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【Vol.10】街の工務店が応援されるための理由

前回、街の工務店さんにはすでに《応援される要素》はある
でも、《応援したくなる理由》が欠けている。

そして、《応援したくなる理由》とは

  1. いったい【何を】そんなに一生懸命頑張っているのか?

  2. いったい【何のために】そんなに苦労してまで頑張っているのか?

に対する回答のことである。というお話をしました。


このうち、1.に関しては、すぐに工務店さんから答えが返ってきます。


■問い:御社は【何を】頑張っているのですか?

・弊社は、住む人が健康になる家づくりを一生懸命頑張ってます
・U値・UA値・C値や、NEBとEBの両立に一生懸命こだわってます
・コンパクトな平屋を…
・シンプルなキューブ型のデザインで…
・軒の出を少なく(or多く)して…
・●●工法を採用して…

このように、いわゆる【モノ(住宅)】へのこだわりはどの工務店さんも自信たっぷり。

こうしたこだわりは、あればあるほど大きな武器になります。


・・・ところが。

残念ながら【モノ】へのこだわりだけでは、街の工務店のブランディングには不十分。

消費者が《御社を応援したくなる理由》の条件を満たしません。


という話をすると、いつも工務店さんから「なんでや??」という顔をされます。建てている家が魅力的ならそれで十分じゃないか、と。

その理由を、高校野球の甲子園を例に解説します。


■どちらのチームを応援したくなりますか?

夏の暑い日、何の気なしにテレビをつけると甲子園の試合中です。

両チームとも、縁もゆかりもない地域の代表校。

スコアは0-10。

リードしているのは、私立のエリート集団で体つきも技術も鍛え上げられている、いわゆる強豪校。

負けているのは地方の公立校で、劣勢ながらも細い体で泥だらけになりながら諦めない。

もちろん両校とも一生懸命プレーしています。

皆さんならどちらを応援するでしょうか?




判官びいきも相まって、おそらく多くの方が【負けている地方の公立校】を選ぶと思います。

強豪校の方が、選手の能力(スペック)が高いにも関わらず、です。


つまり、工務店さんがこだわる建物の技術、デザイン、設計コンセプトなどの仕様・スペックがいくら優れていても、それが《応援したくなる理由》には直結しません。

別の要素が必要になるということです。



■仕様・スペック以外で応援される【別の要素】とは?


では、仕様・スペック以外で応援される【別の要素】とはなんでしょう。

それは
【なぜ】【なんのために】野球を頑張っているのか?
という《理由》です。

・貧しい家庭のためになんとしてもプロになりたいから。

・小さい頃から家族の懸命なサポートで野球を続けてこれたから。

・隣の喫茶店の幼馴染から、交通事故で夢半ばで亡くなった双子の弟の代わりに甲子園に連れてってと頼まれたから。

こうした理由が《物語》として伝わることで、選手のスペック以上の付加価値が付き、感情移入することが正当化されます。

「こんな想いで頑張っているなら応援してあげよう」と。


この【物語】こそが、街の工務店のブランディングに不可欠なものです。

  • 住む人が健康になる家づくりを一生懸命頑張っている。

  • U値、UA値、C値や、NEBとEBの両立にこだわっている。

  • コンパクトな平屋を建てている。

  • シンプルなキューブ型のデザインにしている。

  • 軒の出を少なく(or多く)している。

  • ■■工法を採用している。

という仕様・スペックにこだわるのは、【いったいなぜ】【なんのため】なのか?


上記のそれぞれについて、《他社には任せておけない御社だけの物語》をアツく語ることができれば、【どんな家づくりをしていようが】必ずブランディングができます。

しかも街の工務店さんは、高校野球と同じように、不利な立場にありながらも懸命に頑張っている方を応援したくなる【アンダードッグ効果】が追加されます。この強みを活かさない手はありません。

(※ただし純粋なスポーツとは違い、数千万のお金が絡む家づくりでは自社の想いを伝えるだけではまだ足りません。この辺りの《効果的な物語の作り方》は改めて記事にします。)


ひとまず今回は、御社のウェブサイトで【どんな困難にぶちあたっても今の家づくりをやらないといけない理由と物語】がアツく語られているかどうかをチェックしてみてください。



★今日のまとめ

■「物語で伝えられると、事実や数値の羅列に比べて《22倍》記憶に残りやすい」
(スタンフォード大学のジェニファー・アーカー教授)

■「人がお金を払うのは、商品ではなくそれにまつわる物語に対してである」
(アメリカのマーケティングの第一人者 セス・ゴーディン)





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