マトラなのシムカなの?それともタルボ?
カーグラフィックTVのジュネーブショー2024の2話目の放送の中、INNOVATIONの括りで集められたクルマたちの中に「マトラ シムカ ランチョ」さんがいました。なんでも今のSUVの始祖だとか。
中古を検索してみると大阪に綺麗な売り物が一台います。
シムカ・1100の足回りやボディ前半部を用いて、オフロードカースタイルの車体をFRPで製造して架装したもので、SUV風ではあるが4WD版は存在しない。
シムカ1100に比べるとだいぶプラスチッキーなダッシュボードとなっていて、どこかFiat126とラーダ・ニーヴァの関係を彷彿とさせるものの、マトラ シムカ ランチョさんはまるで中を見て!と言わんばかりのカーゴエリアが、その後のルノーエスパス、カングーそして他社が真似したフィアットクーボやシトロエンベルランゴ、プジョーリフターたちとは異なる感覚が今見ると新しい。
シトロエンとしては2CVからのアカディアーヌの流れがあるから真似したと言われたら怒り出すかもしれません。
進化とは過去の偉大な発明を土台にしてより良いものへ作り変えることとすれば、真似したというのはただ全くのコピーは非難を浴びても仕方ないにしても、そのコンセプトを使って自社の解釈したクルマは極論すればタイヤが4つほどあって運転する乗り物はみな真似をベースにしていて、それぞれのメーカーを支持するユーザーが評価するバリエーションが多く存在するがゆえに、多くの自動車メーカーも存在できている理由もわかろうもの。
それぞれのクルマたちが提供してくれる価値、世界観、感動こそがこれほどまでに人を惹きつける理由だと勝手に解釈しています。
「マトラ シムカ ランチョ」さんの話しに戻ります。
wikiによると、ソフィー・マルソーの映画「ラ・ブーム」と続編の「ラ・ブーム2」に出てきたというので見てみました。
U-NEXTのリンクを貼ります。
見て見ると、主人公ヴィク(ソフィー・マルソー)の両親が運転する家族のクルマとして多くの場面で出演していました。
ラ・ブームとは、パーティのこと、パーティデビューするヴィクを心配してそわそわする父親と、そんな父親にもう少し落ち着きなさいという母親の姿。世界中で親は同じ心境になるものなのだとクスッとさせてもらえました。
公開当時にはちょっとエッチな雰囲気を感じて、子供過ぎて見ていなかったですが、今になって見てみると、逆に子育ても過ぎてしまい大人過ぎて、なんでこの映画があんなにヒットしたのだろうと思ってしまいました。
さて、ジュネーブショーで「マトラ シムカ ランチョ」がSUVの始祖と言われていましたが、果たして本当でしょうか?
「マトラ シムカ ランチョ」の販売は1977年の販売、レンジローバーの販売は1970年からですからうーむ?となってしまいます。
むしろ、本格的な悪路ではない普通車ステーションワゴンの背を高くしたというよりもルノーエクスプレスやカングーの始祖という感じでしょうか?
いずれにしても、フランスの自動車ショーだけにフランスびいきなのは仕方ないこと。
最初にリンクを貼らせていただいた大阪の一台。価格を聞きました。すみません。私にはとても手が出せませんでした。
AutoScout24サイトにはTalbotの中に、Matra Ranchoとして2台の売り物件がありました。
12,950ユーロ(約211万円)と6,800ユーロ(約111万円)です。(円換算は2024.4.12現在のレート)
1番の問題は輸入してから面倒見てくれる工場と出会えるか?ですかね。
ランドローバーの専門店でディスカバリーあたりを当たる方が幸せなのかもしれません。
しかし、幸せのかたちは人それぞれ。
フランス車の独特のクルマにこだわらないけど、ライフスタイルにめちゃくちゃこだわる感じからするとフランス車以外あり得ない気もします。