アドテクノロジーを語るに必要な言葉--前編-

アドテクノロジーを理解するために必要な言葉


「パルスのファルシのルシがコクーンでパージ」


この言葉の意味、わかりますか?

知る人ぞ知る、FF13ゲーム開始後に出てくるこの言葉。最初にこの言葉を聞いた時は頭にはてなマークを浮かべましたが、ゲームを進めるごとに意味がわかります。

「下界の神の使いが、都市コクーンで追放された」


…という意味だったのです。

まさかそのような意味だったとは想像できませんよね。物事を理解するには言葉の意味を理解することがまず最初に必要なのかもしれません。

アドテクノロジーを語るにも、たくさんの難しい言葉の意味を理解する必要があります。なので今回はアドテクノロジーの言葉の意味について、私流にまとめてみました。言葉は大枠な概念(場所やツール、手法など)ごとにまとめてありますのでよろしくお願いします!


-場所-


アドネットワーク

広告媒体のWebサイトを多数集めて形成される広告配信ネットワークのこと

アドネットワークでは「クリック課金型」「インプレッション課金型」など、ネットワークにより課金形態が異なることも多い。アドエクスチェンジという広告取引市場を介することによって「入札方式のインプレッション課金型」が主流になった

アドエクスチェンジ

広告枠をインプレッションベースで取引する広告取引市場

アドエクスチェンジは、複数の媒体やアドネットワークが持つ広告枠を一元管理できるようになった。これにより運用の手間が軽減した。

AOP

複数のメディアが自社がもっているオーディエンスデータを共有しあうメディア連合のことです。

アライアンスオブオンラインパブリッシャーの略で、パブリッシャー・アライアンスとも呼ばれる。属性データに加え、ユーザーがどの記事を読んだか(興味を持ったか)という詳細な興味・関心データもある。

PMP

プライベートマーケットプレイスの略で、参加できる広告主とメディアが限定されたプログラマティックな広告取引市場のこと

RTB(最も高い金額をつけた購入者の広告を表示する仕組み)にするか、そうしないかで分かれます。RTBを選択した場合、そこから参加方法がオープン/クローズかで2つに分かれます。Non-RTBを選択した場合は在庫予約(guaranteed)のあり/なしで分かれる。

プライベートエクスチェンジ

参加広告主と参加メディアが限定された、プログラマティックな広告取引市場の1つ

オークションが発生しない固定単価制のマーケットで、2種類の取引方式が存在する。1つはUnreserved Fixed Rateという在庫予約機能がない固定単価の取引方式、もう1つはAutomated Guaranteedという在庫予約が可能な固定単価の取引方式。

-ツール-


DSP

いわば広告配信の頭脳のこと

広告配信の収益を最大化させるプラットフォーム(ソフトウェア)で複数のアドネットワークやアドエクスチェンジに広告配信を行える

広告主のためにあらゆる最適化をシステマティックに行うことができる。(広告在庫の買い付け/広告配信/掲載面/クリエイティブの分析/入札単価の調整/オーディエンスターゲティング等)

※ただしDSPは利用手数料がかかる

SSP

DSPとは逆で、媒体側の収益を最大化させるプラットフォーム

インプレッション毎にeCPM(インプレッション課金ではない広告の「CPMという1,000回表示あたりの広告コスト」)を算出し、1番高額と判断された広告が配信される仕組みになっている。

DSPとSSPは表裏一体の関係と覚えとくといい。

3PAS

メディアを横断した広告の管理・効果測定ができるサーバー

ディスプレイ広告やリスティング広告、SEOすべての効果測定ができるアトリビューション分析が可能となりました。ただしDSPやアドエクスチェンジと違って、広告枠の買い付けや配信の最適化機能はない。

アドベリフィケーション

広告の配信場所を確認して、配信をコントロールできるツール

DSPなどを使って配信した広告が、広告主のイメージ低下を招くようなサイトに配信されていないか、ユーザーが認識できる場所にしっかり掲載されているかなどを確認できる。

-仕組み-


フロアプライス

RTBの広告配信における最低落札額のことで、メディアの収益を確保するための仕組み

フロアプライスはSSP(メディア側)で設定することができ、これを下回る入札額の広告は、広告オークションで入札額が1位だったとしても掲載されない。低単価の広告表示を抑制することにより、インベントリ(広告在庫)を純広告などの別の広告にまわすことができる。



-手法-


オーディエンスターゲティング

オーディエンスデータというCookieをもとに、ユーザーの行動履歴がわかるデータを用いたターゲティング手法のこと

ユーザーの行動履歴を参考に、訴求したい商品に興味があるか判断してユーザーに広告を出すことができるため効率がいい。

RTB

アドエクスチェンジなどの広告取引市場で、最も高い金額をつけた購入者の広告を表示すること

セカンドプライスビッディングという方式で、入札に勝利した場合、入札額ではなく2位の入札額+1円が落札額となる。これは落札額が無暗に高くならないようにするため。もしフロアプライス以下の入札しか無かった場合は、広告が配信されない。

アトリビューション分析

直接コンバージョン以外の、間接コンバージョンも含めて、コンバージョンへの広告への貢献度を評価するための分析手法。

例えば、ビュースルーCVや広告クリック後 → 離脱 → 別経路からのCVも含めて分析できる。最後に接触した広告以外の評価が行える。3PASの登場により可能になった。

-計測手法(KPI)-

LTV

Life Time Value

顧客がサービスを使ううえで、生涯合計でどのくらいの額を使うかの指標です。 つまり、長期間継続して購入・利用する顧客ほど、LTVが高いというわけです。

ROAS

Return On Advertising(広告) Spend(費やす)

かけた広告費に対して得られた売上を%で表したものです。(広告費の何%売り上げが上がったか)。計算式は「ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)」となります。

ROI

Return on Investment(投資)

かけた広告費に対して得られた利益を%で表したものです。(ROASが売上、ROIが利益と考えると分かりやすいです)計算式は「ROI=広告経由の利益÷広告費用×100(%)」となります。

CPA

Cost Per Acquisition(取得)

1件のコンバージョンを獲得するのにかかった広告コスト(成果単価)

CPI

Cost Per Install

1インストールあたりの広告コストのことで、インストール課金型の広告(リワード広告など)で使用される指標です。コスト/インストール数で算出できます。

CVR

Conversion Rate

SEOやWeb広告などでWebサイトに訪れたユーザーがどのくらいコンバージョンしているかという割合です。コンバージョン数÷Webページ流入数(広告のクリック数)で算出します。

CPV

Cost Per View

“広告視聴1回あたりのコスト”のことで、動画広告の広告視聴単価で使用される指標です。従来のリスティング広告やディスプレイ広告では、CPC(クリックあたりコスト)やCPM(1,000回インプレッションあたりコスト)が使用されています。動画広告の場合は、“視聴”させることが重要なので、この課金形態が多いです。



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