赤色選書〜8月のAoyama Book Colors〜
Aoyama Book Colors、それは青山ブックセンターコミュニティー支店による色々選書。本屋さんで出会い大切に読んできた本を、毎月メンバーのコメントと共に紹介します。
今回は8月に集めた「赤色選書」をお届けしていきます。夏の終わりのお供にいかかでしょう?
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1、真鍋博『新装版 真鍋博の鳥の眼 タイムスリップ日本60's』(毎日新聞出版)
真鍋博さんといえば、星新一さんの著作に出てくる挿絵の近未来的な線画の印象が強かった。しかし、この本の都市の描き方は極めて現実的で、その確からしさが挿絵の説得力を増しているのだと気付かされた。それにしても、神様が描いた設計図のような緻密さに驚くばかりである。
ちなみに、この赤版は2019年に刊行された新装版で、1968年の青版よりも判型がひと回り大きい。縦は38センチ、普通の単行本の倍ほどにもなる。半世紀以上前に日本の上空を飛んでいた鳥の目線が再現され、時空や記憶がぐにゃりと歪んで最高に愉快な体験ができる。10月の回顧展も気になるところです。https://twitter.com/ManabeH2020
装幀・構成:真鍋博
新装版装幀:川名潤+六月
印刷・製本:図書印刷
選書:松下大樹
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2、アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)
『GIVE&TAKE』やTEDで有名なアダム・グラントの二作目。
帯は怪しいですが、内容はちゃんとしてるし分かりやすい笑
読めば日々の仕事に前向きになれる、かも。
ちなみに、著者は教授ですが堅苦しくなくて話も面白いです。
https://youtu.be/fxbCHn6gE3U
選書:岸本晃輔
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3、篠原さなえ『人生が変わる声の出し方』(すばる舎)
声に悩んでいる人の強い味方。CD付きでわかりやすい解説!すべての話での強い味方です!
選書:鈴木ユースケ
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4、鳥飼茜『漫画みたいな恋ください』(筑摩書房)
元夫を含め彼氏と2年以上続いたことがないという漫画家の鳥飼茜さんが、彼氏(現夫の漫画家・浅野にいお氏)との確執や息子との衝突、漫画家としての苦悩について記録したものです。
『セブンルール』で「勝手に『好き』なのはソッチの都合でしょ?」と実際に夫に言われた言葉を漫画に書いたと話してたけれど、限界まで人の言葉や心に向き合うと、こうも感情の深いところまで潜れるのだな、と思った本。男女間のわかり合えなさと繊細な感受性に、共感の嵐でした。
浅野氏の日記連載『漫画家入門』とあわせて読むと、パズルが埋まっていくよう。
選書:須藤妙子
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5、『安藤忠雄展 挑戦』(安藤忠雄建築展実行委員会)
3年前に国立新美術館で開催された「安藤忠雄展ー挑戦ー」を記念して発刊された作品集。展覧会はもちろん講演会にも足を運んだことを思い出す大切な一冊です。
今年の7月に中之島に開館した子ども図書館を設計したことで話題を集めていますが、過去には上野の国際こども図書館、司馬遼太郎記念館なども手掛けています。
選書:藤原有希
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他にも、こんな本が挙がりました。
・郷ひろみ『黄金の60代』(幻冬舎)
・赤澤える『私たちのワンピース』
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9月は実りの「黄金選書」です。お楽しみに。