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ビタミンK

【概要】


ビタミンKは血液凝固に重要な役割を果たすビタミンで、"Koagulation"(凝固)に由来する名前を持ちます。自然界にはビタミンK₁(フィロキノン)とK₂(メナキノン)の2種類が存在し、K₁は植物の葉で合成され、K₂は腸内細菌によって作られます。近年では、血液凝固作用だけでなく、骨の形成や血糖値の調整にも重要な働きがあることがわかってきました。

【基礎知識】

■化学的性質


・脂溶性ビタミンの一種
・K₁は植物の葉で合成される
・K₂は微生物が作る形態で、腸内で合成され吸収、利用される

■体内での主な働き

血液凝固促進

・出血時の止血に必須
・新生児の頭蓋内出血予防に重要

骨代謝調節

・オステオカルシンの活性化を通じて骨形成を促進
・骨の質を改善する作用がある

糖代謝への影響

・膵臓でのインスリン分泌促進
・脂肪細胞でのアディポネクチン分泌を促進
・インスリンの働きを高める

■吸収・代謝のメカニズム

・腸内で胆汁酸の助けを借りて吸収される
・ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している場合は摂取を制限される場合がある

【最新の研究知見】

■骨代謝における新たな発見

オステオカルシンの活性化メカニズムが解明され、以下の作用が確認されています。

骨芽細胞での合成

・ビタミンDとエストロゲンが材料となる
・ビタミンKによって活性化される

代謝作用

・活性型オステオカルシンは膵臓に働きかけ
・インスリンの合成と分泌を促進
・脂肪細胞のアディポネクチン分泌も促進

総合効果

・骨形成の調整
・骨破壊の抑制
・骨質の改善
・血糖値の調整


【相互作用】

■薬との相互作用

・血液を固まりにくくする薬(ワーファリン)との併用に注意
・作用が拮抗するため、摂取を制限される場合がある

■吸収に影響する要因

促進要因

・適切な量の胆汁酸の存在
・健康な腸内環境

阻害要因

胆道閉塞
腸内細菌の減少(抗生物質の長期使用)
肝不全
胆汁酸不足

【機能】

血液凝固作用

・出血時の止血機能を促進
・新生児の消化管出血(メレナ)や頭蓋内出血の予防に重要

骨形成促進作用

・オステオカルシンを活性化
・骨芽細胞での骨形成を促進
・骨の質を改善
・骨破壊を抑制

糖代謝調整作用

・インスリンの合成と分泌を促進
・アディポネクチンの分泌を促進してインスリンの働きを強化
・血糖値の調整に関与

【不足すると…】

ビタミンK不足は以下のような症状やリスクを引き起こす可能性があります。

新生児期の重大なリスク

・新生児メレナ(消化管出血)
・特発性乳児ビタミンK欠乏症(頭蓋内出血)
※特に腸内細菌が少ない新生児は要注意

特定の状況での欠乏リスク

・抗生物質の長期使用による腸内細菌の減少
・胆道閉塞による吸収障害
・肝不全による代謝障害

血液凝固機能への影響

・血液が固まりにくくなる
・出血しやすくなる

【摂取した方がいい人】

新生児

・腸内細菌が少なく、自身での産生が不十分
・特に母乳育児の赤ちゃん(粉ミルクにはビタミンKが添加されている)

骨の健康が気になる方

・骨粗しょう症が心配な方
・骨密度を維持したい方 

以下の状態の方

・抗生物質を長期服用している
・胆道閉塞がある
・肝不全の状態
・血液凝固に問題がある


【どんな食材に入ってる?】

■ビタミンK₁(フィロキノン)を多く含む食品
・シソ
・モロヘイヤ
・小松菜 などの緑葉野菜に豊富に含まれる

■ビタミンK₂(メナキノン)を多く含む食品
・チーズ
・納豆
・鶏肉
・発酵食品全般

■特徴的な食品:納豆
・特に納豆は発酵過程で生成される
・K₂を豊富に含む
・腸内で合成され、吸収・利用される

■天日干しキノコ
・天日干しした干し椎茸にはビタミンDが豊富 

【摂取量】

■推奨摂取量

・18歳以上:150 μg/日

■食品中の含有量

・パセリ 180g
・モロヘイヤ 200g
・ほうれん草 500g
・納豆 25g
・ひきわり納豆 15g
・油揚げ 200g
・うに 70g
・さば 300g
・パルメザン 1000g
・海苔 6g(3枚)

■摂取時の注意点

・ワーファリンなどの抗凝固薬を服用している場合は、医師に相談の上で摂取量を調整する必要がある。
・過剰摂取による害は報告されていないが、サプリメントでの過剰摂取は避ける。
・食事からの摂取を基本とする。

【摂りすぎると…】

ビタミンKは以下の場合に注意が必要です。

■薬との相互作用
・血液凝固抑制薬(ワーファリン)を服用している場合

・薬の効果を弱める可能性
・治療効果に影響を与える可能性
・医師の指示なく摂取量を変更しない

■一般的な過剰摂取
・通常の食事からの摂取では過剰症の心配はない
・サプリメントによる過剰摂取に注意

【効率の良い食べ方】

■ビタミンKの吸収を高める方法

脂質との併用

・脂溶性ビタミンのため、適度な油脂と一緒に摂取
・オリーブオイルや亜麻仁油などの植物油を活用

腸内環境の整備

・発酵食品を積極的に摂取
・腸内細菌の活性化を促進


【レシピ】

■栄養たっぷり納豆サラダ (ビタミンK₁とK₂を同時に摂取できるレシピ)

材料(2人分)
・納豆 2パック
・小松菜 1束
・オリーブオイル 大さじ1
・醤油 小さじ1
・刻みネギ 適量

作り方

  1. 小松菜を茹でて3cm長さに切る

  2. 納豆をよく混ぜる

  3. すべての材料を和える


【専門用語】

・メナキノン:ビタミンK₂の化学名。主に腸内細菌によって作られる形態
・フィロキノン:ビタミンK₁の化学名。植物の葉で合成される形態
・オステオカルシン:骨の形成に関わるタンパク質で、ビタミンKによって活性化される
・アディポネクチン:脂肪細胞から分泌されるホルモンで、インスリンの働きを促進する
・凝固因子:血液を固める働きに関与するタンパク質群


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JUNYA/パーソナルトレーナー
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