドバイスになるのですが、今週のあなたは、「相手」や「結果」の方を見過ぎない方が良さそうです。それよりも、「この人に対して、そして、この案件に対して、私は何ができるのだろう? 」と考えてみて、「どこまでできるのか聞いてみる」、「一回、真剣に話し合ってみる」、「スルーをする」、「距離を取る」など、“自分が取るべき手段の方にのみ”、注目をしてみて。変に相手の反応や結果の予測をしてしまうと、振り回されてしまうから。

週刊しいたけ占い 1/13~1/19(水瓶座)より一部抜粋





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長橋 知子
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