写真というよりカメラ好き
私は写真の良さについてよく分からない。
主題にピントが合っていて、不要なモノが映っていないかボケで気にならないようになっていれば、写真を撮った人の主張が見える。
写真を商品として見せるのであれば、キレイに魅せる技術はある。写真を‘アートとして表現したい場合にもその写真から見て取れる空気感が映し込めていればいい写真だと分かる。
でも、自分にとっては、どんなにピンボケでもその時を映した写真であれば思い出と共に良い写真だと思っている。だからみなが写真を撮る。観光客がカメラをぶら下げているのは、その旅行を特別な思い出にして後で思い出す助けにしたいからいや、もうそんなことに理由は要らないですね。
だから、たとえピンボケの失敗写真でも、それが自分にとって特別な何かを写していたならばその写真は良い写真なのでしょう。
一方で、良いカメラとは?
例えばソニーのα7シリーズは良いカメラだと思う。じゃあキャノンは?ニコンは?ライカは?iPhoneやスマホのカメラは?
結論から言えば、カメラは道具だから、先ほどの自分が良いと思う写真を撮れるならば、35万画素のおもちゃカメラだって良いカメラだし、フィルムカメラが全く消え去らないのはレコードが無くならないのに似ている気がするが、フィルムの表現力はレコードとCDの関係とは違って今はデジタルカメラの方がはるかに素晴らしいとは思う。
ところが、「この写真」と思って撮りたい時は、時代遅れの京セラContaxマウントのCarl Zeissレンズを持ち出し、デジタル一眼にアダプターを介して装着して写していたりする自分がいる。その時にはレンズが主体でカメラは媒介者みたいなものに成り下がる。
そう、自分にとって良いカメラは良いレンズのためのモノなのだ。
ところが、衝動的に買ったカメラがあります。ソニーのILCE-QX1です。
QX-1はソニーのEマウントレンズを付け替えできるAPS-Cサイズのデジカメ本体にあたるモノです。
実際に撮影するときはスマホとwifiダイレクト接続してスマホの画面をEVF ファインダーとして使うことが出来るので、れんずの後ろにスマホを装着できるマウントが付いています。wifi接続であるので、スマホは別に離しておいて、寸胴カメラ状態だけでも撮影可能ですし、もっと言えば、スマホが無くても、寸胴カメラだけでノーファインダーで撮影することも出来ます。
写真はファインダーを覗いて撮影するものという考えを払拭させてくれたのは、
カメラに凝っていた2000年頃、1939-1940年に販売していたZeiss IkonのIkonta A520 120ロールフィルムカメラを酔狂で使ってみた時のことでした。
露光計で絞りとシャッタースピードを決め、距離は目測ファインダーは適当で写すのだけどちゃんと撮れる。おもちゃのピンホールカメラをやったことがある方はあれがもう少しコントロール出来る感じに近い感じです。
写真と作例は以下のリンクが素晴らしいです。
露光計にある程度慣れると絞りとシャッタースピードも肌感覚が出来上がるみたいで、それこそ自分がカメラの機能の一部になったようなそんな奇妙な一体感が出来てきて、Ikontaをポケットに忍ばせておいて撮りたい時にスプリングを開いてレンズをパカっと出して写す、そのスピードはどんなデジタルカメラよりも早いのではないかと思えました。その代わり現像した後あちゃー失敗したと後悔することも多かったです。
成功した時のまさに一瞬を切り取った写真が出てきた時に感じる喜びは写真を撮るという素直な喜びで、今の時代デジカメで山のように撮っておいて後で良い一枚を選ぶのとは逆の、一瞬のチャンスに賭けた真剣勝負の写真の醍醐味そのものでした。
良い写真はやらせではなく、計算しつくした上で撮る場合か、偶然の産物のどちらかなのだと思った時、自分はカメラに凝るのをやめてしまった。
前者は、計算すればするほどたくさんの機材が欲しくなってしまうからです。
後者については、iPhoneで十分なのだと言うよりもiPhoneならば撮りたい時にすぐに写せるという後者にとても向いていると思う。しかしiPhoneで撮影した写真で良い写真が撮れたと思うことはまだ少ない。
そこで、前者の写真に近づきながら、後者の偶然の一枚のため、QX1にお気に入りのレンズを着けて持ち歩いていることがあるのだけど、レンズカバーの中に入れてしまっている段階で取り出すのが億劫に感じてしまう。
写真は「撮る」という意識が無いと偶然の一瞬は捉えられない。その時QX1のもっさりした動作では難しい。むしろ、市初代RX100でいいからポケットに入れておくのが一番確率が高いのだと今は思うのですが、だれか無くなった僕のRX100の行方を知りませんか?
そこで、Eマウントのα6000ボディを手に入れてみたのです。
QX1よりもスイッチONから撮影までの時間が早い上、レンズの使い回しが出来ると思ったからなんですが、頭で考えてもポケットに入らないと毎日は持ち歩かないのだと痛感しています。。。
機材を増やすとまた別の機材が気になる連鎖とも言えここで踏み止まろうとしています。実際この裏にはフィルムカメラに没頭した黒歴史がある訳ですがそれはまた別の機会に。。。
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