面白かった心理本 "The (Honest) Truth About Dishonesty"
今回は日本語に翻訳されていないのですが、とても興味深かった英語の本をご紹介します。
"The (Honest) Truth About Dishonesty" by Dan Ariely
直訳すると、「ズルの真実」です。
人は自分はズルをしない正直な人間だと思いたがる生物です。
しかし、実際はズルをしない人なんて存在しません。自分は正直者だと思っている人も、それは自分の中にある「正直の基準」で測っているだけで、その基準から大幅に外れてしまわない範囲内で人はズルをしている…という内容です。
会社の備品を私用で使ったり、スーパーにおいてある割箸を多めに持って帰ったり、できる限り経費で落とそうとしたりしていませんか?
本に出てくる具体例を紹介します。
テストを受けて、その正答率に応じて報酬(お金)がもらえます。そこにもしカンニングするチャンスがあって、しかもカンニングが100%バレないとしたら、あなたはどうしますか?どれくらいカンニングしますか?
これは実際に作者であるAriely氏が行った実験で、この実験結果を基に本は進みます。
そしてこの実験結果を言うと、カンニングする人は増えます
ただ、バレないと分かっていても、100点満点で提出する人は一人もいません。何度実験をしても、みんな数問はあえて間違えて提出するのです。
自分に置き換えて考えてみても、確かに一度は自力で解くけど、すごく迷った問題の答えは、カンニングして正解に変えると思います😅そして、確かにいくらお金が欲しくても、全問正解では絶対に出さないでしょうね
ではなぜ全問正解にしないのか?
それはなんとなく想像がつきますよね。罪悪感であったり、自分だけ満点だったら怪しまれないだろうか…などといった不安などからです。
ではどのような条件下だったらズルをする確率が上がると思いますか?
この答えにたどり着くために、本を通して様々な実験が紹介されます。
もちろんすべてを書くわけにいかないので、ここで一つだけ私が特に興味深いなぁっと思ったものを記しておきますね。
なんと…人はパチモン(偽物)を身に着けているとズルをしやすくなるそうです😟
意外ではないですか?私はびっくりしました。
実験結果によると、本物の高級ブランド品を身に着けている人よりも、わかっていながら偽物を身に着けている人の方がズルをしやすいそうです。
なぜなら、偽物を身に着けている時点で、ズルすることに対する抵抗が低くなるからです。
「本物を身に着けているフリをしている」=「本物だと周りと自分をだましている」という風に脳は解釈し、さらなる不正行為をすることへのハードルが下がってしまうそうです🤦🏻♀️
私の説明では納得いかない人はいると思いますので、納得するためにはぜひ詳細を本でご確認ください!他にも「ズル」にまつわる実験がたくさんされていて、どれも興味深いものばかりです。
ストレスが多い人のほうがズルするのはなぜ?
現金よりも商品券やクーポンを使うときの方がズルをするのはなぜ?
ズルを減らすにはどうしたらいいの?
作者自身の研究や実験を基に書かれており、わかりやすいし読みやすいです。
ただ個人的には、このような本は「へぇおもしろ」という程度で読み、完全に結果を信じ込みはしないです。面白い雑学という感じで受け止めます笑
雑学が好きな人、英語の本が読みたい人はぜひ!