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写真ストーリー

明後日から学校です。この記事では、ピンタレストから拾ってきた画像から想像をめぐらし、すぐにストーリーを考え、なるべく「最後まで」、なるべく「繊細に」書く試みです。つまりは、書き終えるための練習です。タイピング練習も兼ねています。それでは今日は暗いくらーい物語を。




 良治・・・彼は葬儀の連絡を受けて本家へ戻りました。横山家の本家は宮城県の奥まった地域に、大きな山や深い森を背に立っていました。死んだのは良治の祖父でした。祖父はずっと同じところにある横山家の本家から北へ数キロのところに白壁の洋風建築をこさえ、五歳下の妻と静かに暮らしていました。祖父は至極人付き合いの苦手な人で、まわりの学校から子供が帰ってきて、彼の洋館の前を過ぎていくときに挨拶などすることがあっても、けっしてそれに応えようとはせず、重い扉の影の中に身を隠し、子供たちが飽きて通り過ぎてしまうのをこわばった顔で待っていたりしました。その子供たちと良治が同い年くらいだったころに、良治はそんな空恐ろしい祖父の姿を見て、祖父にどうして隠れているのと聞いてみたことがありました。すっかり扉を閉ざして居間へ向かおうとする祖父は、良治を見下ろし、またすぐ目をそらして彼の頭の天辺を撫でました。いつも着ている黒い服の袖が当たって、良治はくすぐったく思いました。良治もまた、この家に来ると真っ黒な服を着せられるのでした。この土地に似合うんだよ、と一度祖父が教え諭してくれたのを、良治ははじけるような楽しい記憶として覚えています。それほど祖父は秘密主義者の寡黙な人だったのでした。

(書きかけ)

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