見出し画像

足りなかったサンタクロース

『あれは本物のサンタさんなんだろうか❓』

今日は私が幼稚園の時に初めてサンタ(仮)さんを見た、恐怖の話をします。


赤い服を着て白い髭を生やして、園児が興味を引かれる巨大な白い袋を持って、

サンタ(仮)はポツリと呟いた

🎅「メリークリスマス……。」


日本人の発音……⁉

そのサンタ(仮)はお父さんが連れてきたイギリス人と、発音が全然違ったのです。

2人の若い先生が「サンタさんがみんなの所にちょっと早く来たよー!」とサンタ(仮)を盛り上げていた。

友達は「やったー!サンタだ🎅わーい🙌」と、無邪気に駆け寄って、お菓子をもらうために列に並んでいた。

そのサンタ(仮)は、日本人の太ったさえない中年のおじさんだった。

椅子に座ってドヨーンとやる気がないのは伝わってきた。黒ぶち眼鏡から見える細い目は、人生にかなり疲れきったような目だった😰

私はかなりのショックを受けながら、

先生に「お菓子もらえるよ、並ぼう」と背中を押されて、1番後ろに並びました。


『あれは本物のサンタさんなんだろうか?』

他の子はどうしておかしいと思わないのか??

私がおかしいのか?


お菓子をもらう順番がどんどん近づいてくる。怖いな(ドキドキ、ドキドキ)でも、
お菓子は欲しいな。

椅子に座ったサンタ(仮)を下からの目線で見ると、口もとの付け髭の付けた所が少しはがれてセロハンテープが見えていた。

『絶対に違う!』


私は見てはいけない物を見てしまった気持ちになった。
お菓子をもらいながら目線を反らした。

サンタ(仮)が帰った後、お菓子の袋を持ってうれしそうな女友達から「どうして、そんなにテンション低いの?サンタさんに会えたんだよ?」と不思議そうに聞かれた。

「私はみんなが無邪気に駆け寄って、喜んでるのが不思議だよ」と伝えた。

そして、いろいろな疑問点を言ってしまった。

「でもお菓子くれたし!本物のサンタだよ!」と泣きそうになっている友達に、一人の男子が近づいて

「なんか、見たことある顔だったな」と目撃証言まで出てきた。


『サンタなんていないんじゃないか?』

園児達は疑いはじめた。

ここから先は

321字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?