北海道美瑛町の本山農場さんから3キログラムのアスパラが届いて考えたこと
北海道美瑛町の本山農場さんから3キログラムのアスパラが届きました。
このアスパラたちは暴風で傷つき曲がってしまったもの。本来ならば規格外となり廃棄されてもおかしくないものだったそうです。でも本山さんがSNSで呼びかけてくれたおかげで捨てられることなく呼びかけに賛同してくれた人たちの食卓に届くことになりました。
ここには本山さんが常日頃から築いてきたお客さんとの信頼関係があったのではないかと思います。
それについてちょっと書いてみたいと思います。
本山さんのFacebookの投稿がこれ
本山さんが作っているラスノーブルと言う品種のアスパラは幻の品種と呼ばれていて、先端の色が紫色なのが特徴。とても柔らかく多品種と比べ糖度が高いのでとても甘く凝縮されたアスパラの香り、味が広がるとてもおいしい品種で、2008年の洞爺湖サミットの晩餐会でも出されたことがあるアスパラとして有名です。
ただ、柔らかいだけに風が吹いただけで曲がってしまい、穂先が開きやすく崩れやすいなど栽培が難しいため栽培されなくなり今では北海道美瑛町のみで作られています。
この呼びかけをを見たときに曲がったり傷がついたとは言え、味に問題のないラスノーブルが捨てられるなどありえないと思いすぐにメッセージを送って欲しいですと伝えました。
その後も呼びかけは拡散し無事にほとんどが出荷されることに。
届いた3キロのラスノーブル。キズなんてまったく気にならない。
連日続いた我が家のラスノーブル祭り。イチオシは濃厚な甘味とうまみをとじこめることのできる天ぷらかな。
僕はマルモのマークをデザインし、本山さんと何度も顔を合わせています。彼の真摯な人柄も農業生産に向き合うひたむきさもよく知っているので傷がついたラスノーブルを廃棄することの無念さはよくわかりました。
そこで感じたのは、傷物でお得な値段だから欲しい、と言うことではなく暴風と言う農業では避けられない自然の摂理により起きてしまった事実を前にして、これは何か支援しなければという想い。
でもその時ふと思ったのです。例えば傷ついたアスパラとしてスーパーの店頭に並んでいたとしたらどうでしょう。やはりそれは避けてきれいな方を選んでしまっただろうし、傷ついているなら安くしてよ、と考えたで自分がいるなあ、と。
買い支えなきゃとすぐに発想できたのは本山さんとの信頼関係があったからだと思います。
他にも購入した皆さんや、僕がfacebookに投稿したこの顛末を見て頼んでくれた僕のフォロワーの皆さんもそこには信頼関係の連鎖があったからではないでしょうか。
本山農場さんは大規模農業でそのほとんどは市場出荷されています。個別の直販は小さい規模でしかされてないと思いますが日頃からの農業に対する姿勢の発信や、自分たちの作っている農産物に対する誇り、そしてそれを象徴するMARUMO印の段ボール箱。そういういろいろな積み重ねが今回のような事態の場合にでもうまく作用したのだと思います。
イベントで農場の紹介をする本山さん。どこにでもこのツナギで。
まさにこの信頼関係はマルモブランドがしっかりと少しずつ構築され積み重なっている証なのではないかと思いました。
今後、農業にかかわらず売り手と顧客との信頼関係の構築はますます重要になります。オンライン、通販など対面以外での売り方はいままで以上に伸びてゆくでしょう。この分野ではブランド=信頼がより大事なものになってゆくことは間違いありません。
日頃からそれを念頭に活動や発信、イメージを積み重ねる必要がより求められていると言えます。
最後にFacebookにこのラスノーブルを購入したみなさんが、届いたよ報告投稿をアップされていたのですが、かなりの方がMARUMO印の段ボール箱を一緒に写真に撮ってあげてくれていたのが印象的でした。MARUMOのシンボルマークはその信頼の印として機能しているのだなあと感じ、うれしくなりました。
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