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1993年のオーストリア・モーツァルト №23〈ザルツブルク №15〉

1993年7月、転職のはざまに2週間の自由(失業)期間ができて、これはチャンス。リュックを背負ったエコノミーな個人旅行で、憧れのオーストリアへ行きました。
今年はちょうど30周年、当時はスマホはもちろんなく、携帯電話すら一般にはまだ普及していなかった時代。世の中随分変わりましたね。
旅行中の日記がこの『旅日記』の元ネタです。写真も交えて旅のあれこれを思い返しながらつづっていきます。そんな、よしなしごとにお付き合いいただければ幸いです。

ザルツブルク♪ №15(ヘルブルン宮殿コンサート)

1993(平成5)年7月14日(水)夜

〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿〉
宮殿コンサートのパンフ
SCHLOSS HELLBRUNN(シュロス ヘルブルン)
HELLBRUNN PALACE(ヘルブルン ぺレス)ヘルブルン城
Serenaden in historischen Kostümen(ゼレナーデン イン ヒストリッシェン コステューメン)
歴史的な衣装でのセレナーデ

 予約は確実に入っていた。チケットを買って音楽会。楽しい。(※1)

〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿コンサート〉
おじさん司会でまたジョークの連発、演奏前から会場が大いに盛り上がりました
〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿〉
(左)宮殿コンサートのチケット
予約はホテル・ノイトールのマダムに頼んで済ませてもらっていました

(右)コンサートのプログラム
Heiterer Mozart in historischen Kostümen
(ハイターラー モーツァルト イン ヒストリッシェン コステューメン)
歴史的な衣装の陽気なモーツァルト
Salzburger Kammersolisten
(ザルツブルガー カンマーゾリステン)ザルツブルク室内合奏団
Brigitte Heinke, Sopran(ブリギッテ ハインケ、ソプラン)
Margaret Nessel, Mezzosopran
(マーガレット ネッセル、メッゾソプラン)
Falk Hutter, Baß
(ファㇽク ホッター、バス)
Leitung und verbindende Worte:Alois Aigner
(ライトゥング ウンㇳ フェルビンデンデ ヴォルテ:アロイス・アイグナー)
司会・進行:アロイス・アイグナー

***
(以下、発音は省略します。また、曲名は直訳ではなく、一般的な邦題を記しました)
Divertimento B-Dur,KV 439b Nr.Ⅲ Allegro-Andantino-menuett-Rondo
ディヴェルティメント 第3番 変ロ長調 K.439b
*
Piu non si trovano,KV 549
カンツォネッタ「もはや見当たらず」K.549
*
Due pupille amabile,KV 439
ノットゥルノ「二つの愛らしき瞳」K.439
*
Luci care,luci belle,KV 439a
ノットゥルノ「優しき光、美しき光」K.439a
*
Nun,liebes Welbchen,KV 625
競作ジングシュピール『賢者の石』より喜劇的二重唱「いざ、いとしき乙女よ」K.625
*
"Ein Mädchen oder Weibchen"KV 620
歌劇『魔笛』よりパパゲーノのアリア「恋人か女房があればいいが」K.620
*
"Papagene-Papageno"KV 620
歌劇『魔笛』よりパパゲーノとパパゲーナの二重唱「パ・パ・パ」K.620
*
Prest Es-dur,KV-Anhang
プレスト ホ長調 K.追加

* Pause *
*休憩*
Divertimento B-Dur,KV 439b Nr.Ⅱ Allegro-Largetto-Rondo
ディヴェルティメント 第2番 変ロ長調 K.439b
*
Das Bandel,KV 441
喜劇的三重唱「リボン」K.441
*
Caro mio, Druck und Schluck, KV571a
喜劇的四重唱「いとしい私の食いしんぼさん」K.571a
*
Bona nox, KV561
四声のカノン「おやすみ、お前はホントのお馬鹿さん」K.561


〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿コンサート〉
オーボエ、ファゴット、クラリネットの管楽三重奏のディヴェルティメントに観客から拍手
〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿コンサート〉
歌手が登場し演技やコスチュームで楽器の伴奏に乗って歌います
器楽だけの音楽もいいけど、声楽は華やかでいいですね


 日本人がいたので休憩時間に声を掛けた。岩手医大からストックホルムへ留学中とのこと。旅の目的やら情報を交換し、旅の無事を二人言い合って別れた。(※2)

〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿コンサート〉
モーツァルトの遊び心がさく裂して
笑えるたのしい音楽に笑いと拍手で大盛り上がり
〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿コンサート〉
楽しいコンサートであっという間に時間がたって
フィナーレに!ブラボ―‼

 ホテルへ11時前に戻ってあぁ、少し疲れた。ボーイさんもいずビールも飲めない。自販機の「じ」の文字もない。寝よう。(※3)

〈ザルツブルク観光 ヘルブルン宮殿〉
ヘルブルン宮殿レストランの紙ナプキン


――つづく――

※1 K.625の、喜劇的二重唱「いざ、いとしき乙女よ」は、猫の鳴きまね「ミャウミャウ」も楽しく聞きいりましたが、『魔笛』作曲の前年1790年に、興業主のシカネーダーやヴィーデン劇場の仲間と遊び心で競作した『賢者の石』にモーツァルトが与えた一曲だったと今回調べて知りました。「ハリーポッター」を先取りしていたのか⁉

※2 彼も夏休みだったのでしょう。日本人と出会うとやはり心づよい気もちに切りかわりますね。

※3 コンビニの存在など、日本ではあたりまえの便利なことが、外国へ行くとありがたいことだとあらためて気づきます。

※ カノンの歌詞に出てくる、モーツァルトお得意のスカトロジーの場面で、現地ヨーロッパ人の聴衆は笑うのですが、私にはポカン⁇です。



※標題画像は、モーツァルト生家の看板です。

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