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4コマ劇場:入学式(1)
これは自分の国を持つための物語
入学式
勉強する気がなく、入った地元の高校。
東北にはまだ桜が咲かず。
「友達なんていらない」
ぽつりとつぶやき、校門をくぐる。
自分のクラスにすたすたと歩いていく。
同じ中学からきた人もいるがそのときの友達はここにはいない。
あいた時間をぽつんと、席に座って周りを眺める。
「このクラスの王は誰だろう」
第2話:入学式(2)
式が始まる。
クラスの構成はわかった。
次は学年の雰囲気。
並んでいる同学年を見回す。
髪の色、長さ、スカートの長さ、腰パンか、めがね、マスク、姿勢、目線。
「俺みたいなやつは」
ため息。
第3話:入学式(3)
入学式の帰り。
同じ中学中心に固まる新入生。
ぼっちなやつは誰で、これからぼっちでなくなる奴はだれ。
校門で一人で待っている女の子。
髪がどことなく明るく、スカートも短い。
誰かを待ってるのか。
「……俺のこと待ってくれてる?」
第10話 4月(7)
「ねえ、私と一緒に部活作らない?」
彼女は唐突にいった。
「部ってどんな部?」
「んー、生徒会を見返すことができるような……」
王がいる世界。
「帝国部」
第11話 4月(8)
で、それから何日か、集まるところのない僕たちは、校門でだべっている。
「帝国部とか、まとまりなさげな名前だよね」
いちおうそれで、ハルナも納得してたじゃないか。
「女帝の響きは、生徒会長の上いってるのは間違いない、かな!」
ふむ。
第12話 4月(9)
「そもそも、生徒会ってさ偉そうだよね。人気投票で選ばれたわけでもないのに」
「そこですか」
「そう。人気投票だったら、その学校の生徒会長っていわれても納得するじゃん」
「そうだねえ」
「だから、私だったらあいつは生徒会に入れても、トップにはしない!」
「そうだね」
「私の方がまだ人気あると思わない?」
「……そうだね」
第13話 4月(10)
校門そばでだべりながら、日が落ちていく。
ハルナが「じゃあ」というのが合図だ。
「じゃっ!」
「うん」
彼女は女帝になれるのだろうか。
彼女に背を向けて帰ろうとする。
「明日、帝国部、第一回の活動するから忘れないでね!」
第14回 4月(11)
クラスを見渡す。
そこには、所属が決まりつつあるクラスメートたち。
「王になりそうなやつは」
このクラスに君臨しそうなやつが何人かいる。
おれはそいつ等を退けて、王になれるだろうか。
「うちは、誰に認められなくても女帝のつもりだから」
ハルナはその日の開口一番そういい放った。