パンダちゃん

19さい 好きな食べ物は牛タン・好きなYouTubeは板橋ハウス・好きな人はクール…

パンダちゃん

19さい 好きな食べ物は牛タン・好きなYouTubeは板橋ハウス・好きな人はクールな物知り

最近の記事

写真ストーリー

明後日から学校です。この記事では、ピンタレストから拾ってきた画像から想像をめぐらし、すぐにストーリーを考え、なるべく「最後まで」、なるべく「繊細に」書く試みです。つまりは、書き終えるための練習です。タイピング練習も兼ねています。それでは今日は暗いくらーい物語を。 棺  良治・・・彼は葬儀の連絡を受けて本家へ戻りました。横山家の本家は宮城県の奥まった地域に、大きな山や深い森を背に立っていました。死んだのは良治の祖父でした。祖父はずっと同じところにある横山家の本家から北へ数キ

    • エセ昔話ショート「はなみず」

      男は年がら年中鼻水を啜っていた。彼は仕事の日毎にティッシュの箱を四個携えて家を出た。 そんな彼がある日、猛烈な鼻水の流れを自覚した。毎日滝のように流れはする。それは当然なのだが、その日は異常としか言いようがなかった。どこから湧いて出てくるんだ?!  体中の水が抜けてしまうよ、と切羽詰まった眼で周りに助けを求めたが、大通りを歩く者は誰一人として立ち止まろうとしなかった。 「誰か!」 男は叫びながら口元を抑え、何かを吐き出す人のように苦しげに蹲って泣き出した。涙も異常なまでに

      • ショートショート作品「ゆびわ」

        怖いやつをやりたい。 ゆびわ 祖母が他界して半年。今日、祖父が他界。なるほどね。さとる君、だから怖い顔をしているんだよね。何を怖がっているか言わなくてもわかるからね。ほら、おじいちゃんよ。最後のお別れ。 はい、にぎにぎしてね。手。そう。にぎにぎ。 あら、指輪。気付かなかったわ! 一度外しておきましょう。つけたまんま火葬なんてしていいのかしらね? あなた。もしいいなら、またあとでつけたらいいわね。そうね。そうしましょ。 「おかーさん」 なにかしら。さとる君、その箱、ど

        • ショート作品「うみがめ」

          「罪と罰」は読み終えました。夏休みが終わっちまいます。くそったれ。イラついてきたので二つめを書いてストレス発散します。さっきのと同様、写真を引っ張ってきて空想を膨らませて書きます。今回のはなんか自販機の画像です。かよってる大学のある地域をイメージして書きました。 雨が上がって、あくびが出て・・・死のうと思った夕方にも、相変わらず欠伸が出るものかとビックリした。不思議な肉体だ。あ、私は退屈なのだな。前にもよく思い浮かべた。私が嫌な気分になるのは暇な時だ、休息に使うべき貴重な時

        写真ストーリー

          ショート作品「蜂起」

          写真をピンタレストから持ってきて、イメージを膨らまして書きました。今回は建築家カーンの作品の写真です。夏休みがもうちょっとで終わっちゃうので、「罪と罰」を爆速で読み切ろうとしていますが、疲れたので気分転換です。「バリ山行」「みどりいせき」「列」「しをかくうま」などをパンダちゃんは最近読みました。 「このお茶だけどよ、お前全部取れよ。俺いらねえよ」 「俺もいらねえ」 「俺だっていらねえ」 黒色の作業服の工員たちが大勢集まって、三本のお茶の入ったポリ袋を囲んでうなだれている。黄

          ショート作品「蜂起」

          手記(のろいのことばについて)

          「高橋君はね、えっとね、難しい漢字を使おうとしているよね」 と、国語の先生が高橋君の横で言うのに耳を傾けておりました。高橋君はパンダちゃんの二つ前の席で、しかも国語の先生は前から順に生徒の作文の癖を指摘して回っていたものですから、ヤバいと思いました。「いいんだけどね、さいきん”躊躇”にはまっているでしょ。”躊躇う”もはまっているね。」高橋君が悲しい顔で先生を見上げている気配がします。最悪です。高橋君はいいひとなのに先生にそんなことを言われるのです。人の癖を指摘するということが

          手記(のろいのことばについて)

          noteを、落書き用の便所だと思っていました。ごめんなさい。SNSだったんですね。SNSとして使って行くことにします。 今日からかっこいい記事やうつくしい記事を書いている人をばんばんフォローさせていただこうと思います あと同世代人の声をたくさん聴きたいです よろです

          noteを、落書き用の便所だと思っていました。ごめんなさい。SNSだったんですね。SNSとして使って行くことにします。 今日からかっこいい記事やうつくしい記事を書いている人をばんばんフォローさせていただこうと思います あと同世代人の声をたくさん聴きたいです よろです

          カミュ『ペスト』を読んだパンダちゃんの感想

          コロナ期にめちゃ売れていましたね この本は『ペスト』です アルベール・カミュの作で、アルジェリアのオラン市で黒死病が伝染しいわゆるロックダウンが起こったという物語です この出来事自体はカミュの創作で、一般の解釈では「ペスト」=ナチスドイツの侵略の喩えであるといわれています パンダちゃんが読んだのは晦渋な宮崎嶺雄訳でした  450ぺーじくらいありました 中退した某大学のサークル棟の本棚からパクってきた本のうちのひとつで、チマチマよみました。 でもさいごはハマって200ペー

          カミュ『ペスト』を読んだパンダちゃんの感想

          とうもろこし畑は邪悪です

          とうもろこし畑は邪悪です。 そのことに早く気付いてください。 ①隠れやすすぎ同じ形がいくつも連なっていると、目が泳ぎます。 いっぱい同じひらがながある中から似てる紛い物を探し出すゲームみたいに。 それゆえ 悪い奴がとうもろこし畑を見たら飛び込むに違いないのです。 悪い奴は飛び込んでいって道ゆく人をとうもろこしの間から見て、 あいつは殴りやすそうだ あいつは蹴りやすそうだ あいつは二の腕をつねるといい泣き顔をするな あいつはほっとこう、タイプじゃない なんて考え

          とうもろこし畑は邪悪です

          三島由紀夫と緑色の蛇

          ヘンリー・スコット・ストークスによる「三島由紀夫 生と死」に、三島が晩年「緑色の蛇」という言葉をよく口にし、それにうなされていると嘆いていた時期があったと書いてあります。この部分について、マルグリット・ユルスナール「三島あるいは空虚のビジョン」にくわしく載ってあるというので大学図書館で調べてみたのですが、大したことは書いてありませんでした。アダムとイブの話から繋がる西洋的なヘビの悪魔的印象・邪神的印象にサラリと触れるだけでした。今回はこの「緑色の蛇」とは何か、私がしばらく考え

          三島由紀夫と緑色の蛇

          三島由紀夫『煙草』(再)

          新潮文庫『真夏の死』7-27p. 収録 初出・昭和21年6月『人間』 高温多湿なエキゾチズムのようなのを、三島由紀夫の作品を読んでいると時折感じます。なにより暁の寺のタイの章で感じますが、この短編でも強く感じます。どこか南の国、その雨季の、いやらしいジメジメ、鬱陶しいジメジメです。そのジメジメは土の中の芋虫を太らせキノコをふやし人を倦ませます。そんな空気感を端的に言い換えたのが、「たばこ🚬」であると思います。 「わたしはそれを吸った。さっきの沼の匂いに似たそれと香わしい

          三島由紀夫『煙草』(再)

          三島由紀夫『煙草』

          川端康成の賞賛を受けた、二十代の三島由紀夫の短編です。新潮の『真夏の死』の最初に収録されています。 本作の冒頭には幼年(少年)→大人への「出帆」についての章がある。可能性に溢れた幼年期のひとが、成功とか、獲得とかを経て大人になるけれど、その移行は不可逆に進んで、また世間は彼が「新たに生まれる」ことに大して興味がない。 「新たに生まれる」こと。三島由紀夫は遺作『豊饒の海』最終巻『天人五衰』の創作ノートに、本作で用いたのと同じ言葉でそのラストーー実際は使われなかったラストを表

          三島由紀夫『煙草』