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野尻湖ナウマンゾウ博物館

概要

長野県信濃町の保養地、野尻湖の湖畔にある博物館です。
野尻湖では60年以上にわたって発掘調査が行われていて、そこから発掘された古生物(主にナウマンゾウ)と人間の残した遺品を収納/展示しています。

1962年から2018年までに22回の湖底発掘が行われましたが、この博物館はその発掘品を収蔵するために建設されました。

展示

建物1階部分は受付とショップになっていて、記念グッズや書籍、地元のお土産品などが置かれています。
2階がメイン展示で、3階は特別展のスペースになっています。
野尻湖発掘の大きな特徴は、研究者だけでなく小学生から大人まで多くの一般の人々が参加した、世界的にも珍しい一般参加型の発掘という点で、博物館には発掘に参加した一般参加者の名簿も展示されています。

ナウマンゾウとオオツノシカの実物大復元模型

湖底から発掘される主な大型動物はナウマンゾウとヤベオオツノジカです。野尻湖産大型哺乳類化石群として長野県の天然記念物に指定されています。

ナウマンゾウの歯は多数見つかっています
発掘された部位
湖底発掘の様子
発見された多数の臼歯
湖底から発掘された象徴的な「月と星」

野尻湖から発見される骨格はバラバラの不完全な状態で、人骨なども見つかっていません。このことから野尻湖は住居ではなく、狩場兼解体場(キルサイト)だったと推測されています。基本的に骨格は解体された状態で見つかるにも関わらず、このナウマンゾウの牙とオオツノシカのツノは奇跡的に並んで発掘されており、野尻湖人の儀式によるものではないかと考えられています。

ナウマンゾウの牙から作られた「ビーナス」

発掘で多数の石器や骨器などの野尻湖人の遺物が見つかっていますが、ナウマンゾウの牙を彫刻した「ビーナス」は特に珍しい、野尻湖人の祈りが込められたものです。

感想

野尻湖の発掘について全てが詰まった博物館です。発掘で見つかった昆虫などの小さな化石についてももっと展示が欲しいです。保管が難しいので記載を元にした展示になってしまうとは思いますが。
博物館の展示は太古の野尻湖についての研究が進展するたびに変わります。館報の「野尻湖ナウマンゾウ博物館だより」は、100号を迎えたそうです。今後の展開にも期待したいところです。

アクセスなど

所在地:〒389-1303 長野県上水内郡信濃町野尻287-5
開館時期:通年(休館日は博物館サイトでご確認願います)
施設:ミュージアムショップ
アクセス:信濃鉄道黒姫駅よりバスで10分程度ですが、本数が少ないので徒歩の場合はタクシーを利用することになるでしょう。

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