バトル・ロワイアルの映画
ネトフリにあったから「バトル・ロワイアル」を観てみた。
純粋にパニックホラーとして雰囲気やスリルを楽しむことは全くできなくて、終始「ヤクザ映画のエッセンスだ!」「杉村とか琴弾みたいな子も授業ボイコットするんだ……」「ラストのキタノ、蜂の巣にされたにしては元気すぎだろ」「ラストのキタノ、オブリビオンで毒スリ渡された人みたいな死に方だな」みたくメタ的な視点でしかあれなかった。
でもそれは私が大人になったからとかそういう理由じゃなくて、
「それまでバスで楽しそうに騒いでた中学生のクラスメイトたちが突然拉致られて訳もわからないまま殺し合わされる」「大人が子供を恐怖で支配する」
等のシチュエーションがあまりにもショッキングすぎて、正直に飲み込んでしまうと多分狂ってしまうので無意識に防衛線を張りまくって自分を守っていたんじゃないかと思う。
バックグラウンドのショッキングさと、絵面や演出に感じる安っぽさはまた別物で、演出が安っぽいからってストーリーの不快感を打ち消せる訳じゃないんだなという気づきがあった。
ストーリーに関してはそんな感じで終始冷ややかにしか観れなかったけど、桐山の「残念!防弾チョッキでしたー!」のシーンはめちゃくちゃ好きだったというかツボに入った。役者やってる時の自分がよく言われてた「目に光が入ってるのに怖い」ってこういうことか〜!!と合点がいった。
リアルタイム(小3くらい)で観ててもいちばん好きなシーンになっていたという確信がある。多分あの俳優を追いかけるようになったり、厨二病の発病がより早まったりしていた気がする。
あと山本太郎のファンにもなってたと思う。中学生に見えないのはおいといて完璧すぎる。
こんなん書きながら歩いてたら、さっきれいわのポスターとすれ違った。時の流れは残酷だ。柴咲コウ、栗山千明、そのままでいてほしい。
でもリアルタイムで観ることは今考えても絶対に不可能だった。小せえ島で映画館はない、ビデオのレンタルは親頼み、TSUTAYAに行くのも親の車頼み。未来最高、サブスクリプション万々歳だ。
あとこんな映画を観るのを親が許したわけがない。なにせクレヨンしんちゃんを禁止するような家庭だし。
学校には友達がいなかったのでビデオ貸し借りの線もまあ、ない。
当時の私が観る機会に恵まれたとして、良くも悪くも凄まじいこの作品の衝撃をどのように飲み下したのか、衝撃の刻まれた脳みそがどうなっていったのか、そのifは少し興味がある。
実際にこの作品に多大な影響を受けた子供が目も当てられない事件を起こしてしまった例もあるし、良い子になる想像はできないけど……
2は多分観ません。
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