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イチイチニーゴー(おもしろ編)
友の結婚式によせて
いやー、自分の友人の結婚式に
小松政夫と大木凡人が来るとは
思わなかったなぁ〜。
結婚式が苦手だ。
いや、結婚式に限らず、
人の感情がたくさん集まる場所全般が
苦手というべきか。
私はどうにも、
たくさんの人が集まっていて
なんらかの感情が
たくさん渦巻いている場所に行くと、
感情あたり(そんな言葉あるのかしら)
してしまう(単に涙もろい、ともいう)
ためにそういった機会は極力避けて、
人付き合いの悪いやつの称号を
欲しいままにしてきたのである。
そんな私でも、これまで
片手で数えられるだけの結婚式には
参列したことがあり、
今回の出席は記念すべき小指回となった。
新婦が中学の同級生で、
再会を含め、様々な偶然が重なって重なって、
この結婚式には参加せねばなるまい!
と自分の意思でいくことを決めたのである。
あら珍しい。
入籍自体は前年の初夏に済ませて
すでに一緒に住んでいるとは
聞いていたのだが、
旦那さんの職場でもある結婚式場が、
ウェディングの受付を
今年で一旦取りやめるとのことで
急遽、最後のカップルとして
職場の方達から是非に、とお話があったらしい。
そのため、通常、◯クシィという
分厚い結婚情報誌やら、数少ない
友人の話などから推察するに
「準備に半年〜1年はかけるのが普通!」
(普通て何)らしい準備期間は、
1か月と少ししかなかった。
まあ、多分、招待する客に対しての準備
という事もあるのだろうが、
大方、新婦が綺麗に当日を迎えるべく
各所を磨くために必要な期間
という意味あいもあるのでしょうね。
新郎は、パティシエという仕事柄、
自分の結婚式のことよりも
(というか並行して)
他人の結婚式の面倒も
見ないといけないのである。
しかしプロなので、
人のウェディングケーキを作りつつ、
自分達のケーキと、披露宴で出すデザート、
果ては引き菓子までを全て自分で作る!と
決めてしまったらしい……。ひえ〜。
式場は麻布十番の坂の上にあり、
7cmくらいあるヒールを履いておきながら
歩いて坂を上ろうと決めた自分を呪う。
周囲にいろいろな大使館がある
エリアなのですね。
麻布十番、初めて降り立ったな。
私は、もう一人の中学時の同級生と
受付を仰せつかっていたので、
少々早めに到着する。
これまた久しぶりすぎる彼女との再会。
私から見たらあまり変わってないな、
と思ったけど向こうは最初
全く気付いていなかったらしい。
それっていいのか、悪いのか。
教会内部はゴシックでステンドグラスが美しい。
内部の写真はNGだったので残念でしたが、
賛美歌の伴奏で
オルガンとチェロ(私の大好きな!)が
生演奏で聴けてうっとり。
しかし、先に入ってきた新郎が
左手をぐっと握りしめ、
そこに決意のようなものを見た時に
「あ、まずいぞ」と思った。
その後新婦が
ベールを被って入場してきた時点で、
私は隣の友人に
「ああ、だめだ、もう無理だ……」と告げて、
新婦を直視できない。
式が始まってまだ1分も経っていない。
あまりにも早すぎる鼻水の洪水。
そんな自分がダサすぎるので、
周りを観察して気をそらし、
涙腺を押しとどめる作戦に出る。
男性1名、女性2名の聖歌隊は男性が最も年上で、
申し訳ないが、小松政夫にしか見えない。
聖歌隊のグレーのガウンを着ている小松政夫。
そしてなぜだろう。
外国人の神父さんが
日本語で誓いの言葉を促したり、
列席者に賛美歌を歌ってください
と呼びかけていると、
どうしてもコントにしか見えない。
英語で話し始めると「
ああ、神父さんなのね」と安心するので、
ぜひみなさん、全編英語でやって頂きたい。
新郎・新婦が入ってくる前に、
列席者に大きな式の流れを説明してくれ、
神父さんが「アーメン」と言ったら、
みんなで「アーメン」と言って下さいという。
しかし、神父さんの声が
体格に似合わず割と小声で
壇上からだとあまりこちらまで届かず、
「今?今もアーメンて言うべき?」
と迷って言いよどんでいると、
小松政夫が「アーーーメン!」
と大きめの声を張り上げてくれるので
「ああ、言っていいタイミングなのね」と
漸くわかるという流れ。
フラワーシャワーで
新郎・新婦を送り出しながら
「今度は披露宴会場の受付ね」
と自分の次の仕事を考えていると、
いきなり会場の人から
衆人環視で名前を呼ばれる。
事前に「ブーケトスとか、ほんとにやめてね。
私は参加しないからね!」と宣言したせいか、
我が心優しい友人は
「渡したい人に直接渡す」という
鬼のような方式をとることにしたらしい。
しかも、もらった後に
会場の映像係の人に
コメントまで求められる始末。
覚えておれよ友人め。
私の苦手なもの、それはアドリブ。
披露宴に移ると、
今度は司会として大木凡人がいた。
新郎の職場の方らしいので
あまり言っちゃいけないかしら?
と思っていたのだが、新郎ご本人が
同じことを言っていたそうなので、解禁します。
従来は司会ご担当ではないらしいのですが、
新郎新婦が堅苦しくない、
和やかな会にしたいと思って
お願いしたとのこと。
ところどころ笑いが起こったり、
「え?何ですと?」となる場面があったりして、
四角四面でない披露宴になったような
気がするので狙い通りだったのであろう。
最後の方に、
本業である女性司会者も
飛び入りで参加して下さって、
「何にせよ、プロというのは素晴らしき哉」
と感心してしまった。
新郎の高校時代からのお友達の
工具を使った余興あり、
新郎のお兄さんの奥さん&お子さんの
ピアノとバイオリンの演奏あり、
職場の方のサプライズ映像あり、
写真を撮るたびに
必ずピースサインを強要してくる
カメラマンの女性あり。
和気藹々、
和やかで笑顔溢れる
盛りだくさんの宴でありました。
結婚式、というと
「今まで育ててくれてありがとうございます。
じーーん」←ほら泣け泣け
みたいなお涙頂戴の
両親への手紙演出もあって、
それも私は非常に苦手なのですが、
友人の身内びいきということを抜きにしても
今回のそれは素直にじーーんに浸れた、
いい意味で「狙ってない」素朴な手紙だった
なぁと思った。
そしてそして、新郎が何日も家に帰らず、
その技術と気力と精神力と何より
我が友人への愛とで貫いた、
ウェディングケーキ+デザート+引き菓子も、
出席したお客さんを
「楽しませたい」「喜ばせたい」
「いい思い出を一緒にシェアしたい」
という気持ちにあふれていた。
(トップ写真がその時のウェディングケーキ)
私は食いしん坊なので、
お料理がどれも美味しかったのも
嬉しかったなぁ。
海苔が練りこまれていたパンと、
伊勢海老のグリルの下に敷かれていた
パスタの固さが特に好きでした。
そうそう、一緒に受付をやった同級生が
牛フィレ肉のグリル
赤ワインソースが出てきた時に、
「おお、なにこれ。
このお肉、もう切れてるんだー」
と言い放った。
あの、それ、
牛肉の上に乗ってる
フォアグラなんですけど……。
大事な友の結婚式を
おちゃらけた気持ちだけで
見ていた訳ではない!
と声を大にして言いたいために、
【イチイチニーゴー】(お祝い編)
も近日中に(できれば平成のうちに)
公開予定です〜。
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![菅野みゆき (2024年11月 salamanderから変更しました)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/161467913/profile_7e781c955a7a49f60607f9bb9d842df7.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)