【読書感想】同志少女よ、敵を撃て
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
これもつい先日読み終わりました。
結構話題になっていたので読みたいなと思っていた作品です。
たくさんの地名や名前が出てくるので土地勘がない私には少し難しく読み終わるまでに時間がかかりました。
でも読み終わったあとこれは読んで良かったなと思いました。
主人公の少女が狙撃手として戦場に出るお話です。
まず序盤から少女が幸せにのんびり暮らしていた村、人々が全て襲われ占領されてしまうところから始まります。
ここで死ぬか、戦うか。の究極の選択を迫われた主人公はついていく事を決意し、目の前で母の遺体を焼き払ったこの女に復讐することを誓います。
自分の全てを奪ったこの女は狙撃手を育てる狙撃兵の女教官でした。
少女は狙撃兵の訓練学校に通い、そこで仲間たちと出会い女教官から狙撃の全てを習いました。ここに来る仲間たちも主人公と同じ戦争で家族を失った人たちばかりでした。
主人公は狙撃の訓練を受け戦争が終わったら必ず女教官(イリーナ)に復讐する事も忘れませんでした。主人公(セラフィマ)にとって1番憎むべき相手はイリーナです。
それでもセラフィマは過酷な訓練生活を生き抜き、そして仲間たちと戦場へ出ます。
戦場はもちろん学校のように習った事だけでは上手くいかない事もたくさんあり、一緒に過ごしてきた仲間、さっきまで隣にいた仲間が一瞬で命を落としてきます。
それでも戦争に勝つために仲間の死を嘆いてる暇もありませんでした。
戦争の過酷さ、訓練兵時代に出会った仲間たちとの日々。
そして何の為に自分は戦っているのか。
常にその問いかけが続いているように思えました。
戦争で得たもの、失ったもの。
そしてセラフィマの最大にして1番憎むべき相手。
ネタバレになるのですが、実はイリーナは出会った当初からセラフィマを守ってくれていたことにセラフィマは気付きます。
そして2人はお互いに家族以上の大切な存在になります。
長い作品でしたが、たくさん考えさせられる本でした。
一度は読んでみた方がいいと思える本でした。
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