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虚構新聞社社主UKさんインタビュー!嘘のニュース配信続けて20年

20周年を迎えたウェブサイト「虚構新聞」。社主UKさんに話を聞きました。

 ネット記事を拾い上げて紹介する個人ニュースサイトを運営していたのですが、エープリルフール用に嘘ニュースを書いて載せたら読者からの評判がよかったんです。それで普段から掲載するようになり、その記事がたまってきたので、嘘ニュースを専門に配信する新聞社があるという体で2004年に「虚構新聞」を立ち上げました。
 気が付いたら20年たっていたという感じです。でも振り返ればこの間にいろいろと変化はありました。

虚構新聞より「バウムクーヘンの天日干しが最盛期 長野 」https://kyoko-np.net/2005021501.html
虚構新聞より「究極の初心者向け「2マス将棋」発売 愛好家考案」https://kyoko-np.net/2021061401.html

この20年間の変化

 SNS、特にツイッター(現X)の普及による影響は大きかったと思います。当初は嘘のニュースだと分かった上でサイトに来られる人ばかりだったのが、そうではなくなってしまった。ツイッターで目に留まったからタップして真剣に読んだのに本物のニュースじゃなかった!と怒られたりしましたね。ツイッターでは見出しだけが拡散されがちなので、見出しの時点で真偽を判断してもらえるよう工夫して書くようになりました。

 ネタの選び方も変わりました。笑いに対する世の中の感覚が変化していて、以前のように特定の政治家などを風刺する笑いが受け入れられなくなっているため、最近は個人をネタにした風刺は抑えています。
 昔はできたことができなくなったという点は確かにいくつかはありますが、だからといって息苦しさを感じたりはしていません。縛りが生じたら、その範囲内で何が書けるかを考えます。
 別に何か目標があってやっているわけではないんです。読者が楽しんでくれる限りは書き続けます。

虚構新聞より「数学教科書から“x”消える 米起業家が独占使用権獲得」https://kyoko-np.net/2023072901.html

話:UKさん(ゆーけー)
虚構新聞社社主。滋賀県在住。2004年3月虚構記事を配信するウェブサイト「虚構新聞」を設立。以来現在まで、現実と虚構の境界を描くニュース記事を更新している。10年「アルファブロガーアワード」にノミネート。12年第16回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門審査委員会推薦作品受賞。21年朝日新聞滋賀県面にて『虚構新聞―特別編―』を連載。22年度から成安造形大学情報デザイン領域客員教授。近著に『虚構新聞 全国版』。

虚構の記事を実体化した展覧会も開催!

 2024年11月5日~24日 @アートホテル BnA_WALL(東京都中央区日本橋大伝馬町1-1)

写真=虚構新聞社

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