仏教にまつわる「へぇ~」な話:続編
「仏像にもランクがあるって知ってた?」では、仏教に関する「へぇ~」な話をお伝えすることを試みたのですが、仏教を学ばれていた方にとっては、新しいことはあまりなかったのでは、と反省しています。
そこで、今回は、もっと「へぇ~」と言って頂ける話をお届けしたいと思います。是非、「へぇ~」となることを願っています。
さて、今回の「へぇ~」は話は、「不」についてです。
日本語では、漢字の頭に「不・ふ」をつけることで否定の意味を成すことがあります。
「不足・ふそく」
「不安・ふあん」
「不運・ふうん」
そして、他にも色々と「不」が付くことで否定形になる言葉があります。
それが「ふしだら」
「ふしだら」の「ふ」は「不」ではないように思われますが、実は、「ふしだら」の「ふ」も、実は「不」なのです。
つまり、だらしのないことを表す、「ふしだら」は「しだら・したら」の否定を表しているのですね。
あなたはご存知でしたか?
では、「したら」はどのような意味か?
「したら」は、サンスクリット語「sutra」の音から「修多羅」という漢字が当てられ、それが訛って「したら」となったと言われています。
では、「修多羅・したら」の意味は?
「修多羅」は、さらに「修(しゅう)」と「多羅(たら)」に分解されます。
「多羅」は多羅樹(ヤシ科の常緑高木)の葉を表します。
実は、釈迦の教えは、口授口伝で伝えられていたのですが、釈迦が死んだ後、弟子達は、教えを文字で書き残そうとしました。
しかし、当時、紙は存在しません。
そこで、弟子達は、文字を書き残す道具として、多羅樹の葉を短冊状に切ったものを使ったのです。
そして、その釈迦の教えを書き留めた、たくさんの「多羅」を「修」という紐で纏めたのです。
つまり、「修」は、現代版のカードリングと言えます。
この結果、「修多羅」は、「まとまったもの」の意で使われるようになります。
もうおわかりですね。
「ふしだら・不修多羅」は、「修多羅」という、まとまっていることの否定形を表し
・だらしがないこと
・しまりのないこと
を意味するようになったのです。
如何でしょうか?
「へぇ~」と感嘆して頂けましたか?
ちなみに、「葉書」って、元々「葉に文字を書いていたから」ってご存知でしたか?
「へぇ~」な話、次回も続きます。