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着たい服が着たい(#ねかいごと #キヤスク)

2023年11月11日、介護の日に表参道でクローズドイベントとして開催された「 #ねかいごと 」。今年は11月10日、11日の2日間、東京都千代田区紀尾井町にあるLINEヤフーのオープンコラボレーションスペース「LODGE」にて一般公開されます(入場無料)。イベントに先駆けて、昨年の展示プロダクトのひとつ、「キヤスク」にまつわる#ねかいごとを紹介します。

私が勤めていた介護事業所は文京区にあり、利用者さんには「マダム」を絵に描いたような方々が大勢いました。ビジューたっぷりのセーターや、凝ったデザインのカーディガン。羽織もの一つとってもどれも素敵なものばかり。

でも、おしゃれな服には「着づらいもの」も少なくありません。新人介護職だった宇井では、どうしてもうまく着てもらえないことも多くありました。

「自分が着るように着せるんだよ」

先輩介護職員にアドバイスされた通りにやってみるけれど、うまくいきません。着せるほうも、着るほうも気まずく、しんどい。大好きな洋服に着替える楽しい時間のはずが、苦痛になってしまう……。あの時、「キヤスク」があったら、あんな思いをさせずにすんだと思います。

初めてお会いした時、キヤスクを運営する株式会社コワードローブの前田哲平さんはこう言いました。

「僕は以前、ユニクロで店舗運営や商品開発などに携わった。Made for Allのコンセプトで服作りをするユニクロでさえ、介護の世界の"服の不自由問題" に対応できていない。僕は "お直し” という方法で、この問題解決に挑みたいと思い、起業した」

この話を聞いた時、宇井は心底、自分が恥ずかしくなりました。ヒートテックを始め、人間が洋服を着る上でベースとなる商材をことごとくヒットさせてきたユニクロ。そんなユニクロですらできないことは、これ以上解決しようがないと無意識に思ってしまっていたからです。

前田さんは違いました。どんな身体の状態になっても、どんな洋服であっても、着たい服を諦めないで済む世界に向けて突き進んでいます。

しかもお直しをするキャストの方々は、ご家族に障がいをお持ちの方がいて、それゆえにお直しスキルが身についた人たちが中心。キヤスクは「着づらさ」から解放してくれるだけでなく、家庭内で閉じていた素晴らしい才能を、社会に還元する場も提供しているのです

 ぜひキヤスクと一緒に、この世界から「無言の諦め」をなくしていきたい。そんな風に思っています。

執筆:宇井吉美(aba代表取締役CEO)
初出:2023年11月11日・ねかいごと2023

今年のねかいごとイベントは11月10日(日)、11日(月)の2日間、東京都千代田区紀尾井町にある オープンコラボレーションハブ LODGEにて、無料で一般公開させていただきます。日々の暮らしの中で大切にしたい、ちいさな願い、その願いから生まれたプロダクトに興味がある方ならどなたでも大歓迎です。

▼参加申込は、下記Peatixにて受付中です!


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