UDP,TCPって？～WebCenter Suiteの設定ファイル「JbossTicketCacheReplicationConfig.xml」の話～
WebCenter Suiteの設定ファイル「JbossTicketCacheReplicationConfig.xml」の中の記述として、 <UDP～～のように記載している個所があります。
この部分、<TCP～～のように使用することもあるようです。
TCP,UDPはそれぞれ一体どういう意味の設定なのでしょうか？
以下、記載例です。
jbossTicketCacheReplicationConfig.xml
<!--
<UDP mcast_addr="239.255.0.0" mcast_port="48866"
bind_addr="10.0.5.4"
ip_ttl="1" ip_mcast="true"
mcast_send_buf_size="150000" mcast_recv_buf_size="80000"
ucast_send_buf_size="150000" ucast_recv_buf_size="80000"
loopback="false"/>
<PING timeout="2000" num_initial_members="3"
up_thread="false" down_thread="false"/>
-->
<TCP bind_addr="10.0.5.4" start_port="7800" loopback="false"/>
<TCPPING timeout="3000"
initial_hosts="10.0.5.4[7800],10.0.5.3[7800]"
port_range="1"
num_initial_members="2" />この設定ファイルの内容は、JBossのクラスタリング設定に関するものです。TCPとUDPは、ネットワーク通信プロトコルを指しています。それぞれの意味と役割について説明します。
１．UDP (User Datagram Protocol):
UDPは、クラスタ内のノード間で高速なマルチキャスト通信を行うために使用されます。主な特徴は以下の通りです：
マルチキャスト通信: 複数のノードに同時にデータを送信できます。
軽量で高速: オーバーヘッドが少なく、高速な通信が可能です。
スケーラビリティが高い：大規模なクラスタでも効率的に動作します。
信頼性が低い: パケットの到達保証がありません。
設定例の説明：
mcast_addr: マルチキャストアドレス
mcast_port: マルチキャストポート
bind_addr: バインドするIPアドレス
ip_ttl: IPパケットのTTL（Time To Live）値
mcast_send_buf_size, mcast_recv_buf_size: マルチキャスト送受信バッファサイズ
ucast_send_buf_size, ucast_recv_buf_size: ユニキャスト送受信バッファサイズ
２．TCP (Transmission Control Protocol):
TCPは、信頼性の高い通信が必要な場合や、UDPが使用できない環境で使用されます。主な特徴は以下の通りです：
信頼性が高い: パケットの到達保証があります。
ファイアウォールの通過が容易：多くの環境でTCPの方が設定しやすいです。
コネクション型: 通信前に接続を確立します。
オーバーヘッドが大きい: UDPよりも処理が重くなります。
設定例の説明：
bind_addr="10.0.5.4"は、このノードのIPアドレスを指定しています。
start_port="7800"は、TCPの開始ポート番号を指定しています。
TCPPINGは、クラスタメンバーを検出するための設定です。
initial_hostsには、クラスタの初期メンバーのIPアドレスとポートが指定されています。
これらの設定は、クラスタ内のノード間でのセッション情報やキャッシュデータの複製に使用されます。環境やネットワーク構成に応じて、UDPまたはTCPを選択し、適切に設定することで、効率的なクラスタリングが実現できます。
詳細な設定や最適な選択については、WebCenter Suiteの公式ドキュメントを参照し、ネットワーク環境に合わせて調整することをおすすめします。
参考URL（PDF）：chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://docs.oracle.com/cd/E37570_01/doc.1111/b69695.pdf