幸せなアナログレコードとの再会(聴きました編1) 『モーツァルト:セレナード第10番 K.361「13管楽器のためのセレナード(グラン・パルティータ)」』
一度は売却して「ゼロ枚」になったアナログレコード。でも、また欲しくなって取り急ぎ30枚ほど購入。聴くと楽しかったりほろ苦かったり。レコードの一枚一枚は、青春の一コマ一コマだったんですね。新しい発見もあるでしょうか。そんな再会のお話、よかったらどうぞ。
演 奏
カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルハーモニー管楽アンサンブル
レコード番号
グラモフォン MG 2313
発売元:ポリドール株式会社
録音年月/場所
1970年5月26~29日/ベルリン、イエス・キリスト教会
演奏時間
第1面 8’56” 6’44” 5’50” /
第2面 5’20” 6’25” 10’23” 3'11"
録音と演奏
YouTubeの画像はCDのものです(レコードには含まれない、第11番のセレナードの記載があります)。という事は音源もCDと思われます。
絶妙のテンポとアンサンブルの精妙さ漂う素晴らしい演奏です。音質も柔らかでとてもいい感じです。
ちなみに「グラン・パルティータ」とは「大きな組曲」という意味だそうです。
演奏者がジャケットに記載されています。
ローター・コッホ(オーボエ1)、ゲルト・ザイフェルト(ホルン1)など当時のベルリンフィルの精鋭です。
私が特に好きなのは、アダージョの第3楽章とロマンツェの第5楽章。てん綿と綴られて綾を成すようなたたずまいにいつもため息を吐くばかりです。
また、第6楽章のテーマ・コン・ヴァリアツィオーニは、モーツァルトお得意の変奏楽章でその陰影の描き方やテンポの揺れ動きに心奪われます。
レコードの解説から
ジャケット裏面の解説の冒頭の見出しは「このレコードの演奏」。次いで「モーツァルトとセレナード」
次に「13管楽器のためのセレナード」の見出しでそれを解説。最後に第1楽章以下各楽章の解説と続きます。
最低音をコントラバスに担当させるかコントラファゴットにするのが妥当なのかは多くの議論を呼んだ。このレコードでは、コントラファゴットをおき、管楽器で統一している。モーツァルトの自筆譜では、特にコントラファゴットを使うようには指示されていない。
結論から言えばコントラバスの方に分がありそうですが、音色の統一感ではコントラファゴットの方が理にかなっています。ちなみにこのレコードは、コントラファゴットがつかわれています。
楽曲について
作曲は、1781年の前半モーツァルト25歳。
全7楽章の第1楽章ラールゴ、第2楽章メヌエット、第3楽章アダージョ、第4楽章メヌエット、第5楽章ロマンツェ、第6楽章テーマ・コン・ヴァリアツィオーニ、第7楽章ロンド。
何か大きな契機がなくてはこれほどの曲は出来ないだろうと我々凡人は疑うのですが……。誰のため、何のための作曲なのか分かっておらず諸説紛々です。
このレコードの思い出
このレコードには青春のひとコマのような思い出があります。
50年ほど前に京都は四条烏丸の「十字屋」(現JEUGIYA)で次に買うレコードを物色していた僕は店員と女性客との会話を偶然耳にして、それで……。よかったら下記の記事をご覧ください。
※Kanoko さんの画像をお借りしました。