イースター連休終わりの「なんじゃそら」
前回のあんな『つぶやき』にまでも、
スキやコメントいただきまして、
みなさんの優しさに胸がいっぱい。
鬼平犯科帳の人情話にシビレていた、我が祖母の気持ちが、今まさに良くわかる。人の温かさに感謝に次ぐ感謝であります。
久しぶりの旅行は楽しかったです。
しかし帰宅すると、見たくない現実がそこに。
『暖房が使えない』
春とはいえ、イギリスの朝晩はまだ寒い。
服を6枚着て靴下を2枚履き、
今、これを書いている。
どうしてこうなったかと言えば…
それは、連休初日に、息子の友達がリビングの壁付きの暖房ラジエーターを壊したからに他ならない。
事の顛末はこう。
その日は、ボクシングの『なんたらマッチ』観戦とやらで、我が家に8名の14歳男子が来た。
試合の放映が始まると、
リビングから笑い声や雄叫び、
ギャーギャー騒ぐ声が聞こえ、
やがて、ドタバタ走る音に変わった。
そして遂には、
ドーーーンと大きな音が。
慌てて駆けつけると、160cm×60cmのラジエーターが壁からはがれて水が漏れ、壁にまあまあ大きな穴が4つあいていた。
興奮した誰かが、上に乗ってジャンプしたらしい。
ボクシング + 14歳男子8人= 浮かれポンチ
起こるべくして起きた惨事。
すべてが圧倒的必然。
暗愚・・・大失策・・・!
ぐにゃあ・・・・!
ざわ…… ざわ……
ざわ…… ざわ……
ざわ…… ざわ……
とか、カイジ風にザワついても遅い。
「ごめんなさい」
1番最初に謝ってきたのは、Aくんだった。
彼は14歳にして、身長180cm。
お顔がスタンド・バイ・ミー時代のリバー・フェニックスに激似のハンサム。
そう言えば、Aくんが小5の頃にこんな事があった。
クラスの誰かがイタズラしたせいで、先生に「誰がやったかわかるまで、クラス全員昼休みは無し!」と言われ、Aくんが「僕です」と手を挙げた。
お陰でAくん以外、全員が昼休みをもらえたが、実は犯人はAくんではなかった。
後日「だって、僕ひとりが昼休みを我慢したら、みんなが遊べるでしょ」と言った、
小5にして漢のAくんだった。
私の中の名探偵コナンが言う。
『彼ではない』
夫がみんなに、
「大丈夫、すぐ直るよ」というと、
ソファで真っ青になっていた、
フランス人のRくんが
「そうそうそう、そうだよ!
スグ直るよ、こんなの!
壁にかけ直せば水漏れもすぐ止まるよ!」
と叫んだ。
おまえか。
まあ、子供のしたこと。
何よりケガがなくて良かったと言い、
「キミはもう14歳。
わざわざご両親に言うことはしないけれど、
自分で話してちゃんと怒られなさい」
夫はそう言いながら、Rくんを送り届けた。
暖房の修理は、プロにお願いするしかない。
近所の自営配管工のおっちゃんにメッセージしたら、ホリデーで留守と返ってきた。
確かに、自宅前にポルシェがなかった。
イギリスの配管工は羽振りが良い。
彼らがポルシェにのり、海外ホリデーに行けるほど、この国での修理費は高いのである。
いったい、修理費はいくらかかるのか…
後日、私は夫よりも了見が狭いからして、
「ところで、Rはちゃんと親に話したのか」
と、息子に問いただした。
「うん、話したって。そしたら親に
『ごめんなさいってちゃんと言った?』
『ちゃんとゴメンを言えてえらいね』
って言われたんだって」
なんじゃそら。
心の底から「なんじゃそら」。
世も末である。
修理が終わったら、Rくんのお宅に「ごめんなさーい」ってにこやかに請求書を持っていく所存であります。