Ryzenの3DVcashについて思うこと
私はRyzen教。
Ryzenの3DVcashはとても素晴らしいと思う
ゲーム性能を求めるのであればCPU側のキャッシュを増やすことは最適解の一つだからだ。
キャッシュの増加がゲームのFPS向上に寄与していることは、すでに証明されているため、割愛する。
※無論、キャッシュの増加があってもFPSの向上が見られないタイトルもある。
デメリットといえば、オーバークロックができない構造になるために、定格クロック数が引き下げられている点だろう。
そのため、Ryzen7以下のCPUでは動画のエンコードの能力の低下等がみられる。
しかし、ゲーム能力的には、Ryzen7 5800X3Dですら、いんてる9 12900Kと同程度以上のパフォーマンスが出る側面もあり、費用対効果の高いCPUであるといえる。
AM4(Ryzen5000シリーズ)環境から導入された3DVcashだが、当初はRyzen7 5800X3Dのみであり、実験的な側面もあったといえる。
無印5800Xは32MBのL3キャッシュに対して5800X3Dは96MBのL3キャッシュとなる。
ちなみに、少し触れておくが、私はAM4のプラットフォームを高く評価している。Ryzen5000シリーズが最後となったが、2024年現在も新CPUが導入さあれており、7年以上も続く、息の長いプラットフォームというのはそれだけで信用がある。
未だに低コストCPUの中で群を抜いてコスパがいいのはRyzen7 5700Xであるのは間違いない。
今年に入って5700X3D・5900XT・5800XTが発売されているのというのは、AM4からAM5に移行できていないユーザーに対する救済措置ともいえるし、低価格でPCをアップデートできる選択肢を残してもらえるのは消費者としてもありがたい 。
しかし3DVcashに関しては少し疑問を感じる部分もある。
きっかけとなったのは、ふとしたことだった。
CPU以外で同じ構成で、Ryzen7 5700XとRyzen7 5700X3Dはどれほどまでにゲーム性能が違うのだろうか。という疑問だった。
これを購入し使用するユーザーは、PCスペック的にはミドル層だと感じたからだ。
なぜ、新型の7000シリーズで検証を行わないかというと、7000シリーズはハイエンドであるRyzen9に2種3DVcash搭載モデルが存在し、そのどちらもが、L3キャッシュを128MB以上搭載し、ベースクロックもほぼ落とさず存在している完成度の高いCPUだからだ。
無論Ryzen7 7800X3D(L3キャッシュは96MB)も完成度は高くはあるがあくまで、ゲーム性能のみであり、その他のマルチスコアは同クラスのCPUよりも劣っていた。
しかし、Ryzen9 7900X3DとRyzen9 7950X3Dはマルチスコアは遜色ないレベルで、おまけにL3キャッシュは128MB以上なのだ。
これを鑑みて、7000シリーズは3DVcashの技術としては一応の集大成をみれた世代だったと感じている。
そもそも7000シリーズのRyzen7以上はCPUとGPUのボトルネックを考えると最低でも30万以上の構成が求められると思うので、Ryzen5000シリーズのようなリーズナブルなCPUを使用するユーザーと実情が違いすぎる。
話を戻すが、以下のようなPC構成で3DMARKや各種ゲームのFPS値を記録してみた。
CPU
AMD Ryzen 5 5700X3D(8コア16スレッド)、
AMD Ryzen 5 5700X(8コア16スレッド)
GPU
RTX4060
マザーボード
ASUS PRIME B550
メモリ
DDR4 16GB×2
システムSSD
2TB
CPUクーラー
DeepCool AK400(12cm角×1、サイドフロー)
電源
Super Flower LEADEX V G130X 1000W
CPU以外は同じ構成で、比較的普及率が高く、最新世代のGPU RTX4060を使用している。
結果は、
3D MARKでは誤差程度の性能差しか得られなかった。
5700X スコア25190
5700X3D スコア25183
APEXでは最高画質、FHDで検証()内はFPS値
5700X(234)
5700X3D(239)
CoDMW3では画質極限、FHDで検証
5700X(158)
5700X3D(159)
以上の結果となった。
まったくもって誤差程度の数値しか得られなかった。
これはGPUの性能不足で出力が頭打ちになるからであり、CPUだけの問題であるとは言えない。
解決策はRTX4070以上を使用するということだ。
しかし、5700Xを使用する人が果たしてRTX4070以上を使うだろうか?
GPUだけで10万近いのに。
わざわざ、すでにプラットフォームが移行しつつあるAM4よりAM5のCPUを購入するのが無難だろう。
無論AM5環境下の3DVcash搭載モデルも4070以上でなければその真価を発揮することはできないだろう。
今更5800X3Dや5700X3Dを使用する人は気を付けてほしい。
GPUは4070以上でなければ、無印と変わらない。
今後7800X3Dや7900X3D・7950X3Dを購入する人も4070以上を推奨する。
ボトルネックになる組み合わせにしてもお金の無駄であることに違いはない。
3DVcashを体感したい人はRyzen7000シリーズ以降のCPUでRTX4070以上を使おう。
やはりRyzen。