悪の処世術
暴力とイデオロギー統制の先には何も残らない
概要
自国のことを徹底的に考えた結果、独裁的になる
そして、統治の後に残るものがなく、悪の巣窟となる
きっかけ
佐藤優のコラムを目にし、外務省からの景色に触れてみたいと思った
読後記
ホッジャのアルバニア独裁が示唆深い。徹底的な暴力で統治した結果、平等な社会を実現し、国民を飢えさせない生活を提供し、無神論国家が成立させている。しかし、その背景には、暴力や圧政による国民の自由を奪取がある。加えて、競争力も育たない。
ホッジャ亡き後、社会主義が崩壊し、当然、市場経済の中で国際競争力のある商品がない。売るべき商品がなく、経済が循環しなくなる。その結果、人々がネズミ講に流れ込み、奇しくも国民の経済を支えるところになり、国家全体がマフィア組織のような性格を帯びるようになった。
その結果、マフィアやボスによる統治、山中ではイスラム国などが入り込み訓練を行うなど、国際テロリズムや犯罪の温床となっていく。
という今さえよければいい、そして、それだけでは未来は変わらない、と。
私たちは平等や自由を主張するとき、もう少しよく考えたほうがいい。共産主義を貫徹した後に何も残らないならば、「平等をなぜ主張するのか?」「何を求めるのか?」「本当にそれは望む姿なのか?」と、成長を望まない、そして、平等を望む人々に問いたい。
何よりも、普段読まない本に触れる、自分の無知さが露呈する。国際政治のイロハもわかっていない自分の知らない世界があり、ただ恥ずかしくなる。
(終わり)