『太陽がいっぱい』映画史に刻まれた、奇跡的に美しい撮影というスケッチ
アラン・ドロンの危険な美しさ、ニーノ・ロータの哀愁のテーマ、アンリ・ドカエの粗野な美しきスケッチのような撮影。それら全てが揃うと魔法のような時間が流れる。
また、個人的にだが、マリー・ラフォレが何度も着替えるのが良かった。台詞にも出てくるくらい。そして、そのあらゆるスタイルがキマっており、見惚れてしまう。中性的魅力。
編集も大胆である。歩き方から風景まで長尺に見せたかと思うと、普通は作品に入るであろうシーンを、スパッと切る。これがムードを変えて、新たなリズムを生む。
原作も気になるが、ルネ・クレマンとアラン・ドロンは本作によって、映画史に名を残した。