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組織で目標達成するために必要な前提とは?
2012年のロンドン五輪のバレーボール全日本女子を率い、ロサンゼルス五輪以来28年ぶりのメダルとなる銅メダルを獲得した眞鍋政義。
今回、真鍋氏の書籍から、経営や組織開発に共通するテーマを話題提供させて頂いています。
さて、真鍋氏がバレーボール全日本女子の監督に就任したのは2009年ですが、それは2008年の北京五輪の後、2012年のロンドン五輪で結果を残すための始まりでした。
つまり、2012年のロンドン五輪でメダルを獲ることことが、真鍋氏に課せられた課題であり、バレーボール全日本女子の明確な目標だったのです。
では、2009年から2012年の丸4年間で真鍋氏はどのようにチームを作り上げたのか?
真鍋氏は、毎年テーマを設けてチームに課したと言います。
2009年の1年目:世界を知る
2010年の2年目:同年開催の世界選手権でメダルを獲る
2011年の3年目:同年開催のワールド杯で3位以内に入る
人は自分が想像した通りに行動します。
つまり、「できそう」と思ったことは、大抵、できます。
たとえ、できなくても、自らが「できそう」と思ったことは「なんとか、できないか」と思考と行動が伴うのです。
一方で、「できない」と思ったことは、できません。
傍から見て「もうちょっとでできるのに」と思っても、本人は「できない」理由を挙げて、できないように行動します。
目標設定の重要性は、至る所で指摘されていますが、大切な要素の一つが、本人が「実現可能」と思えるかどうか。
その点で、先の目標は、真鍋氏が考え抜いた絶妙な内容でした。
具体的には、2010年、2011年と数値目標を掲げているものの(メダルは3位以内)、2009年の1年目には数値目標を掲げなかったこと。
どういうことか?
仮に、2009年の監督就任時に「ロンドン五輪でメダルを獲る!」と真鍋氏が熱く語ったとしても、メンバーが「ほんとに獲れるの?」「そんなの無理じゃない?」と白けては元も子もありません。
徐々に「本当に自分たちはメダルが獲れる!」とその気にさせる必要があります。
そして、この言葉の頭には「この監督に付いていけば」という枕詞が必要です。
つまり、2009年の1年目は、監督と選手の信頼関係を築くことを含めた目標設定としていたのです。
目標設定は大事です。
その目標は、現実可能な内容とし、数値化することも大事です。
でも、組織として目標を達成するためには組織メンバーの協力が必要です。
そして、その組織メンバーの協力を得るには信頼関係があってこそです。
アメリカの経営学者であるチェスターバーナードが、著書『経営者の役割』で記した組織の3要素は、
・共通目的
・協働意欲(貢献意欲)
・コミュニケーション
あなたの会社では、社員一丸となれる目標を掲げていますか?
そして、その目標を共に達成しようとお互いに協力する体制ですか?
そのための信頼関係を築くコミュニケーションは十分に取れていますか?
今一度、社内で“本当に”必要な活動内容を見直してみて下さい。
ちなみに、2011年の3年目:同年開催の「ワールド杯で3位以内に入る」
という目標は、ワールド杯で3位以内に入れば、翌年の五輪でメダルを獲る確率が80%である、という過去データに基づいた目標設定だったとのこと。
真鍋氏は、目標設定でもデータを活用されていたのですね。スゴイの一言です。