迷子の本の探し方
蔵書検索システムで、館内に蔵書されていると表示された本が棚に見当たらないことがある。カウンターの人に言うと、見てきますのでちょっと待ってください、と。しばらくすると本を片手に現れて、別の棚にありました、と言う。
別の棚?ちょっと待って、それって一体・・・
図書館の書架の本には決められた並べ方があるのをご存じだろうか?
大雑把にいえばジャンル別に分かれているのだが、その「ジャンル」はというと、多くの場合「日本十進分類法(NDC)」という分類の仕方を利用している。
この分類では、本をその内容によって0から9までの十種類に分け、またそれぞれを0から99までの種類に分けたもので、最初の十種類は次のように定義されている。
- 0類 総記
- 1類 哲学
- 2類 歴史・世界史・文化史
- 3類 社会科学
- 4類 自然科学
- 5類 技術・工学・工業
- 6類 産業
- 7類 芸術・美術
- 8類 言語
- 9類 文学
「9 文学」の中は、更に次のように細分化される。
- 900 文学
- 910 日本文学
- 920 中国文学
- 930 英米文学
- 940 ドイツ文学・その他のゲルマン文学
- 950 フランス文学・プロバンス文学
- 960 スペイン文学・ポルトガル文学
- 970 イタリア文学・その他のロマンス文学
- 980 ロシア・ソヴィエト文学・その他のスラブ文学
- 990 その他の諸言語文学
僕がよく利用する地元の市立図書館では、この分類に加えて、著者名のカタカナ1文字を使って、「933.7 オ」のような記号が本に振られていて、その順に従い、上から下へ、左から右へと、書架に並べられている。
だから、探している本が、たとえば、アイザック・アシモフのSF小説ならば、英米文学ー小説ー著者名ア、の棚を順に見ていけばよい。
ところが、だ。
どういう訳か、見当たらないケースがままある。
前に借りて返した人が分類上の正しい棚に戻さなかったのだろうけれど、こうなるとその本を見つけることは至難の業となる。
図書館のおばちゃんは、そんな至難の業をなんなくやってのける。
立て続けに二度同じことがあった時に、そのおばちゃんに聞いてみた。
「一体全体、本来の棚になかったこの本をどうやって見つけてくるんです?本の呼び寄せ魔法でも使えるんですか?」
「そうよ、ハーマイオニーみたいに、ね」
ちょっとあなた、ハーマイオニーはどうなの、どう見てもマクゴナガル先生、じゃありませんか
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