MARO著『聖書を読んだら哲学がわかった』について
『キリスト教で解きあかす「西洋哲学」入門』と副題の付いた本書。著者MAROさんは、上馬キリスト教会ツイッター部の「まじめ担当」。
ご本人、慶応大学文学部哲学科、バークリー音楽大学CWPご卒業という学歴をお持ちです。著書『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』も以前拝読しました。
今回の本書『聖書を読んだら哲学がわかった』は、私にとって<目からうろこ>本の一つになりました。
この本、始まってまだ数行ですけど、だからこそいきなり思い切って結論を言ってしまいます。
と軽妙なしゃべり口調で大胆にもこう言ってしまわれます!
それ(西洋哲学がわからないこと)、聖書を読んでないからですよ‼
わたしも、西洋の文化や芸術には興味やあこがれをいだきそれなりに親しみもしてきました。しかし、哲学となると二の足を踏むというか敷居が急に高く感じてしまうのはなぜでしょうか。
「難しそう」「読んでもわからない」多くの方々同様私もそう思ってこれまで生きてきました。
本書を読み終わった私は、「なんや、そういうことやったんかいな!」いっぺんに敷居が下がって床に沈みこみそうなほどです。
もっと早くいろいろな哲学書を読んでおけばよかった。そうすればもっといい人生が送れたかもしれないのに。なんて軽薄に短絡して考えています。
とはいっても、急に何でもわかるような都合の良いことは起こりません。でも、哲学に対してこれまでほど身構えることなく気を楽にできそうに思っています。
最近、パスカルの入門書を読んでも思ったことですが、本を読むことは、著者と会話をするようなことですね。
『パンセ』を開いて、お茶をたのしみながらでもいい。心を素直にしてパスカル先生の話を聞く。疑問を問うてみる。直接答えがなければ、どうなのか、こうなのかと自問自答するが……
う~ん、難しい。まさにそのとき、聖書を読んだら……わかった!となるかもしれません。
以下、本書の帯に記されたフレーズを引用させていただきます。
「それぞれの立ち位置がわかる哲学者マップ付き」
「ゆるゆるだけど斬新な哲学入門書」
「聖書にはあらゆる哲学のエッセンスがつまっている!」
「日本人が理解しにくい、西洋哲学の❝軸❞がわかる」
アリストテレスっぽいイラストの人物が歩きながら片手をあげて、あいさつです。
「じゃ!」
MAROさん!こんな重厚な内容を、軽妙な語り口の素敵な本にしていただきありがとうございました。
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