最後は「そろばん」…その意味は?
さて、「次は、『書く』というアウトプット」でお話しているように、今回、「読み・書き」と話題提供してきました。
この流れでは、当然、次は「そろばん」ですよね。
この「読み・書き・そろばん」は、以下のように説明されています。
読み:文字・文章を読むこと
書き:内容を理解して文章を書くこと
そろばん:計算すること
日本では、この「読み・書き・そろばん」が寺子屋教育から始まり、近代でも初等教育における基本的な教育内容として、身に付けるべき基礎的な能力・学力を指します。
ちなみに、英単語で表記すると以下のように、3語に共通する「R」を取って、「3R's」と呼ばれます。
読み:reading
書き:writing
計算:arithmetic
では、ここで、質問です。
なぜ、「読み・書き・そろばん」の順番なのでしょうか?
「語呂合わせがいい」という理由もあるでしょう。しかし、「順番には意味がある」と考えたいところです。
では、「読み・書き・そろばん」の順番にどのような意味があるのか?
それを読み解くのに、もう一度、「読み・書き・そろばん」の中身を整理したいと思います。ここでのポイントは、「そろばん」にあります。
何故、「そろばん(計算)」が初等教育で重要なのか?
つまり、初等教育における「そろばん(計算)」の意味とは?
「計算」とは、「加減乗除」と言われる「足す・引く・かける・割る」という、“一連のルールに基づいて”数字を扱うことです。
この“一連のルールに基づいて”という意味は、“論理的に”という意味。つまり、「計算」とは、“論理立てる思考”を身に付けることなのです。
よく、「理系の人間は理屈っぽい」という言葉を聞きます。
これは、「理系=計算が得意」と考えれば、「理屈っぽい=論理立てる習慣がある」と言い変えることができます。
すなわち、「そろばん(計算)」とは、単に「計算ができるようになる」ということを意味しているのではなく、「論理立てること」を指すのです。
それでは、「読み・書き・そろばん」の順番の意味について考えたいと思います。それは、以下ではないでしょうか。
まずは、読んで、インプットする。
そして、書いて、アウトプットする(記憶に定着させる・身に付ける)。
さらに、論理立て、考える
そして、これらを全て合わせることで、得た情報や経験を過去の記憶や体験などと関係付け、知識や経験を体系化する。
あなたも、インプットし、アウトプットするだけでなく、それらを関連付けることで、ご自身の知識・経験の体系化を心掛けてみて下さい。
是非、現代の「読み・書き・そろばん」を意識してください!