ワーホリを終えて再就職する話③(バリスタトレーニングに通い詰める)
こんにちは、拓也です。
今回は2023年7月に入国してから、2024年2月頃までのお話です。
前回までのお話はこちら。①、②
前回記事でも触れた通り、大前提として私は、渡航前から自分が将来どうなりたいか、理想の自分になるためにメルボルンで何をすべきかを明確化していました。
キャリアを通してやりたいこと → ”コーヒーで、日本と海外を繋げる”
そのための手段、場所 → 生豆商社、コーヒー機器商社、メーカー
ただ、私は学生時代にカフェで働いた経験もなければ、コーヒーの専門的な知識も全くありませんでした。その知識と経験のなさを埋めるために、私はワーホリという手段を選びました。
では、具体的にどうやって知識と経験を獲得しに行ったのか。
今回はその前半について書いていこうと思います。
バリスタトレーニングに通い詰める
実はメルボルンに到着してしばらく、かなり余裕をぶっこいていました。
学生時代1年弱カナダにワーホリに行った経験もある、直近2年で海外駐在も経験した。10人もいない小さな組織でしたがブランチマネージャーとして組織をまとめた経験も自分を天狗にするには十分でした。
「バリスタなんて余裕だろう」と。
しかしそれは大きな間違いで、仕事探しを始めてすぐに痛感します。
仕事が全く見つからない。なんなら面接やトライアルにも進めない。
原因は単純。バリスタ経験がないからでした。
メルボルンは世界中からコーヒーに熱意のある人が集まる街で、当然バリスタの仕事を探している人もごまんといます。その内訳のほとんどの人がバリスタ経験者。中には各国の大会で優秀な成績を収めている人もいます。
経験はない、かといって職に就かないと経験を積めない。
鶏と卵のパラドックスに陥った私は、メルボルン到着からちょうど1ヶ月が経とうとしていた頃、バリスタスクールに行くことに決めました。
ここから実際に通ったバリスタスクールを紹介します。
Melbourne Coffee Academy
まず初めに行ったのが、Melbourne Coffee Academy。
ここは本当に行ってよかった。このスクールに行かなければメルボルン生活がここまでうまく行くことはなかったと思います。
実際に受けたコースは ”Barista Apprenticeship Package”。
2週間で計5日通うコースで、金額はA$ 1,040。
もし未経験からバリスタになりたい方がいるなら間違いなくここをお勧めします。
個人的によかった点は下記。
エスプレッソマシンの基本的な取り扱い
エスプレッソの抽出
ミルクスチーム
ラテアートの基礎
クローズ後の清掃
実践的なワークフロー
コースは3人1組で固定
1. ティル(レジ)、2. ショット(エスプレッソの抽出)、3. ミルク(スチーム、注ぎ、サーブ)に1人ずつ別れて各1時間交代で実践練習。
同じビルのオフィスで働いてる人たちが、本当のお客様としてコーヒーをオーダーしてくる。
1時間50杯ほどサーブ。1日3時間営業。
最後のクローズ(清掃、片付け)まで自分たちで行う。
コースが始まる時間もメルボルンのカフェと同じ(超朝早い)
英語環境
トレーナーはネイティブ、お客さんもネイティブ
トレーナーもお客さんも、非ネイティブの受講生に慣れているのでゆっくり話してくれる。
接客英語やコーヒーに関する知識も英語で学べるので、トライアルや実際に働くときにすんなり適応できる。
またレジュメの添削や、仕事の探しの相談もフリーで受けてくれる。
在籍しているトレーナーが全員、メルボルンコーヒー界隈の人脈がめちゃくちゃ広いので、熱意があれば有名なカフェのマネージャーを紹介してくれることも。
あえてデメリットを挙げるなら、場所が遠いので、CBDから朝5時台の電車に乗るかUberを使う必要があります。(でもどっちみちメルボルンでバリスタの仕事に就けば、毎日それぐらいの時間に家出ることになりますけどね…)
トレーナーのJustinとCharlesがいい人すぎて、もっとこの人たちから学びたい…!!となり、追加で ”Intermediate Barista Package” (ラテアート、アドバンスドエスプレッソ、フィルターコーヒー)も受けました。もし中身について詳しく知りたい方がいればコメントください。
Axil Coffee
トライアルの数をこなしていく中で、ある程度ラテアートができないとまずいと感じ始めていた私は、単発で開催されているラテアートコースを探しました。
ちょうど受けたい時期にスケジュールがあったのでメルボルンの大手カフェAxilの ”Latte Art Standards” を受けました。
ここは1日2.5時間でA$ 150と気軽に受けることができるので、ラテアートだけ自信がない方にお勧めです。
主な内容としては、
ミルクスチームのコツ
適正な泡の量
適正な温度
どうやって上記2つを作るのか
ミルクスプリット(2杯分の泡を1杯ずつに分ける方法)
ラテアートの書き方
ハート、チューリップ、ロゼッタ
エスプレッソとミルクをうまく混ぜる方法
このコースで教えてもらったことができればトライアルに受かるには十分だと思います。
Market Lane Coffee
最後にバリスタの仕事に就くために必須ではないですが、バリスタという”コーヒーのプロ”になるうえで受けた方がいいなと思うコースを紹介します。
1回A$ 10で受けれるMarket LaneのCuppingです。コーヒーのテイスティングについて学べるコースで、本当に初心者でも気兼ねなく参加できます。
実際に6種類テイスティングして、それぞれどう思ったか、トレーナーと参加者同士で意見をシェアします。
頻繁に開催されており、味の取り方、表現の仕方もアドバイスをもらえるので、カッピングに参加したことない方はぜひ参加して見てください。
おわりに
これはあくまで私個人の思いですが、バリスタになる以上、美味しいコーヒーとはなんなのか、これを常に追い求めて欲しいなと思います。
”なりたかったバリスタの仕事をゲットできた!” で、終わらずに。
バリスタになってからが本番だと思います。
お客さんに美味しいコーヒーを届けるために、バリスタが、焙煎士が、インポーターが、エクスポーターが、プロデューサーが、農家の人たちが、世界中の多くの人たちがバトンを繋いで、ようやく1杯のコーヒーとしてあなたに届いています。
バリスタはそのバトンをつなぐ最終走者、アンカーです。
コーヒーはビールやジュースと違って、バリスタが抽出して完成する飲み物です。つまりバリスタが下手な抽出をすれば不味くなり、ポテンシャルを最大限引き出す抽出をすれば感動的な最高に美味しい1杯にもなります。
豆のポテンシャルを引き出すためには、正しい知識と抽出技術が必要です。
バリスタになりたてでいきなりやれとは言いません。ただ、無理のない範囲で構いませんので、自分が扱ってるプロダクトに興味を持って接して欲しいです。
私もバリスタとしては1年足らずで引退しましたが、これからも美味しいコーヒーを追及していきたいと思っています。
今回はバリスタトレーニングに関するお話でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは、また。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?