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Photo by
miel333
命を纏う森羅万象のものたち
暖かい春の日差しが
私を柔らかに包む
実家の裏の畦道を散歩すると
蓮花の花たちが
風に花びらを揺らしながら
おかえり
そう
迎えてくれる
小さなお寺から
読経の声
故郷の春は
いつも優しく暖かい
山路きてここがまほろば蓮花寺
寺は幼い頃の遊び場だった
日暮れまで
かくれんぼ
境内の木々や床下は
秘密基地の宝庫だ
昼間は優しい顔をした寺も
夕闇が迫ると
少し不思議な景色を見せた
蝙蝠が飛んでゆく
春の月蝙蝠いっぴき従へて
逢魔が時
子どもだった私には
夕暮れ時は
畦道の風景や馴染みの寺も
不気味にも映っていた
想い出に別れを告げて
家路を急ぐ
森羅万象は命を纏い
語りかけてくる
何処からか春の歌が聴こえる
それぞれの春
家々に命の灯りが灯り始める
古民家の庭の桜が散り急いでいる
屋根屋根に動きはじめる春の歌
春は旅立ちの季節
伝統と未来への橋渡し
一人ひとりが
思い思いに動きはじめる春
それを
静かに見守る
森羅万象のものたち
風が光っている
命を纏ひ輝く森羅万象
春は誰にもやって来る
宇宙杯みんなの俳句大会募集要項/みんなの川柳大会 みんなの短歌大会も同時開催|かっちー|note
かっちーさんに声をかけていただき、どきどきの初参加です。