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製造工場はオフィスなのか?

本日はこちら。

上記テーマ投稿の中で、カゴメさんの話が日経の記事で出てきますが、この記事で「工場や製造部門を除く」と書かれています。僕はつい反応してしまいます。

さて、今回は製造業にとってのオフィスを考えたいと思います。

そうなんです、いきなり解かねばならい問題があります。それは工場はオフィスなのか?ということです。全国の営業所そして本社ビルはいわゆるザ・オフィスなところが多いと思います。しかし、工場は微妙に趣が異なります。

もちろん生産工程そのものはオフィスとは言わないでしょう。しかし、生産工程の横の開発棟や技術部みたいなところは明らかに中身はオフィスです。もう少し正確に言えば、そこでの仕事はデスクワークであり、オフィスワーカーがいる所です。

じゃぁ、開発棟はオフィスと定義していいじゃねぇかと言われればそうなのですが、通常のオフィスとは決定的に違うバックグランドがあります。それはオフィスとしての家賃です。

具体的な金額は書けませんが、工場併設のオフィスの家賃は、都心や地方都市のテナントビルの家賃と比べ物にならないほど安いです。その上、工場資産として食堂が併設されていたり、工程員というマスを使った購買力も借りることが可能です(もちろん工場の多くは地方にあったりしますので、工場である以前に立地として安いということも言えます)。

それに社外との交流という観点では立地が不利になることはあっても、社内での交流に不便することはありません。そして、例えば開発や製造部門にとってみれば、工場、生産工程に併設されている職場は、よっぽど現場主義・現物主義を体現できる環境とも言えます。

したがって、工場併設のあの場所をオフィスと呼んでいいのなら、コストパフォーマンスが極めて高いオフィスだと言えます。家賃が安く部署の予算が厳しくてもオフィスを継続しやすい、食事やら資材やらも安く手に入る、現場から近い、何なら社員みんな家からも近い、仲間との交流は密に行える・・・メリットは多数です。

さて、命の問題で言えば特に都市部での在宅勤務は極めて重要でしたが、生産性という観点で見た場合にはどうでしょうか?表現を変えるとオフィスと在宅では費用対効果はどちらが良いのか?もっと嫌な言い方をすると、例えば社員が多少疲れようとも、コロナに罹ろうとも、出勤させた方が売上が上がるならオフィスは必要なのかもしれません、社員の満足度は良くないとしても。

その観点で言えば、工場併設のオフィスはコスパ最高です。おそらく、働かせる方も働く方も工場で仕事した方がメリットありますので、オフィスはあった方がいいです。

では、例えば東京や地方の都市部にいる営業と地方の工場の開発とが、次期製品の企画会議をする場合にはどうするか?つまり多部署、多拠点でのコミュニケーションの場合です。

僕はこれはテレビ会議で乗り切れるのではないかと思っています。例えば本社が日本の会社の場合、海外に販社を持っているわけですが、彼ら海外販社はたまに日本に訪れることはあっても、本社とのコミュニケーションは遠隔が基本のはずです。国内営業においても同様に行えなくては本来は理屈に合いません。むしろ、時差がない分だけラッキーです。

とは言え、当面は、営業や企画はどうしても困ったら工場集合でいいのではないでしょうか?在宅や最小限度のシェアオフィスを契約して、既存のテナントビルは引き払う。そうしてたまに工場で集まるだけの交通費は十分に捻出できるように思います。

ただ、工場の決定的に悪いところは同質性の圧力があることは覚えておいてもいいかもしれません。多様性(ダイバーシティ)とは真逆の圧力です。僕はもともと東京にオフィスがあり今は在宅勤務をしていますが、工場の論理に困ることもあります。工場は9時〜17時半で稼働するという常識があったりします。すると僕がが働く予定のない時間に会議が設定されるリスクや、直接会うことが大前提なスタンスの場合もあったりします(17時から工場A会議室で会議ね、とか当たり前に言われてもねぇ、皆さんは工場勤務だからいいけど、僕は家に帰り着くの何時だよそれ、となります)。

同質性は瞬間的には組織全体の効率性を引き上げることはできたとしても、長期的に社員を惹きつけておく力はないので結果的に競争力を失うように思います。効率性やコスパの良さが、(長期的に)どんな犠牲を生むかを常に考え、多様性を重んじた仕組みを同時に作っていく必要があります。

最近、在宅勤務ばかりではなく、オフィスが必要、出勤が必要というお話も出てきますし、上記の通り、あった方がいい場合はあると思います。

ただ、特に直接会ってコミュニケーションを密にしたいという趣旨が多いように思いますが、そうした考えは、自己満足にならないかは経営者や管理職は特に十分に注意が必要だと思います。久々に同調圧力をかけて引き締めたいとか、自分が安心したいとかちょっとでも思っていたりしたら、その人は誰かと会わない方がマシです。

飲み会もそうです。あなたの部下や社員が「あなたと飲まずに済んでるから、快適な日々を過ごしている」と思ってるとしたら、飲み会はやらない方がいいです。飲み会の誘いこそ、断りにくい同調圧力の典型です。誰もあなたの励ましもアドバイスも望んでいないかもしれない可能性があるのではないか?と冷静に考える部分があってもいいように思います。

ということでまた。

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