ACADEMIJAN 始動
みなさん、はじめまして。
ACADEMIJAN(アカデミジャン)、始動します!!
私たちがやりたいこと、それは 科学技術コミュニケーション です。
ACADEMIJANが目指すこと~マジシャンのごとく~
流れ星や大陸移動、異常気象など、数多くの不思議な現象が、日々私たちの周りで起こっています。その裏にある種と仕掛けを解き明かす試みが、科学です。そこから得られた知識や、その知識を応用した技術は、社会のあちこちで活用されています。今や科学技術と社会は密接につながっていると言っても過言ではありません。
その一方で、素粒子やゲノム、コロナウイルスなど、科学の中や、科学と社会の間で起こっている事は、難解であったり複雑であったりするゆえに、どこか現実離れした非日常として目に映ります。現実の社会で起こっているにもかかわらず、です。
そこでACADEMIJANは、マジシャンが種と仕掛けで非日常を日常に届けるかのごとく、科学技術を通して生じる「面白い」「楽しい」「不思議」といった感性「センスオブワンダー」をみなさんに届け、共有したいと考えます。そしてそこから、種や仕掛けはなんなのだろう?と、みなさんと一緒に考えていくような活動を目指します。
結果、科学技術の専門的な領域と、日常生活の領域とを、お互いにもっと自由に行き来しながら、種と仕掛けをみんなで共有できれば、より納得感をもって社会生活を営んでいけるのではないでしょうか。科学技術にはきっと、日常を彩る仕掛けや、社会を生きるための種が、隠れているはずです。
このnoteでは、科学技術にまつわる面白い話を提供したり、科学技術に専門的に取り組む人を紹介したり、科学技術が絡む社会の問題を考えたり、していく予定です。
はじまり~CoSTEP受講~
本活動の原点には、CoSTEP(コーステップ)の存在があります。CoSTEPは、北海道大学にある科学技術コミュニケーション教育研究部門の通称で、大学機関として科学技術コミュニケーションの教育・研究・実践に取り組んでいます。その活動の一つとして、CoSTEPは北海道大学内外から受講可能な教育プログラムを展開しており、私たちは16期生(2020年度受講生)としてそのプログラムを受講しました。
CoSTEPでは、科学技術コミュニケーションを以下のように定めています。
科学技術の専門家と一般の人びとの間に双方向的な関係性を確立し、科学を学ぶことの意義や楽しさ、そして科学技術と社会の問題について伝え、共に考えを深め、協働を通じて知識や価値の創造に寄与する活動を、科学技術コミュニケーションといいます。
CoSTEPウェブサイトより(最終閲覧日:2021年4月28日)
私たちはCoSTEPの教育プログラムの中で、この科学技術コミュニケーションについて体系的に学びながら、ある人は科学技術をかみ砕いて伝えるサイエンスライティングに取り組み、ある人は科学技術について参加者と一緒に考えるオンラインイベントを開催し、科学技術コミュニケーションに必要な心・技・知を磨いてきました1)。
最初の一歩~サイエンスアゴラに出展~
CoSTEPの枠をとびだしての最初の一歩は、サイエンスアゴラ2020への出展でした。当時CoSTEPの教育プログラムを受講中だった私たちは、北海道大学CoSTEP16期有志の会として企画実施に挑んだのです。この有志グループがACADEMIJANの前身です。
企画タイトルは「オンラインで標本に触れる!?~『感覚の転送』技術でできること~」。その名の通り、触れる標本解説をオンラインでやってしまおう!という試みです。
コロナ禍の博物館は、休館や入館制限が相次ぎました。特に、標本に直接触れるハンズオン展示は実施が難しく、未だに再開されていない場合もあります。あらゆる場面でオンライン化が進む今こそ、未来の博物館のあり方を考え、提案していきたい-そう考えた私たちは、博物館標本の形や触り心地を届けるオンライン生放送企画を実現しました。
触感を伝えるために使ったのは「テクタイル・ツールキット」。シカの角や岩石などの標本を擦ったときの振動を、特殊な装置で増幅させて転送します。Zoom越しに届いた振動に触れることで、オンラインで参加している人も、まるで実際に標本を触っているような感覚を味わうことができるのです。チャット欄には「シカの角の根元がボコボコしているのが感じられた」などの感想が寄せられました。
「コロナ禍で遠出ができなくても、身の回りの自然に目を向けよう」
驚きや発見をいつも大切にしてもらいたい思いから、最後にそんなメッセージを伝え、私たちの放送は終了となりました。
企画の詳細やツールキットの仕組みが気になった方は、こちらのレポート記事、または生放送アーカイブをぜひチェックしてみてください。
Science Portal「オンラインで標本に触れる!? 「未来の博物館」への挑戦」(2020.12.23)科学技術振興機構(JST)
サイエンスアゴラ2020YouTubeアーカイブ「オンラインで標本に触れる!?~『感覚の転送』技術でできること~」
ACADEMIJAN 始動
そして2021年3月にCoSTEPを修了した後、引き続きCoSTEPの外でも科学技術コミュニケーションを実践していきたいという思いから、私たちはACADEMIJANを立ち上げるに至りました。
ということで、改めまして、ACADEMIC MAGICIAN(アカデミック マジシャン)、ぎゅっと縮めてACADEMIJAN(アカデミジャン)、始動します!!
まだまだ半人前の私たちですが、どうぞよろしくお願いいたします。
注
1) 科学技術コミュニケーションは、科学コミュニケーション、サイエンスコミュニケーションなどと呼ばれることもあります。ここでは、それらの語は同じ意味を持つものとして使っています。
(執筆:安達寛子、細谷享平)
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